放射能と理性3（放射線の真実11-2）

1回で記事が入りきらず「放射線の真実11-1」からの続きです。

●次に広島・長崎のデータ・・以下は「放射線と理性」W.アリソン著（徳間書店）を参照

研究機関50年（1950-2000年）、原爆投下時の広島・長崎の人口は合計で429,000人。
その内1950年以降283,000人分のデータが存在。
1945年から1949年までのデータは不明確のことも多く信頼できるデータとは言えない模様。
残りの43000人は行方不明か高線量被爆者として死亡したと予測している。

1945年から1950まで生き残り、
2000年までの間にガンで死亡した人は429,000人の内7.9%。
このうち放射線が原因のガン死亡者は、僅か0.4%

ガンの死亡者が原爆の放射線が原因か、他の原因（喫煙・食事・ストレスなどか）かを見分ける方法については述べてありませんでしたが、単純に通常の自然被曝しかしていない一般人たちと被曝者の死者数の差から推測されたものと思われます。
つまり非被爆者と然程変わらなかったということ。

表A）広島・長崎で白血病で亡くなった人のデータ

被曝量　　　　　　    生存者  　死亡者    死亡率（%）
5mSv未満　　　　     37407　　    92　　 　  0.25
5-100mSv　　　　     30387　 　   69　　　   0.23
100-200mSv　　　     5841 　　   14 　　 　 0.24
200-500mSv　　　     6304        27　 　　　0.428
500-1000mSv         3963         20         0.50
1000-2000mSv        1972        39         1.98
2000mSv超              737         25         3.39 　
　　　計　　　　　    　86,955        296        0.34%

200mSv以下の被曝リスクは０上の表からは０と言っていいとアリソン教授は書いている。

この時にセシウムやストロンチウムという内部被爆の放射性物質も飛び散っている筈です。特に白血病を生むと言われているストロンチウムの影響なのでしょうか、下のガンの表と比べて死亡数は当然少ないですが、線量が増えると死亡率も可なり上がっていることが分かります。
とは言え全体では、
【高線量の被曝レンジの人々を含めて計算しても、放射線由来の白血病の発生率（0.34%）は、白血病の自然発生率より低いのである】との、驚くべき指摘を教授はするのです（上の表は被曝者だけの統計）。

上のA表、下のB表ともに被曝量の特定は、
1.被曝場所を特定し、爆心地との距離から計算。
2.被曝の記憶を持つことのできる染色体損傷の発生率を調べる。
3.被曝者の歯や骨に記録されている放射線量を測定する。
の3つでなされました。

表B）広島・長崎で固形ガンで亡くなった人のデータ
（上記A表のの白血病を除いているため数値が若干少ない）

被曝量　　　　　  　生存者　　死亡者 　 死亡率（%）
5mSv未満　　 　 　 38507　　 　4270　　　 11
5-100mSv　　　 　 29960　　  　3387　　　 11
100-200mSv　　 　 6380 　   　 732　　　  12
200-500mSv 　　 　5949         815　    　13
500-1000mSv　　   3526        483         14

1000-2000mSv　  1764         326        18
2000mSv超　　      625         114         18
　　 計　 　　　　  86,611     10,127       11.7%

100mSvが影響が表れる境界線としている。
白血病と比べて、線量が増えても死亡率は急激には上がりません。
通常の人の死亡予測から推定すると、86611人中9647人と予測され、実際の死亡者10127人との差、480人（原爆生存者全体の0.5%）を放射線由来の固形がん死亡者とみなしうる、としています。
そしてさらに、
【100mSv未満の単回被曝でも無視できない発がんリスクが生じると言うデータが、この研究結果も含めてどこにも存在しないことである】
非被爆者の発ガン予測と比して1人/1000人増えるというに過ぎないのです。
しかも日本で騒いでいる年間100mSvではなくて単回の被曝です。

明日も続きます。
　
思うところがあったら Clickしてね。。。
　

初めてご訪問の方は「真実の扉」ホームページにも是非お立ち寄りくださいませ。