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「タイムバール」少年探偵団の時代

元少年探偵団、現ダメ社長が「記憶と夢」を語ります。

往生際の掟

2008年05月29日 | Weblog
今日はブログ休日・・・と思ったら「船場吉兆の廃業」のニュースです。あのささやき婆さんの最後の「雄姿」を見ない訳にはいきません。「誠に申し訳ありませんでした。これ以上の営業継続は困難と判断し、断腸の思いで・・・本日をもって廃業させて頂きます・・・」顔も身体も「への字」にへし曲げて原稿を読む姿は期待に違わず、たぶん原稿にも「ここで嗚咽する」なんて「注」が入っていた筈です。誰が書いた原稿なのか(たぶん弁護士)素人同然です。「お客様、関係取引先様、社会に大変なご迷惑をおかけし食品の安全・安心に対する信頼を裏切ったことを・・・」誰が聞いても「そんなに衝撃を受けているなら何故日頃からちゃんとやらなかった訳?」と突っ込まれるのがオチです。更に「お客さまの予約状況がこれまでの約半分から3分の1くらいに減ってしまって・・・」なんて廃業理由を聞けば「じゃあ、客が減らなかったらそのまま使い回し営業を続ける訳だな」となるのは火を見るより明らかです。

こうゆう場面では「殉教者」を装うか、ふてぶてしく「開き直る」か二つに一つです。殉教者なら「同業者」とか「お客さん」なんて社会語を使ってはいけません。「自分を許せません。業界や社会ではなく人間を裏切ったからです・・・」こういい残して見事に毒でも盛って果てるのが正解です。特に、日本人は「死を以って償う」行為を美化する傾向があるので「何だかんだ言っても最後は人としのケジメをつけたな」と評価されるかも知れず、マスコミ嫌いは「報道は時に人を死に追いやる・・・」なんて論点をすり替えてくれるかも知れません。但し、この展開はささやき婆さんがあくまで人間だと言う前提で成り立つ話です。何かの化身とか、地球外生物の場合は無理です。やはり開き直りしかありません。

「お騒がせして申し訳ありません」ここまでは同じです。「だがな!」ここからささやき婆さんはヨーダに一変します。「お前ら半世紀前まで焼け跡を這いずり回っていたくせに、成り上がってこのザマだ!」「・・・!」「もったいない、という心を忘れた結果どうなったかお前いら知ってるか?」ここで報道陣をギョロリとねめ回します。「日本は全世界の食糧援助量の3倍を棄てていると言う事実だ!形が悪い、不揃いだ、挙句は食い残し・・・飽食日本人こそ人類への裏切りなんだよ!」「おおっ~!」なんて展開になれば「吉兆ヨーダ」は平和飽食ボケした日本人を戒めるためにやって来た救世主だった・・・そんな訳ないか。何はともあれ、追い詰められて廃業する老舗がある一方で惜しまれつつ姿を消す新宿コマ劇場・・・本当にそうなら何故そうなる前に手が打てないのか・・・探偵団の疑問は消えません。

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