ブラックホールの謎に迫る「すざく」や
太陽観測衛星「ひので」の説明を受けた。
「太陽の観測ならば地球でもできるのに、なぜ宇宙で行うのでしょう」と
細田先輩から質問をされた。
「空気の影響を受けない」「地球の磁場の影響を受けない」などがポツポツと答える。
「そうだね、空気の層で私たちは有害な宇宙線から守られているが、
その反面、空気により屈折などで正確なデータをとれない。
だから、宇宙で観測する必要があるんだ。
地球上という見方や発想しかなかったら、宇宙開発や観測などできない。
答えがないことだから、想像力を働かせることが大切」と先輩。
いよいよ「はやぶさ」と「はやぶさⅡ」だ。
まずは初代「はやぶさ」
「はやぶさ」(MUSES-C)は、小惑星探査を目的に開発された探査機です。
「はやぶさ」が探査するのは、地球の軌道と似た軌道を持ち、
日本のロケット開発の父である故糸川英夫博士にちなんで「ITOKAWA」(イトカワ)と名付けられた小惑星です。
小惑星までイオンエンジンを使った飛行を行い、自律的に小惑星に近づき、
その表面から、物質のサンプルを持ち帰ることを目的にしています。【JAXAより】
「はやぶさ」はイオンエンジンという新しい技術で小惑星を目指しました。
イオンエンジンはキセノンという気体をイオン化し、電気的に加速して噴射するものです。
効率が非常によいことから、将来の月・惑星探査でも重要な技術として期待されています。
また、遠く離れた小惑星に探査機が自ら判断して近づく「自律航法」を実証しました。
カメラやレーザ高度計のデータをもとに、小惑星との距離を測りながら、近づいていきます。【JAXAより】
最大の特徴は、「イオンエンジン」と「自律航法」である。
その「イオンエンジン」を担当したのが、細田先輩である。
なぜ「イオンエンジン」だったのか?
まずは効率の良さ。いわゆるロケットのように燃料を大量に消費するものでは、
片道20億kmのような超距離を航行し続けることはできない。
求められるのは軽量で、いわゆる燃費の良いエンジンである。
そこで電気的に加速できる「イオンエンジン」に白羽の矢が立ったようだ。
写真の真ん中下の部分が「イオンエンジン」である。
その最新鋭「イオンエンジン」の生み出す力はナント!
人の「鼻息」程度。
しかし、その鼻息を継続していくと理論上、光速まで可能になる。
小さな力でも「継続は力なり」ということを教えられた。
もう一つの特徴「自律航法」
自律とは「自分自身をコントロールする」という意味だ。
つまり、宇宙船というより「ロボット」である。
自律型にした理由は、
20億kmの距離が、光の速さでも15分かかるということにある。
つまり、「はやぶさ」に異常があった場合、地球に状況を知らせるのに15分
それを受信して、瞬時に判断し、指示を送ってさらに15分。
トラブル発生から30分以上かかってしまう。それではもう「はやぶさ」壊れているかもしれない。
だから、「はやぶさ」自身が自分で考えて判断しなくてはならないのだ。
往復40億kmの旅を支えた自律型のコンピュータはさぞかし高性能だと思うだろう。
実は、それが「ファミコン」程度、現在のスマホの方がよほど高性能だという。
そんなものであの旅を・・・と思うだけで感慨に震える。
頭の良さって何だろう?
難しい計算ができること、語学が堪能なこと、難解な理論を理解していること・・・
自分のことを理解していること。
ではないかと「はやぶさ」は教えてくれているような気がする。
つづく
太陽観測衛星「ひので」の説明を受けた。
「太陽の観測ならば地球でもできるのに、なぜ宇宙で行うのでしょう」と
細田先輩から質問をされた。
「空気の影響を受けない」「地球の磁場の影響を受けない」などがポツポツと答える。
「そうだね、空気の層で私たちは有害な宇宙線から守られているが、
その反面、空気により屈折などで正確なデータをとれない。
だから、宇宙で観測する必要があるんだ。
地球上という見方や発想しかなかったら、宇宙開発や観測などできない。
答えがないことだから、想像力を働かせることが大切」と先輩。
いよいよ「はやぶさ」と「はやぶさⅡ」だ。
まずは初代「はやぶさ」
「はやぶさ」(MUSES-C)は、小惑星探査を目的に開発された探査機です。
「はやぶさ」が探査するのは、地球の軌道と似た軌道を持ち、
日本のロケット開発の父である故糸川英夫博士にちなんで「ITOKAWA」(イトカワ)と名付けられた小惑星です。
小惑星までイオンエンジンを使った飛行を行い、自律的に小惑星に近づき、
その表面から、物質のサンプルを持ち帰ることを目的にしています。【JAXAより】
「はやぶさ」はイオンエンジンという新しい技術で小惑星を目指しました。
イオンエンジンはキセノンという気体をイオン化し、電気的に加速して噴射するものです。
効率が非常によいことから、将来の月・惑星探査でも重要な技術として期待されています。
また、遠く離れた小惑星に探査機が自ら判断して近づく「自律航法」を実証しました。
カメラやレーザ高度計のデータをもとに、小惑星との距離を測りながら、近づいていきます。【JAXAより】
最大の特徴は、「イオンエンジン」と「自律航法」である。
その「イオンエンジン」を担当したのが、細田先輩である。
なぜ「イオンエンジン」だったのか?
まずは効率の良さ。いわゆるロケットのように燃料を大量に消費するものでは、
片道20億kmのような超距離を航行し続けることはできない。
求められるのは軽量で、いわゆる燃費の良いエンジンである。
そこで電気的に加速できる「イオンエンジン」に白羽の矢が立ったようだ。
写真の真ん中下の部分が「イオンエンジン」である。
その最新鋭「イオンエンジン」の生み出す力はナント!
人の「鼻息」程度。
しかし、その鼻息を継続していくと理論上、光速まで可能になる。
小さな力でも「継続は力なり」ということを教えられた。
もう一つの特徴「自律航法」
自律とは「自分自身をコントロールする」という意味だ。
つまり、宇宙船というより「ロボット」である。
自律型にした理由は、
20億kmの距離が、光の速さでも15分かかるということにある。
つまり、「はやぶさ」に異常があった場合、地球に状況を知らせるのに15分
それを受信して、瞬時に判断し、指示を送ってさらに15分。
トラブル発生から30分以上かかってしまう。それではもう「はやぶさ」壊れているかもしれない。
だから、「はやぶさ」自身が自分で考えて判断しなくてはならないのだ。
往復40億kmの旅を支えた自律型のコンピュータはさぞかし高性能だと思うだろう。
実は、それが「ファミコン」程度、現在のスマホの方がよほど高性能だという。
そんなものであの旅を・・・と思うだけで感慨に震える。
頭の良さって何だろう?
難しい計算ができること、語学が堪能なこと、難解な理論を理解していること・・・
自分のことを理解していること。
ではないかと「はやぶさ」は教えてくれているような気がする。
つづく