快読日記

日々の読書記録

「日本のリーダーには、武器を持つ覚悟はあるのか!?」大川豊 佐藤正久

2014年10月14日 | その他
《10/2読了 ワニブックス【PULS】新書 2013年刊 【対談 国防】 おおかわ・ゆたか(1962~) さとう・まさひさ(1960~)》

聞き手の総裁にもかなりの知識と経験があり、両者の考え方にあまり相違がないので、たまにどっちがしゃべっているのかわからなくなるくらいよくかみ合ってる対談。

米海兵隊の飛行場を普天間から沖縄県外に移すことが現実的ではない理由や、尖閣諸島を絶対手放すべきでない理由など、ヒゲの隊長の説明はとにかくわかりやすい。

国内外での、自衛隊による災害救助や国際貢献の場面を目にする機会が多く、政治家より軍人の方がずっと信用できるんじゃないの?思う人が増えてませんか。
ヒゲの隊長も誠実なお人柄のようだし。

大川総裁が、“日本は政権与党が弱いときに大災害に見まわれる、運が悪い”といっていましたが、特に東日本大震災時の民主党のダメっぷりには改めてがっかりしました。
例えば菅首相が「災害緊急事態」を出さなかったせいで、現地が大混乱した話。
具体的に言うと、道をふさいだたくさんの一般車両は私有財産なのでどかすことができなかった。
道路が寸断されていて石油を運ぶにも途中までしか行けない、自衛官が交代しようにも危険物取扱の資格がないのでタンクローリーを運転できない、など。
なぜ宣言できないのか。
「個人の権利を抑制することになるから」(165p)だそうです。
菅直人こわい。
民主党こわい。
幼稚で当事者意識がなくて、危機管理が全くできない政治家ってこわい。
中国より韓国より北朝鮮よりこわい。

領土問題だって、敷地内、いや自宅の中に不法侵入されても、追い出そうとしないお父さん(お母さんでもいいけど)だったら、家が乗っ取られちゃうわけですよ。
せっかく捕まえたのに、そのまま逃がしちゃったことがありましたよね、例の中国人船長。

じゃあ、速攻で武器を手に不審者を退治してくれる強いお父さんなら問題ないのか。
相手がもっと強かったら?
子供にも武器を与えて戦うことを要求したら?
さらに武器を買うために家計が逼迫したら?
強いお父さんの家だっていうんで、喧嘩っぱやい家のトラブルに巻き込まれたら?
それでも強いお父さんがいい?
…守ってくれるなら、いい、気がしてきた。

と言いつつ、結局、反戦教育に洗脳されてる世代のわたしは「うーん」と唸るだけ。難しいっす。
「自衛」と「戦争」の間にはどれくらいの距離があるのか。
“世界の悪意”にさらされたとき、この国は守られるのか。
二人の言う「覚悟」を今の与党の政治家はどのくらい持っているのか。

甘ったれた考え方かもしれないけど「中庸」っていう感覚を失わずによく考えていきたいです。

/「日本のリーダーには、武器を持つ覚悟はあるのか!?」大川豊 佐藤正久