TOMOKOのカフェテラス

TOMOKOのカフェテラスへようこそ。お好きな本を読みながら、音楽を聴きながら、素敵な時間をお過ごし下さい。

山月記

2016-06-25 23:39:17 | books
 一人の青年が、虎に変身していまうお話です。何故、虎になんで?そんな彼が、草むらの中かで、古い友人に出あってしまいます。

 虎はいいます。「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」のせいだと。また、こうも言います「人間は誰でも猛獣使いである」と。初めてこの本読んだ時、そのようなことは、考えもしませんでした。でも今になって振り返ってみると「何故あんなことことをしてしまったの?」とか、「もう少しよく考えていたら・・」なんて言うことが、多々あったような気がします。そう、心なかの「猛獣」が、暴れだしていたのかもしれません。

 その「猛獣」を抑えられなかったばかりに、虎の姿に身を落としてしまったのだと。ひょとして、こんなTOMOKOでも、人を襲ってしまう虎のように、人を傷つけてしまったことがあったかもしれません。いえ、自分自身も傷つけ、心をもむしばんできてしまったのかもしれません。でも、それは、今になって振り返ってみればわかること。人は誰も、「猛獣使い」なのです。

 
 この作品を初めて読んだのは、中学の時の教科書でだったと思います。ぜ昔のことです。あの時の思いと、いま読み返した時の感想では、ずいぶんと違った思いを抱いているのに違いありません。「猛獣」を上手に使いこなせてきたでしょうか。

 作者は、中島敦。33歳の若さで亡くなりましたが、漢文の素養にあふれ、丁寧な日本語の気品のある文章です。カフェテラスで、ゆったりと読まれるのもいいですが(それでも、読み終えるには10分とはかかりません)、是非、言葉に出して読んでいただきたい作品です。

この国のかたち

2016-05-30 22:17:10 | essay
 風が心地いい季節になりました。テラスにでて、ゆったりと本でもよいいで見ませんか。

 司馬遼太郎といえば、なにを思い浮かばれるでしょうか。「竜馬がゆく」「国盗り物語」「坂の上の雲」辺りでしょうか。時代を動かした人、歴史上の人物を通して、時代そのものを俯瞰する視点、日本とは、日本人とはを思いめぐらせて人ではなかったでしょうか。

 「この国のかたち」は、1986~1996年まで、最晩年までの121話題と、いくつかの随想を集めたものです。

 小説のように、ある人物に焦点をあてたものではなく、いうなれば、歴史の一断面にスポットを当てた切り口になっています。これまで司馬遼太郎が語ってきた物語のエッセンスを集めたかのようです。いままで司馬文学になじみがあった方には、思わずにやりとするところがあったり、いわゆる「司馬文学」を再確認することができたりもします。反面、司馬文学になじみがなかった方にも、彼の作品の入門編としても十分に楽しめるのではないでしょうか。(お芝居の、舞台裏をのぞき見た感じにはなりますが)

 司馬遼太郎が求め続けたもの、「日本とは、日本人とは」、いわゆる「司馬史観」触れることができます。空海から正岡子規まで、飛鳥から昭和の時代までの戯曲のト書を読んでいるかのようです。

 このテラスに流れる風は、坂本竜馬にも斎藤道三にも正岡子規にも、なにごとか囁いたのかもしれません。


みなさま、おひさしぶりです。

2013-03-23 21:43:09 | Weblog
みなさま、おひさしぶりです。
すっかりご無沙汰をしていました。もうすっかり、春ですね。ということで、「TOMOKOのカフェテラス」も、リニューアルをしました。カフェテラスで本読んだり、音楽を聴いたり、時には映画を見たりと、ゆっくりと、そしてまったりと、素敵な時間をお過ごしくださいね。

レッドクリフ PartⅡ

2009-04-26 13:32:25 | movies
 TOMOKOが、この日初めて体験したことは、それは映画館へ行くことでした。

 見たのは「レッドクリフ PartⅡ」でした。前日に封切られたばかりでしたので、かなりのお客さんがおいででした。それに、最近の映画館は、ほとんどが指定席になっていまして、並んで指定席を買わなくてはいけません。まだ上映時間には間があったので、すんなり買えましたが、並んでいる時間が、かなり緊張しました。でも、窓口のお嬢様は、意外と普通の対応。

 座席に着くと、両隣はおば様と、デート中のお嬢様。なんだか、一安心です。席はやっぱり少し窮屈です。ヒールのある靴が、少し邪魔に。これから3時間、足をそろえてみるのは、かなり大変。女の子は大変ね。それに、姿勢も気になるし。「あのこ、かなり背が高いわね。ひょとして・・・」なんて思われてないかしら。

 さて、映画ですが、ストリーは、大体は「吉川英治・三国志」と同じですが、やはりそれは映画ですので「ジョン・ウー・三国志」というべきでしょうね。かなり、ドラマ性が強く作られています。それなりの緊張感とスピード感があって、十分に楽しめます。

 映画館というくらいところで、女の子一人でいるのは、少し心細かったわ。やっぱり、どなたか、素敵な方と一緒に見にいきたいわ。

 そんなかんだで、楽しい一日を過ごしました。

マンマ・ミーア!

2009-02-27 18:44:51 | movies
 最近は、春めいてきまして、少しずつ心がウキウキする季節になりました。

 久しぶりに映画のお話しです。これは、只今上映中の映画です。「マンマ・ミーア」

 これは、理屈抜きに楽しんでください。全編ノー天気に、楽しいじゃって下さい。

 ミュージカルといえばそうなんですが、全編ABBAのご機嫌な音楽が流れています。ABBAをリアルタイムで聞いていた方も、ABBAって誰?と言う方も、十分に楽しめます。

 ストーリーですか?あまり気になさらなくてもいいです。あ~やっぱり、というように予定調和で流れていきますから。

 メリル・ストリープは、アラカン(アラウンド・還暦)とは、とても思えない歌と踊りです。ほんといつまでも綺麗で美しいです。
 ピアーズ・ブロスナンは、007の印象が強いのですが、おなかの出たジェームス・ボンドは見たくなかったかも。でも、いい味出してます。

 カラオケで「ダンシング・クィーン」を歌っている人をみたら、間違いなく、この映画を見られた方です。思わず、歌いたくなるほど、ノー天気に楽しい映画です。

 こんな時代です、大いに楽しんで、日頃の憂さを吹き飛ばしてやりましょう。

おくりびと

2008-10-16 19:48:01 | movies
 久しぶりの、映画のお話しです。昔の作品ではなく、今月、封切られて、上映中の作品です。タイトルは、「おくりびと」滝田洋二郎監督作品 です。

 皆様「納棺師」ってご存知でしょうか。亡くなった方を、お化粧をして、お着物を調え、納棺をする、「安らかな旅立ちのお手伝い」をする人のことです。
 都会でチェロリストをしていた、主人公(本木雅弘)が、リストラされて、故郷、山形に帰ることになります。そこで、納棺師の社長、佐々木(山崎務)と出会い、納棺師として、勤めることになります。「納棺」それは、人の「最期」のお手伝いをするしごとです。さまざまな人に合い、経験することになります。

 軽妙な笑いに中に物語りは進んでいきますが、最期には「人の尊厳」とはなにかを、皆様に問い掛けてきます。

 山形・庄内平野の自然と、主人公が奏でるチェロの響が、とても美しく、それでいて力強いです。

 全編をながれる、人間愛に、見終えたときには、爽やかな感動に浸ることになります。この素敵な時間を、ぜひ、大切な方とお過ごしください。

ボッコちゃんー星 新一

2008-02-16 16:26:25 | books
 みなさま、お寒い中いかがお過ごしでしょうか。この季節、こたつに入って、テーブルにはミカンとポテトチップス、TVをつけて、どのDVDを見ようかと、思いをめぐらせては、いらっしゃいませんか。そんなとき、健康的に本でも、お読みになってみては、いかがですか。ちょっと気軽に読めるショート・ショートなんかいかがですか。

 今日の読書案内は、星新一のショート・ショート集です。「ボッコちゃん」「ようこそ地球さん」「妖精配給会社」の三本です。(あら、サザエさんみたい)

 ショート・ショートとは、せいぜい5ページていどの作品の中に、ユーモア・風刺などをおりこんで、あとでにやりとさせたり、納得させられたりと、粋でおしゃれな気分にさせられます。

 たとえば、ある星に着いた地球人の訪問団が、歓迎を受け、地球での愛情表現、つまりキスを、その星の人に教えますが、キスはその星の人にとって・・・(「ボッコちゃん」のなかの「親善キッス」)

 みなさま、お外に出られないこの時期、おうちの中で「好奇心の旅」をしてみましょう。

ロングバケーション

2008-02-06 20:19:43 | music
 名まえばかりの春ですが、今日は、心持だけでも、暖かい夏の気分に浸ってください。今日、TOMOKOのカフェテラスで、ご紹介するアルバムは

 A LONG VACATION ロングバケーション - 大滝詠一 (1981) です。

 これは、ほんと、気持ちよく聞くことができます。夏休みの陽だまりに、夏の温かいあめにぬれながら、長いバケーションをすごす、ゆっくりとした時間。そんな、贅沢な時間を感じさせてくれます。

 ほとんど全編、作詞・松本隆 作曲・大滝詠一ですが、どこかにアメリカンポップスの香りが漂っています。恋人たちの何気ない表情(唇、つんと、尖らせて、何かたくらむ表情は、)雨の中を走るワーゲン、悲しい失恋の言い訳(おお、カレン~)などなど、松本隆・大滝詠一の才能があふれています。ゆったりと、そして、しっかりとしと、無駄のない、シンプルなメロディを、味わってくださいね。

 ストーブの前で、夏休みの曲を聞くのもいいものです。このアルバムは、心が、まったりとしてきます。

 そこの、今からスキーにいかれるお二人さん、このアルバムを聞きながらいかれては、いかがですか。冬におかしいですか。いえいえ、1981年から1982年のゲレンデに流れていた音楽は、このアルバムと、山下達郎の「FOR YOU」ばかりでした。


文車日記

2007-11-27 21:09:23 | books
 白いセーターをきて、飛行機に乗りたいなぁ、などとTOMOKOが思ったばかりに、すこし昔に読んだ本を思い返しました。

 「文車日記ー私の古典散歩」 田辺聖子

 これは、作家 田辺聖子が、いろいろな日本の古典のエッセンスを彼女なりの視点で綴った、文字通りの、古典散歩です。

 この中に「ヤマトタケルノミコト」のお話が出てきます。ヤマトタケルノミコトは、古代の伝説上の英雄です。
 父の景行天皇の命令をうけ多くの賊たちを討伐します。しかし最後には大和の都にかえる途中に、力尽きてしまいます。

 倭は国のまほろば たたなづく青垣 やまごもれる 倭しうるはし

 ヤマトは、美しい山々に囲まれた美しい国、愛する母なる国

 と、詠んで、命尽きます。その魂は、白い鳥になって飛んでいきます。

 TOMOKOは、白いセーターをきていましたが、ヤマトタケルノミコトのように純粋な心は、なかなかに持ち合わせてはいないようです。でも、素敵な英雄に、あこがれる乙女心は、持ち合わせているようです。

 誰か、TOMOKOを、大空に連れてって!

私をスキーに連れてって

2007-11-16 22:13:26 | movies
 そろそろ山の方からは、雪便りも聞かれるようになりました。TOMOKOは、この時期になると思い出す映画があります。「私をすスキーに連れてって」(1987)

 都会ではさえない青年が、ゲレンデにつくと大変身。そんな男の子のラブストリー。スクリーンいっぱいに広がる、スキーのたのしさがいっぱいです。ちょと都会っぽいオシャレと、憧れのライフスタイルがいっぱいの青春ラブストーリーです。

 三上博史、原田知世などのほかにもう一人の主演がいます。それは、全編に流れるYUMINGの音楽。オープニングの「サーフ天国、スキー天国」から、「恋人がサンタクロース」「BLIZZARD」まで、とくにTOMOKOの大好きなクリスマスソング「ロッヂで待つクリスマス」が流れたときは、涙モノの感動です。

 ストーリーがどうとか、演技がわざとらしいとか、そんなことはどうでもいいような快適青春映画として、おたのしみくださいね。

 最近は、すっかりスキーには行きませんが、TOMOKOのカフェテラスで、この映画をご覧になったみなさま、もう一度ゲレンデに立ってみませんか。スノボー小僧に負けるな!