「大学ラグビー考」

関東大学ラグビーリーグ戦大東大を中心に、気の向くまま書いて見ます。ときには陸上にもふれます。H.Nakamoto

早大戦を振り返って

2017-04-25 17:35:39 | 大学ラグビー

23日の早大戦を振り返ってひと言


  しばらく時間が経った23日の対早大戦の試合経過を振り返ってみますと、この時期としては両校とも調整段階にあったことは否めないようです。練習試合なしの、いきなり春季大会に臨んだわけですから、両校とも、チームプレーでのコミュニケーションが十分ではなかったのではないか、そう思いながら観戦していました。

  個々のボールへの集中力、特にハイパントのボールに対しての適応力では、早稲田の方が勝っていたように思いました。個々のプレーヤーがボールを支配していた時間もまた早稲田が長かった感じでした。その早稲田のボール支配を断ち切りマイボールにしていたのは大東大の激しいディフェンスだったと思います。

  全員が一歩でも前に出て低い姿勢でのディフェンスは、2年前の大学選手権、対筑波戦あたりから大東大のラグビーを特徴付けているようです。相手の腰から下にタックルして相手を止める、それは、全体に腰高だった早稲田の選手に対して有効にフィットしていました。

  試合は、大東大大矢のキックオフで始まり、相手陣内に攻め込んだのですが、レシーブミスがあってノッコン、スクラムは大東が優位に押したのですが、早稲田が上手くボールを拾って、大東大陣内に深く蹴り込んできました。ここでも大東にミスが出て、ゴールラインを挟む3~4分余の必死の攻防、まさにこれぞ〈ライン・ディフェンス〉を展開することになりました。

  前半の7分ごろでしたが、やっとの思いで攻守が逆転し、マイボールを蹴り出すことに成功したのを確認して、ほっとしたのを覚えています。いま思い出しますと、あそこは本当に良く守り切ったと感心しています。これはいける、と安心感が湧いたのもその時でした。

  大東大は選手一人一人が、とにかく懸命にディフェンスしていたのが印象的でしたし、1年生のSH南選手もうまくボールを処理していましたし、またボールを持つと早稲田のプレーヤーのスキをついて快足を飛ばして相手陣内を攻め落としていたのも頼もしかったです。12分過ぎでしたが、相手ゴールラインが見えてきたところで、9番が絡んで8番、10番、5番と繋いで最初のトライが取れたとき、チームのムードが高揚していました。

  前・後半通してスクラムで優位に立ち、BKは勿論ですがFWが良く走っていたのも印象的でした。後半の22分と29分の二つのトライはFWの4番と7番で取ったトライがそのことを物語っていると思います。

  第1列古畑、平田、藤井の3人は、昨シーズンから経験を積んできていましたし、またファカタヴァ兄弟が非常に積極的だったのも大東の勝利に大きく貢献していたように思います。次は、9連覇を目指す大学ラグビー界の王者帝京大戦ですが、とくにプレッシャーの強さには定評があります。新生大東大、どこまでやれるか、楽しみにしています。

  

  




1 コメント

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楽しみですね! (ゼミOB中山)
2017-04-26 23:15:31
早稲田戦、現地応援はなりませんでしたが、オンデマンドでやっと見る事が出来ました。
なるほど、あのディフェンスあってこその完封勝ちだったのですね。
先生おっしゃる通り、ボール支配率は早稲田が上回っていたものの、意識高いディフェンスから相手ミスなども誘ってターンオーバー、そして一気にトライ。お見事でしたが、昔から大東はああいったパターンは得意ですよね!
それに加え、この時期の早稲田…というのもあるでしょうが、スクラムが終始優勢だった事もチーム全体に精神的余裕を生んだのでしょうね。
パント処理後、マイボール持ち込み後のブレイクダウンでターンオーバーされる場面がありましたし、スクラムに比べラインアウトが不安定だった辺り、またアタック時でのイージーミス等はこれから改善していってもらいたい所でしょうか。
スクラムは更に安定感と強さを身につければ、8アマト選手と9南選手のコミュニケーション&アタックも大きな武器になりそうだと感じます。

次の帝京戦も、自分達の目指すスタイルを思い切り貫いてほしいと思います!
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