空飛ぶベッド友の会

心の友の会話

「長くつしたのピッピたんぽぽ温泉にあらわる」

2012-03-17 11:46:57 | 日記
アンナとケイはお気に入りの水着を着て、いろいろな不思議な湯舟の中を人魚姫のように泳いだり、飛び魚のようにジャンプしたり、イルカのように仲良く水中を散歩したりして遊びました。
さんざん泳いで二人は、湯舟から上がりました。水着はお日さまの香りがして、もうすっかり渇いていました。

たんぽぽの湯の前に、「冷やしコーヒー屋」と看板をあげているお店があるのを見つけました。アンナとケイは「ごめんください」と声をかけて入りました。
すると、奥から「ゴメンってあやまらなくていいよ。ここは、アンナとケイはのお店でもあるんだし。好きに入って。」と耳の横で、運動会の綱引きの時に使うロープみたいに、元気で丈夫そうなみつ編みをした女の子が靴の代わりに、ブラシを履いて出てきました。
アンナとケイは、「長くつしたのピッピちゃん!」と嬉しい悲鳴をあげました。
ピッピのお父さんは船長さんで、今は遠い南の島にいるのです。ピッピはお父さんから、アンナとケイはの好きな冷やしコーヒーを研究して、お店をきれいにおそうじをしてあげるように、と大事な仕事をまかされていたのです。
ピッピは奥のキッチンから、澄んだ湖のようなお盆に透明すぎてコップが見えない冷やしコーヒーを二つ並べて運んできてくれました。アンナとケイは、コップの見えない冷やしコーヒーを、まるで上等のワインを飲む人のように、うやうやしく、まず香りを楽しみました。すると、潮風の香りがして耳もとでザザーッと波の音がしたように思いました。本物の麦わらのストローをそえてくれていたので、そっとストローを吸いました。口の中では、生き生きしたコーヒー豆の味とやさしいミルクの味が楽しそうに舌の上でフォークダンスをし、唄いながら喉の奥へと滑り込んでいきました。
これは、ピッピのお父さんが南の島で特別に栽培してくれた冷やしコーヒーの木から採った冷やしコーヒー豆です。ケイとアンナの水着と同じ布で作った風呂敷にコーヒー豆を包み、クジラがたんぽぽ温泉港まで運んでくれたのです。だから、波の音がして、そしてとびっきり美味しいのです。
うっとりとした表情でストローから冷やしコーヒーを飲んでいるアンナとケイを見て、ピッピもとても満足そうです。湖のようなお盆はアンナとケイとそしてピッピの幸せそうな顔を写し、ピカピカに磨かれた床に反射し、反射した光りが店の外に輝き出るとフィンガーチョコの包み紙のような銀紙になりました。その時突風が吹いて、銀紙は南の島までひとっ飛びに吹き飛んでいきました。きっとピッピのお父さん船長は、風の宅急便屋さんが届けてくれた銀紙写真を眺めて、もっとたくさんの冷やしコーヒーの木を植えてくれることでしょう。

アンナとケイはピッピとお友達のしるしにピッピ式床磨きを教えてもらうことにしました。
それは、おそうじをしているというより、フィギュアスケートの選手のように、すごいスピードでクルクル回り、ジャンプし、優雅に振りをつけ、見ていて、誰もが床磨きをしたくなるような、おそうじです。
アンナとケイも、さっそく靴の代わりにブラシを履いて床磨きのステップを始めました。
スロースロークィック クィッククィック、アンドゥトゥルー、いちにさん。いつのまにか、アンナとケイの水着は、フィギュアスケートの、風になびく衣装に変わっていました。
冷やしコーヒー屋さんのお店の中では、輝く湖の上を南風の運んでくれたハイビスカスとブーゲンビリアの花びらで作った衣装をまとい、蝶のように軽やかに舞う三人の少女の笑い声がこだましていました。遠い南の島まで届くくらいの、それはそれは幸せな笑い声でした。


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2 コメント

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驚きました。 (ケイ)
2012-03-17 12:43:02
長くつしたピッピちゃんに会えて、とても嬉しいわ。
ねぇ (nene777ne@yahoo.co.jp)
2012-05-13 10:08:32
はじめまして!ハロッo( ̄▽ ̄o)(o ̄▽ ̄)oハロー 初めてコメント残していきます、おもしろい内容だったのでコメント残していきますねー私もブログ書いてるのでよければ相互リンクしませんか?私のブログでもあなたのブログの紹介したいです、私のブログもよかったら見に来てくださいね!コメント残していってくれれば連絡もとれるので待ってますねーそいじゃ○O0o。o0O○O0o。o0O○O0o。アドレス残していくのでメールしてね!そいじゃ○O0o。o0O○O0o。o0O○O0o。

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