- The Thoreau Society of Japan - <日本ソロー学会>

日本ソロー学会のホームページです。

■ 日本ソロー学会のホームページにようこそ!

2205-09-21 17:22:41 | Weblog

日本ソロー学会のページは2014年3月31日をもって移動しました。新しいサイトをご登録いただけると幸いです。移動先はhttp://thoreausociety.blog.fc2.com/ ミラーサイトは、http://eigoshirayuri.lekumo.biz/thoreausociety/ になります。

当学会では19世紀アメリカの思想家・随筆家ヘンリー・デヴィッド・ソロー( Henry David Thoreau) およびその影響を受けた人々、文化、文学またはソローの生きた19世紀という時代のアメリカに関する研究活動を行っております。

学会の情報については画面右下のカテゴリーをご覧下さい。

日本ソロー学会 事務局:

日本ソロー学会 会長 小倉いずみ

事務局住所
〒175-8571
東京都板橋区高島平1-9-1 大東文化大学 法学部政治学科事務室気付

e-mail: ogura@ic.daito.ac.jの後にpをつけて下さい。

 

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■ 2016年度全国大会プログラム

2016-08-06 00:03:35 | 全国大会情報
日本ソロー学会(The Thoreau Society of Japan)
2016年度全国大会プログラム

期日:2016年9月30日(金)受付12時00分より
場所:ノートルダム清心女子大学 ヨゼフホールA棟2階1202JA会議室
   〒700-8516  岡山市北区伊福町2-16-9

総合司会 山口 敬雄 氏(東京福祉大学)
開会の辞(12時25分) 会長 小倉 いずみ 氏(大東文化大学)

1. 研究発表(12時30分~14時00分) 司会 松島 欣哉 氏(香川大学)
 1) 塩田 弘 氏(広島修道大学)
   「アメリカの教科書におけるThoreauの教え方――Walden, “Economy”を中心に」
 2) 山田 久美 氏(久留米工業大学)
  「船出ということ〜Thoreauの川旅に寄せる想い」

2. シンポジウム(14時15分~16時15分) 
テーマ:「Dissent とポリティクス」
司会: 佐久間 みかよ 氏(和洋女子大学)
パネリスト:
 武田 将明 氏(東京大学):「非国教徒(Dissenter)ダニエル・デフォーの市民的不服従――
 The True-Born EnglishmanからAnglo-Scottish Unionまで」
 山本 洋平 氏(明治大学):「アメリカン・ルネサンスにおける市民的不服従をめぐって」
 新田 啓子 氏(立教大学):「ソローのプリズム――黒人にとっての市民的不服従」
コメンテーター: 元山 千歳 氏(京都外国語大学)

3. 特別講演(16時30分~17時30分) 
「反戦と忠誠――ソロー、ミッチェル、ジョージ・タケイ」
講師:荒 このみ 氏(東京外国語大学名誉教授)
司会:小倉いずみ 氏(大東文化大学)

閉会の辞(17時30分) 副会長 高橋 勤 氏(九州大学)
総会(17時35分~18時00分)
                                          
懇親会(18時00分~20時00分) 司会 真野 剛 氏(海上保安大学校)
  岡山ロイヤルホテル
  〒700-0028 岡山県岡山市北区絵図町2-4 Tel. 086-255-1111(会費:6,000円)   
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■ 2015年度全国大会プログラム

2015-07-24 11:25:58 | 全国大会情報

日本ソロー学会(The Thoreau Society of Japan)
日本ソロー学会創立50周年記念
2015年度全国大会プログラム

期日:2015年10月9日(金)受付11時30分より
場所:京都外国語大学 国際交流会館会議室(9号館4階)
〒615-8558 京都市右京区西院笠目町6 Tel. 075-322-6012

総合司会 村上裕美 氏(関西外国語大学短期大学部)
開会の辞(11時55分) 会長 小倉いずみ 氏(大東文化大学)
研究発表第一部(12時00分~13時20分) 司会 佐久間みかよ 氏(和洋女子大学)
1. 瀧口美佳 氏(立正大学)「超絶主義者たちと北欧神話」
2. 貞廣真紀 氏(明治学院大学)「ソローの味覚」
研究発表第二部(13時30分~14時50分) 司会 高梨良夫 氏(長野県短期大学)
3. 松島欣哉 氏(香川大学)「Orestes A. Brownsonのエマソン批評
――“Literary Ethics”を中心に」
4. 藤田佳子 氏(奈良女子大学)「<心>の探索――中・後期のエマソン」

日本ソロー学会創立50周年記念大会シンポジウム(15時~17時30分)
司会 伊藤詔子 氏(広島大学)
テーマ:ソロー学会50周年記念シンポジアム――回顧と展望
パネリスト:
小野和人 氏(九州大学):「学会50年(その概括ないし瞥見)」
山本 晶 氏(慶応義塾大学):「ヘンリー・ソロー、宮澤賢治その他の〈孤独〉と〈食物〉
――東洋思想、政治思想、食習慣との関連において考える」
齊藤 昇 氏(立正大学):「ソロー・野澤一・高村光太郎」
上岡克己 氏(高知大学):「大学におけるソロー教育の意義」
伊藤詔子 氏(広島大学):「核時代の“Civil Disobedience”」

閉会の辞(17時30分) 副会長 高橋 勤氏(九州大学)
総会(17時35分~18時00分)
                                          

懇親会(18時00分~20時00分) 司会 元山千歳 氏(京都外国語大学)
京都外国語大学ユニバーシティギャラリー 9号館6階(会費:6,000円)
〒615-8558 京都市右京区西院笠目町6 Tel. 075-322-6012

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2014年度全国大会プログラム

2014-09-05 18:26:37 | Weblog

期日:2014年10月3日(金)受付12時より

場所:北星学園大学 第2研究棟地下1階第1会議室
〒004-0042 北海道札幌市厚別区大谷地西2-3-1

総合司会 瀧口美佳 氏(立正大学)

開会の辞 会長 小倉いずみ 氏(大東文化大学)

1. 研究発表(12時30分~14時00分)司会 高梨良夫 氏(長野県短期大学)

1) 金澤淳子 氏(早稲田大学〈非〉)
「「詩人」の仕事――ソローからディキンスンへ」

2) 高橋 勤 氏(九州大学)
「根をもつということ――ソローの文化論」

2. シンポジウム(14時15分~16時15分)
テーマ:コンコードの作家たちと外国文学

パネリスト:

松島欣哉 氏 (香川大学):「ウィリアム・エラリー・チャニングのアメリカ文学論」
竹野富美子 氏(名城大学〈非〉):「ホーソーンとギリシア神話」
山口敬雄 氏 (東京福祉大学):「ソローの菜園と遷移するコンコードの森」
本岡亜沙子 氏(広島経済大学):「ディケンズファンのオルコットがつづる物語」

3. 特別講演(16時30分~17時30分)

「Why Read Walden?」

講師:渡邊利雄 氏(東京大学名誉教授)
司会:上岡克己 氏(高知大学)

閉会の辞(17時30分)副会長 高橋 勤氏(九州大学)

総会(17時35分~18時00分)小倉いずみ氏、瀧口美佳氏

懇親会(18時00分~20時00分)司会 山田久美 氏(久留米工業大学)

北星学園生活協同組合 (会費5,000円)TEL: 011-891-2313

北星学園大学は全面禁煙です。会議室も懇親会場も禁煙です。

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■ 2013年度全国大会プログラム

2013-10-01 11:37:24 | 全国大会情報

日本ソロー学会(The Thoreau Society of Japan)
2013年度全国大会プログラム
日時  2013年10月11日(金) 11時45分より受付
場所  青山学院大学青山キャンパス 総研ビル9階 第16会議室
        東京都渋谷区渋谷 4-4-25

総合司会 佐藤 光重 氏(成城大学)
開会の辞(12時15分)

会長 松島 欣哉 氏(香川大学)

研究発表(12時20分~14時20分)
司会 小野 美知子 氏(岩手医科大学)
1. 超絶主義者Bronson Alcottの教育観についての考察―現代日本の教育を視野に入れて―
発表 水本 有紀 氏(甲南大学(非))

司会 高梨 良夫 氏(長野県短期大学)
2.  終の逍遥:ソローの歩いたケープ・コッド
発表 山田 久美 氏(久留米工業大学)
3.  もう一つの文明論邦訳──エマソン受容史の最初期にみる
発表 山本 晶 氏(慶應義塾大学名誉教授)

休憩(14時20分~14時30分)

シンポジウム(14時30分~16時40分)    

コーディネーター 小澤 奈美恵 氏(立正大学)
テーマ  探検記録文学とアメリカ先住民──ソローとアメリカ文学への影響
1.  植民地時代の先住民とピーコット戦争
講師 小倉 いずみ 氏(大東文化大学)
2.  ワシントン・アーヴィングと先住民の関係
講師 瀧口 美佳 氏(立正大学(非))
3.  植民地時代の記録文学──ソローへの影響
講師 小澤 奈美恵 氏 
4.  ウィリアム・カーロス・ウィリアムズの『アメリカ人気質』
講師 余田 真也 氏(和光大学)

休憩(16時40分~16時50分)

特別講演(16時50分~17時50分)      

司会 堀内 正規 氏(早稲田大学)
演題  無心のアーティスト──芭蕉・・・ソロー・ジョイス・ケージ
講師 今福 龍太 氏(東京外国語大学)

閉会の辞(17時50分~17時55分) 
副会長 小倉 いずみ 氏(大東文化大学)

総会(17時55分~18時20分)        
司会 幹事 真野 剛 氏(松山大学)

懇親会(18時30分~20時30分)       司会 真野 剛 氏
会場:青山学院大学会館3F 「アロン」 会費:6,000円

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■ 2013年度 日本ソロー学会全国大会レジュメ

2013-10-01 11:32:09 | 全国大会情報

I.    研究発表
司会 小野 美知子 氏(岩手医科大学)
1 超絶主義者Bronson Alcottの教育観についての考察
 ──現代日本の教育を視野に入れて
水本 有紀 氏(甲南大学(非))

現代の日本では、目まぐるしく変化する社会に対し、子どもたちをとりまく教育環境の改善が課題とされている。このような状況において、文部科学省は知識、道徳、体力から成る「生きる力」の育成を理念とし、知識や技能の習得とともに、自ら学び、考え、問題を解決する能力などを養うことを重視している。この教育理念は、超絶主義者Bronson Alcottが目指した、子どもが自ら学び向上しようとする力を伸ばす教育を彷彿させる。Alcottによれば、子どもの中にはすでに学ぶべきことが神によって植えつけられており、教師は子どもが内包している能力の萌芽を導く役目を担っている。Alcottの教育観の特徴は、個人としての児童の尊さを強調したことにあったが、社会との関わりを顧みない個人主義的教義とは一線を画す。超絶主義の説く個人主義は、個の内で完結してしまうものではなく、社会との相互関係において社会的存在としての個を尊重するものであり、このことはAlcottが道徳教育を重視した点にもつながる。本発表では、「生きる力」をはじめとする現代日本の教育課題を視野に入れながら、Bronson Alcottの教育思想を自己教育、道徳教育という観点から再評価したい。

司会 高梨 良夫 氏(長野県短期大学)
2 終の逍遥:ソローの歩いたケープ・コッド
山田 久美 氏(久留米工業大学)

 ソローが岬へ向かったのは、1849年、1850年(この2回はチャニングと同行した)、そして1855年、1857年と、総計4度にも及ぶ。つまり、コンコードという生誕の地に終生、確たる軸足を置いていたソローにとって、郷里を離れての「旅」という観点から見れば、このケープ・コッドこそ最多の訪問地であったと結論できる。初回1849年の旅は、ソロー哲学の頌徳碑ともいうべき「市民の不服従」が発表され、また大切な姉ヘレンを失った忘れ難き夏の後であったし、2度目となった翌年のケープ訪問は、そのままファイヤーアイランド沖で溺死したマーガレット・フラー一家の遺品の海岸探索と期を同じくするものであった。さらに、『ウォールデン』発表の翌年、ソローは『コッド岬』の一部を刊行して3度目にかの地を再訪した。そうして、最後の1857年という年には、奴隷解放論者ジョン・ブラウンと出逢い、メインの森への3度目の旅行の後に、一人でこの岬を歩いている。
 このように、ソローの人生録に忘れ得ぬ頁を刻んだはずの出来事の数々が4たびのケープ・コッド行きと結びついたのは単なる偶然の結果であろうとは思えない。『コッド岬』という作品については多くの優れた先行研究があるのだが、本発表では、これまで触れられて来なかった旅の真意を探ることに焦点を当てたい。

司会 高梨 良夫 氏(長野県短期大学)
3 もう一つの文明論邦訳
 ──エマソン受容史の最初期にみる
慶應義塾大学名誉教授 山本 晶 氏

 エマソン晩年の14~5年は、文明開化に邁進する維新時代の初期に相当し、エマソンは「現代」の(今から見れば「同時代」の)思想家であった。
 一般にエマソン受容は明治27(1894)年に発行された透谷・北村門太郎の『エマルソン』をもって嚆矢とするが、それは文壇史に有名な逸話であって、むろん同書に至るまでには前史があったわけである。
 まず日本最初の原典出版は明治15年、16年(1882-83)に東京大学が発行した教科書2冊で、第1冊の刊行年はエマソンの歿年にあたり、第2冊の巻頭を「文明」が占める。両書は1876年のボストン版が底本と推定される。
 つぎにエマソンの本邦初訳は、文明論の本邦初訳でもあって、会津人の考古学者、千里・佐藤重紀が明治23(1890)年4月に刊行した。
 実はその直前の3月、「謙堂」なる人物が同じ作品を「開化」と題して訳了にしていたのである。その原稿が、幕政時代は徳島藩士で昌平黌に学び、維新の時代には内務省などに出仕した漢詩人にして洋学者、雲外・鋭一(天保4-明治28、1833-95)の原稿3点と共に保存されていた。
 邦訳の「開化」原稿には、前述した東大版教科書の第2冊、または前述したボストン版に依拠したであろう顕著な特徴が見られる。他方、該原稿の文体は佐藤訳と同様に、当時漢籍の素養豊かな文人がよく用いた和漢混交文、乃至、漢文訓読体であるものの、手法は対照的に全く異なる。
 かかる考察はまた、外山正一、中村正直、神田乃武、高田早苗、三上参次、徳富蘇峰、島崎藤村、東海散士、廣澤安任、福澤諭吉、謙堂と号した植村正久や松本仁吉、さらに戸川秋骨そのほか多数の人士と関わることになろう。


II.    シンポジウム     
コーディネーター 小澤 奈美恵 氏(立正大学)
テーマ  探検記録文学とアメリカ先住民──ソローとアメリカ文学への影響

1.  植民地時代の先住民とピーコット戦争(1637)
講師 小倉 いずみ 氏(大東文化大学)

1630年にジョン・ウィンスロップが率いた大移住でボストンを中心としたニューイングランド地域は、英国による新大陸での植民地経営を軌道に乗せた。英国が設立したマサチューセッツ湾植民地、プリマス植民地、コネチカット植民地、ニューヘイヴン植民地は1637年にインディアンの有力部族であるピーコット族と戦争を行なった。実際の戦闘期間は短いが、この戦争は英国からの移住者が団結してインディアンと戦った最初の戦争である。
英国の支配権を大きく広げたピーコット戦争は、アメリカ先住民が先祖伝来の土地を失う端緒となった。本発表は新大陸における土地所有の概念、ピーコット戦争の解説文書、戦争の歴史的解釈を検討することにより、当時の英国の植民地の協力関係と先住民との交渉をさぐり、先住民の排除につながった要因を検討する。


2.  ワシントン・アーヴィングと先住民の関係
講師 瀧口 美佳 氏(立正大学(非))

ワシントン・アーヴィングは17年間のヨーロッパ滞在経験や代表作The Sketch Bookの大半がイギリスを扱った短編・随想であったため、ヨーロッパに偏った作家との印象をぬぐいきれないが、アメリカについての作品も数多く生み出した。その代表作としては、前出のThe Sketch Book 中の“Rip Van Winkle”や“The Legend of Sleepy Hollow”、ヨーロッパから帰国後に出版されたA Tour on the Prairies、ビーバー取引で巨大な富を築いたジョン・ジェイコブ・アスターについて書いたAstoria、そして西部先住民の明確な記録として価値が認められているThe Adventures of Captain Bonnevilleなどがあげられる。本発表では、The Sketch Bookに収められた先住民を描いた作品“Traits of Indian Character”と“Philip of Pokanoket”に着目し、アーヴィング文学の前半期における先住民の描き方を論じ、アーヴィングと先住民の関係について考察してみたい。


3.  植民地時代の記録文学──ソローへの影響
講師 小澤 奈美恵 氏(立正大学)

 ソローの「インディアン」への執着は周知のことであるが、本発表では、ソローの先住民観に影響を与えたと思われる三つの植民地時代の文書を検証する。
特に、後期の作品『メインの森』の中で言及されている三つの文書に絞って、それぞれがソローに与えた影響を考察する。一つ目は、ドイツ系プロテスタントの出版者、テオドール・ド・ブライが世界の探検記録をヨーロッパに伝えた『紀行文集』(Collectiones Peregrinationum in Indiam, Orientalem et Occidentalem 1590~1634年)の中に描かれる新大陸の異教徒としての先住民像、二つ目は、探検家、ジョン・スミスの1614年の報告書『ニューイングランドの記録』(Description of New England)で伝える新大陸の労働力としての先住民像、三つめは、1722~23年にイエズス会のセバスチャアン・ラール神父が『イエズス会通信』(Jesuit Relations) で伝えたメイン州のアベナキ族の描写である。そしてこのラール神父を通じて、ソローは20世紀の作家ウィリアム・カルロス・ウィリアムズとも繋がっていく。


4.  ウィリアム・カーロス・ウィリアムズの『アメリカ人気質』
──ソローとの接点を求めて
講師 余田 真也 氏(和光大学)

 異なる時代を生きたWilliam Carlos WilliamsとHenry David Thoreauとのあいだには、アメリカ先住民に対する関心を記した作家という共通項があるが、植民地時代の記録文学を媒介にすると、それ以上のつながりが垣間見える。アメリカン・モダニズムの想像力によって「新世界」の歴史を捉えなおす詩的散文集In the American Grain(1925)で、ウィリアムズが高く評価した植民地時代のイエズス会神父Sebastian Raslesは、アメリカ北東部(メイン奥地やケベック)を居住地としていた先住民アベナキと生活をともにし、彼らの言葉を習得して最初の辞書を作った人物で、その辞書は奇しくもソローがメイン州奥地探訪記The Main Woods(1864)に残した先住民の言葉の解説や語彙集の情報源として言及されているのである。拙著『アメリカ・インディアン・文学地図』(2012)で展開したウィリアムズ論では、20世紀同時代における『アメリカ人気質』の文化史的な意義を探り、現代批評の文脈において再評価することに力点をおいていたが、本報告ではラール神父を結節点とする二つのテクストを主な対象にして、ウィリアムズとソローの関係性に分け入ってみたい。


III.    特別講演

司会 堀内 正規 氏(早稲田大学)
演題  無心のアーティスト──芭蕉・・・ソロー・ジョイス・ケージ
講師 今福 龍太 氏(東京外国語大学)

 コンコードの森を生涯かけて歩き回り、感覚を彷徨わせ、地形や動植物、周囲の風景や物音を研ぎ澄まされた五感だけを頼りに無心に受けとめたソロー。ソローの、この個人的意図を離れた「無心」を一世紀の後に引き継ぎながら、音とことばの森を特異なオプティミズムをもって逍遥した作曲家ジョン・ケージ。ソローの日記を霊感元にしてケージは“Mureau”や“Empty Words”といった偶然性の音楽作品を創造し、ソローのデッサンをもとに不思議な絵画やグラフィック・スコアを描いた。ケージを媒介にして、20世紀の前衛的な芸術思想にソローはいかなる貢献をしたのか。それは、芭蕉からジョイスに至るミニマルで偶有性に彩られた言語活動の水脈といかに関わっているのか。東西の300年間の歴史のなかに現われた「無心のアーティスト」たち。その隠された系譜のなかにソローをあらたに位置づける試み。

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■ ヘンリー・ソロー没後150周年記念論集 『ソローとアメリカ精神 ― 米文学の源流を求めて』

2012-10-29 20:30:53 | 書誌情報

『ソローとアメリカ精神 ― 米文学の源流を求めて』』(「ヘンリー・ソロー没後150周年記念論集」)
日本ソロー学会編(会長・松島欣哉)、小倉いずみ編集代表、2012年10月、A5判xiv+362頁、4,500円、金星堂。
 [佐藤光重,竹内美佳子,中垣恒太郎,岩政伸治,上岡克己,小澤奈美恵,山田久美,小野和人,山本洋平,山口敬雄,深瀬有希子,高橋勤,伊藤詔子,藤田佳子,佐久間みかよ,堀内正規,梨良夫,井上博嗣,小野美知子,白川恵子]

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■ 2012年度全国大会プログラム

2012-10-01 06:44:35 | 全国大会情報

日 時  2012年10月12日(金) 11時30分より受付

場 所  中京大学名古屋キャンパス 0602教室
(0号館(センタービル)6階)

名古屋市昭和区八事本町101-2

総合司会 佐久間 みかよ 氏(和洋女子大学)

開会の辞(11時55分)       会長 松島 欣哉 氏(香川大学)

研究発表(12時00分~14時50分)   司会 堀内 正規 氏
(早稲田大学)

1. 近代日本作家のエマソン・ソロー受容

  発表 藤田 妙子 氏(創価大学(院))

2. Walden の中の fable の再考

  発表 土井 由未子 氏(佛教大学修士課程修了)

          休憩(13時20分~13時30分)

3. 現代先進国で「森の生活」を始める方法 ―日本とアメリカを中心に―

  発表 高村 友也 氏(慶應義塾大学)

4. アメリカン・ルネッサンスと翻訳研究の現在

  発表 古屋 耕平 氏(和洋女子大学)

          休憩(14時50分~15時00分)

シンポジウム(15時~17時)       コーディネーター・司会 
高橋 勤 氏(九州大学)

テーマ  ニューイングランドの変容とアメリカン・ルネッサンスの文学

1. 市場経済と創造過程――ソローとディキンスンの比較

  講師 江田 孝臣 氏(早稲田大学)

2. アメリカン・ルネッサンスと埋葬――エマソンを中心に

  講師 成田 雅彦 氏(専修大学)

3. アメリカ哲学におけるソローの不在:『ウォールデン』を「高度な意味で読む」

  講師 齊藤 直子 氏(京都大学)

          休憩(17時00分~17時10分)

特別講演 (17時10分~18時10分)   司会 伊藤 詔子 氏(広島大学名誉教授)

演題  ソローとの対話が拓いた道: keeping“the polestar”in my eye

  講師 藤岡 伸子 先生(名古屋工業大学)

閉会の辞(18時10分)     副会長 小倉 いずみ 氏(大東文化大学)

総会(18時15分~18時45分)      司会 真野 剛 氏(松山大学)

                                          

懇親会(19時~21時)      司会 竹野 富美子 氏(名城大学・非)

会場 中京大学名古屋キャンパスセンタービル2F カフェテリアプレジール(会費:5,000円)

   名古屋市昭和区八事本町101-2(052-835-7111、内線3250):

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■ 2012年度日本ソロー学会全国大会レジュメ

2012-10-01 06:39:48 | 全国大会情報

I. 研究発表要旨

1. 近代日本作家のエマソン・ソロー受容

創価大学大学院 博士後期課程3年 藤田 妙子

  R.W.エマソン,H.D.ソローは,近代日本の文人・知識人に大きな影響を与えた。本発表では,キリスト教思想家の内村鑑三と,その弟子で作家の志賀直哉をとりあげる。特に彼らの自然観に着目し,そこにどのようなエマソン的・ソロー的影響がみられるかを探りたい。

  内村鑑三はアメリカ留学時代にその自然観を深め,自然と人間精神の一致という考えを抱くにいたるが,そこにはエマソンからの影響を跡づけることができる。帰国後に発表した『基督信徒の慰』,『代表的日本人』では,その自然観がさらに深まり,自然との一体化を可能にする人間の善性・徳性が前面に打ち出されるようになる。

  一方,志賀直哉は20代の7年間を,師・内村鑑三のもとに親しく通うが,やがて人間の本能を卑しめる宗教に反発して去っていく。同時期,志賀の手帳には「トロー」や「ワルデン」等の記入があり,本能をも讃えるソローへの共感が見てとれる。後に作家として立った志賀は,卓越した描写力で小動物の生き生きした生態をとらえていく。そこには野生の生命力やその荒々しさ,人間と対等の立場にたつ小動物,家族愛などが描かれており,『ウォールデン』の自然描写と幾つもの点で重なりが見られるのである。

 

2. Walden の中の fable の再考

土井 由未子

本発表の目的は、ソローがWaldenで用いた有機的な形式を調べることである。主張したい点は以下である。1. ソローは寓話を研究するかたわら、森で自然を観察した。2. ソローは文学の形式を発見した。それは寓話の形式である。3.「動物の隣人たち」の章で、身近な動物と寓話の関係を述べる際に、彼は寓話の形式で考察した。寓話の形式は、動物などの自然と人間の思想がむすびつく有機的な形式である。4. 詩文は寓話の形式で書かれている。5.ソローは自然を観察し、「事実」を科学的な観察で語った。「本当の意味」、「真実」を詩的な寓話で語った。「物事の本質」や「人間の生き方」を散文的な寓話で語った。6. 寓話の形式は古くから存在し、彼自身の考えに合う文学の形式である。

  ソローは自然と彼の思想がむすびつき、時と場所を超越する形式、アメリカの野生を表現する形式を求めた。それが寓話の発見につながった。彼は科学的な観察で「事実」を語るとともに、近代科学が見えにくくした「生命」や「象徴的な意味」、そして「物事の本質」や「人間の生き方」を寓話の形式を使って表現した。今回の発表は寓話に焦点をあて、ソローが求めた有機的な形式を以上の視点から考察する。

 

3. 現代先進国で「森の生活」を始める方法 ―日本とアメリカを中心に―

慶應義塾大学 高村 友也

現代の日本で、「森の生活」(森でなくともどこかに安く小屋を建てて暮らすこと)を始めるためには、どうすればいいか、経験を交えながらお話します。評価額の安い土地はたくさんありますが、売りに出されていることは滅多にないという土地流通事情について。建築確認や建築基準法を回避して、素人が小屋を建てるための予備知識について。少ない予算でライフラインの問題を解決してオフグリッド(独立型)とする方法について。固定費を減らして自由に暮らすための法制度上の知識について。

  アメリカで話題になっている小型住宅志向「スモールハウスムーブメント」についても触れたいと思います。脱所有や脱消費がムーブメントのキーワードになっています。「小さな家は建てるべからず」という法的・社会的圧力に対して、様々な手段を講じてミニマムな暮らしを獲得しようとする行動は、一種の市民的不服従と言えると思います。

 

4. アメリカン・ルネッサンスと翻訳研究の現在

和洋女子大学 古屋 耕平

アメリカが国家としての同一性を確立してゆく過程において、翻訳は大きな役割を果たした。独立期から19世紀にかけて、政治、歴史、科学、哲学、宗教、文学の分野では、多くの著作家が外国語に通暁し、様々な形で翻訳作業に携わっている。翻訳家たちのリストは、例えば、Benjamin Franklin, Thomas Jefferson, John Quincy Adams, James Fenimore Cooper, Washington Irvingなどの著名人を含んでいる。そして、Ralph Waldo Emerson, Margaret Fuller, Henry David Thoreau, Herman Melville, Nathaniel Hawthorne, Walt Whitmanといった、アメリカン・ルネサンス期の作家たちも、それぞれ独自の方法で、直接的あるいは間接的に、翻訳に関わっている。しかしながら、従来のアメリカ文学研究においては、翻訳の重要性はあまり注目されてこなかった。だが、近年では、transnational, transatlantic, transpacific, postcolonial, postnational, hemispheric, planetaryといった視点からの、アメリカ文学の再検討が盛んに行われ、その中で、アメリカ文学成立の過程に翻訳が果たした役割についても新たな光が当てられるようになりつつある。この翻訳の問題を考える上で、やはり過去20年ほどの間に発展した、Gayatri Chakravorty SpivakやLawrence Venutiなどによる翻訳の政治的・文化的考察が重要な理論的ツールを提供している。本発表では、以上のような文学研究の流れを概観し、近年の翻訳研究の成果の、アメリカン・ルネッサンス期の文学作品研究への応用の可能性について、歴史的・理論的な面から論じてみたい。

 

II. シンポジウム要旨

テーマ  ニューイングランドの変容とアメリカン・ルネッサンスの文学

 

1. 市場経済と創造過程――ソローとディキンスンの比較

早稲田大学 江田 孝臣

 Whitman: The Political Poet (New York: Oxford UP, 1989)で知られるBetsy Erkkilaは、Vivian R. Pollak編のA Historical Guide to Emily Dickinson (New York: Oxford UP, 2004)に寄せた論文"Dickinson and the Art of Politics" において、Dickinsonを「本質的に保守的な伝統の、すなわち、ジェファソンが大統領に選出された1800年の民主主義〈革命〉で支持を失った後期フェデラリスト的な精神と感性の機知に富む雄弁な代弁者だった」(Historical Guide 137)とし、詩を出版しなかったことについては「彼女の出版拒絶は、私的な行為ではなかった。それは、商業化され、民主化され、なおかつ、ますます雑多となり大衆化される全国市場に対する、社会的階級的な抵抗行為であった」(150)としている。

 本発表では、ErkkilaのDickinson論に依拠することによって、アメリカ資本主義(商品経済、市場経済、産業革命、帝国主義、民主主義)の発達に対するDickinsonとThoreauの反応を比較し、なかでも商品経済の発達がいかに彼らの創造過程(想像力)をめぐるヴィジョンを侵害したかを、贈与論を援用しながら論じる。

 キーワードは"telegraph"と"ice trade"。Thoreauの作品では、"Economy"と"The Pond in Winter"を、Dickinsonでは、"I' m Nobody! Who are you?" (Fr 260 / J 288), "Much Madness is divinest Sense -"(Fr 620 / J 435), "Publication - is the Auction "(Fr788/ J 709), "Some - Work for Immortality -"(Fr 536 / J 406), "The Lightning playeth – all the while - "( Fr 595 / J 630), "Myself can read the Telegrams "( Fr 1049 / J 1089)を取り上げる。

 

2. アメリカン・ルネッサンスと埋葬――エマソンを中心に

専修大学 成田 雅彦

 ローレンス・ビュエルは、現代のエマソン批評はエマソンを「非超絶主義化する」方向に向かっていると述べた。新歴史主義の出現以来、アメリカ文学を歴史化し具体的な社会変動の中に位置づけて、テキスト中に新たに発掘される様々な歴史的文脈の意味を論じるのは現代の大きな潮流である。しかし、私はエマソンをもう一度「超絶主義化」してみたい。その神秘主義が出て来るところの根を初期のエマソンに戻って考え、ニューイングランドの社会的変容というよりも、その精神的変容の生じた光景を再検討したい。手掛かりにしたいのは、「埋葬」である。アメリカン・ルネサンス文学では、ポーをはじめ埋葬を描いた作家は多く、それはあたかもこの時代に埋葬のイメージが取り憑いたかのようである。そして、その埋葬はしばし破綻する。埋葬されていたものが覆いをこじ開けて蘇るわけだが、私にはそれがこの時代の「変容」を解く重要なカギに思われる。エマソンは、埋葬のイメージを文学的に多用することはなかった。しかし、この思想家はある埋葬をいわば「生きた」のである。この発表ではエマソンの妻の埋葬のエピソードを入り口として、「主の晩餐」の説教と牧師をやめて唯心論者になっていくエマソンを精神史との関連の中で捉えなおしてみたい。

 

3.アメリカ哲学におけるソローの不在:『ウォールデン』を「高度な意味で読むこと」

京都大学 齊藤 直子

 本発表では、ソローの超越主義思想を「夜明けの哲学」(philosophy of morning) (Cavell 2005)として復権させる現代アメリカの哲学者スタンリー・カベルによる『ウォールデン』再読解の著『センス・オブ・ウォールデン』(2005/1992)の読解を試みる。これを通じて『ウォールデン』を「高度な意味で読むこと」(Reading in ahigh sense) (Thoreau 1992, p. 71)が、哲学を日常性に連れ戻す哲学の再構築の作業であり、広義の翻訳としての言語の媒介によって達成され続ける「下向きの超越」(transcendence down) (Standish 2012, p. 25)思想であることを明らかにする。それによって、ソローの超越主義を、内向性、私秘性、個人主義、自己修養、自然賛美、文明批判、環境主義などの観点から読み解く言説から解放し、単独性と隣人性に依拠した広義の政治生活を実践する哲学、そして「アンコモンスクール」における「大人の教育しての哲学」(philosophy as the education of grownups) (Saito and Standish 2012)としてとらえ直す。

 

Cavell, Stanley. 2005. Philosophy the Day After Tomorrow (Cambridge, MA: The Belknap Press of Harvard University Press).

カベル、スタンリー (2005)『センス・オブ・ウォールデン』(斉藤直子訳)(法政大学出版局)(Stanley Cavell, The Senses of Walden [Chicago: The University of Chicago Press, 1992.])

Saito, Naoko and Standish, Paul (eds). 2012. Stanley Cavell and the Education of Grownups (New York: Fordham University Press).

Standish, Paul. 2012. “Pure Experience and Transcendence Down.” In Education and

the Kyoto School of Philosophy: Pedagogy for Human Transformation (eds) Paul Standish and Naoko Saito (Dordrecht: Springer, 2012).

Thoreau, Henry, D. 1992. Walden and Resistance to Civil Government, ed. William Rossi (New York: W. W. Norton & Company, 1992).

 

III.  特別講演要旨

演題  ソローとの対話が拓いた道: keeping“the polestar”in my eye

名古屋工業大学 藤岡 伸子

  ソローの文学的世界には、17世紀西ヨーロッパに発する近代主義といかに的確に対峙し、またいかにそれを乗り越えて次のフェーズに至りうるのかという、近年ますます切実に現代社会の関心を惹きつける一つの問いが、堅い核として存在する。

  ソローの世界が核として持つこの問題意識と、比較文化研究者としての私自身との長年にわたる対話は、ソロー研究とは何の関わりもないように見える領域にも私の研究を大きく越境させてきた。そうした越境は言うまでもなく、ソローが厳然と指し示す先へと、おずおずと向かった結果である。その先には、例えば、アーツアンドクラフツ運動のウィリアム・モリスや民藝運動の柳宗悦、日本アルプスの生みの親・小島烏水などがおり、ソローを離れて出会ったはずの彼らもまた、時にソローの名を口にする人々であったことをやがて知ることになる。こうして得た「文化研究の広野でソローをめぐる遍路を続けてきた」という感覚は、個人的なものでもあるが、学術的な検証にも十分に耐え、ソロー研究に新しい視点を提供し得るものではないかと考えている。ソローが提示した世界観の広がりや奥行きを、このような比較文化研究の視点から改めて俯瞰してみたいと思う。

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2011-11-17 12:01:15 | 事務手続
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