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労働ってなんだ(2)

2014-06-05 01:33:50 | Weblog

日雇肉体労働という奴隷天国」。悲しい現実なのかもしれない。

以前のエントリーで私のアルバイト履歴の一部を明かしたが、肉体労働を志願したことがあったので追記しておく。

 それは、なにかのスポーツの世界的大会があるので体育館を建設しているが、明らかにスケジュールが遅れているので予算度外視で人を集めているらしいので行ってくれ、というものだった。パッと見の雇用条件、とりわけ時給では特に優れているものではない。オイシいのは大学の単位が補償されることだった。
 講義に現れてもどうせ寝ているだけで、テストではぎりぎりのところで通過しやがる厄介な学生。それを若き肉体を欲している現場に派遣する。簡単かつ合理的な仕事だ。

 赴いた現場では、早速、初心者研修。
寝たりなんかしない。ヘルメットに「研修済」のシールが貼られるためには、どのようなプロセスが必要なのか実体験できているわけで、寝ている場合ではない。研修の修了テストがあったのかもしれないが、少なくとも落ちた記憶はない。
 そこは、普通に肉体労働の現場であった。つらい。軟禁されているのが急ごしらえで仮オープンしている新築のホテルであることが少しの安らぎだ。
 それでも、今のスマホみたいなものもなく、人としてコミュニケーションに飢えるので現場のオッサンたちと話をすることになる。

 「あんちゃん、学生なんだって?」
 「はい。いちおう。」
 「なに学んでんの?」
 「情報系です。」
 「なにそれ?」
 「電気系のオマケみたいなもんですかね。」
 「なに!? 電気!! そっちに人足りないんだよ!」

 ...ということで、その場で直ちに配置換えが行われ、可動の観客席の椅子の配線工事に回される。私にとっては、はるかに楽チンな作業なのだが、肉体労働のオッサンたちにとってはワケが分からない作業をこなしてくれる貴重な人材になったようだった。


 もちろん、私がたまたま幸運だっただけ、だとは思わない。
「厄介な学生」だと前述したが、昼間の講義での態度が最悪なかわりに、深夜の校内を徘徊して翌日の講義や実験の準備に追われている教員の助っ人をしていた。それが楽しいし、教員も助かるだろうし、準備の手伝いをしていたら、その先のテストへの知識は自ずと得られる。それは横領とかそういうものではない、と考えたいのだが、現在ではそうはいかないのだろう。

 

 情報系、特にインターネットで何ができるかを学び、夢見た人間として、今の状況は残念でならない。
そこには無限の選択肢があって、自由に選ぶことができる。労働者も雇用者も、だ。なのに、なんだかわからない「何か」が評価軸を設定して、そのランキングですべてが決まる。
 例えば、評価軸のひとつは「楽チン」で、「なぜ「何か」が決めた評価軸でそれが「楽チン」なのか」などいうややこしいことを考える人間は、おそらく「楽チン」には扱えないだろうから、労働者としての価値は下がる。雇用されない。もはや労働でもない。脳でカロリーを消費して二酸化炭素を排出するなんて信じられない。消えろ。

 それじゃあ、大学はおろか、いまのところ義務教育ではない高校に通う意味とはなんなのだろう?


...と、余計な問いを投げかけて、考えちゃった人が排出した二酸化炭素が地球の生態系に与えた影響を鑑みて、「何か」ではなく、自分で責任を負います。ありがとうございました。


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