《郵政民営化は多国籍企業の陰謀?》

2006年02月23日 | news
 世間を賑わせている「郵政民営化」ですが、おそらく、この問題の本質を見抜いている人は少ないと思います。そこでデータから1つの“仮説”を提示します。結論は、表題にあげた「多国籍企業の陰謀」です。
 前項で、世界にいかにお金が溢れているかをデータで示しました。では、そのお金(金融資産)はどういう形になっているか、です。
 実は、7000兆円の金融資産の6割をアメリカが持っています。日本が2割、英独仏で2割です。そのアメリカは1600兆円を株式市場の形で持っています。それとほぼ同額を債券やデリバティブで持っていると推定されます。このお金が実に怪しいのです。
 GDPが日本の2倍しかない国の株価時価総額が、なぜ日本の300兆円という株価時価総額の5倍もあるのか。たぶんバブル。だから、どうにかして「安全な投資先」に移したい、と考えます。これは金持ちも貧乏人も同じでしょう。
 このいちばんよいところが「健全な国営企業」です。税金で育てられ、しかもその国民に必要不可欠なものであれば倒産するはずがないからです。
 実際、投資先を失った世界の大金持ちと多国籍企業は、国営企業の民営化という「悪魔の仕業」を世界規模で仕掛けています。確実安全な「お金」の行き先が必要だからです。そして、最終目標が公共財の私物化なのです。
 よくよく調べてください。郵政事業とは公共のためのサービスです。民間の宅配便業者が倒産せずにこのサービスを一律料金でできるはずはありません。また、倒産の危機に直面した民間企業が、倒産を覚悟の上でサービスをすることなど、そもそもありえないのです。
 では、郵便事業を担っている人は、まじめに働いていないのですか? 山奥の一軒家まで手紙を運んでいないのですか? そうではないのです。公共サービスというのはそういうものであって、何もそこから利益をあげる組織体ではないのです。それによって、社会の豊かさの基盤が与えられるものだからです。
 郵便貯金の話もウソです。その総額は、たかだか、日本の全金融資産の1割でしかありません。これで「民業圧迫」しているわけではなく、日本の金融機関がそもそも、もうまともな投資先を確保できないのです。お金が有り余っているからです。そんな中に、さらに民間資金が増えてしまったら、ますます金利は稼げなくなります。
 もう1点。よしんば、郵政の民営化というなら、この事業はそもそも国民の税金で維持されてきたものですから、全国民に1株ずつでも無償配布すべきものです。少なくとも、そういう考え方があってもおかしくありません。ところが、アメリカという国は、税金でお金のかかる事業の立ち上げをやり、それをすぐに民間に二束三文で払い下げてしまうという歴史を積み重ねてきた国なのです。それを「ドロボー!」と強烈に批判したのが、かの「宇宙船地球号」を提唱したバックミンスター・フラーだったのです。
 郵政の民営化を強行する小泉さん。御自身が悪魔の手先になっていることを御存知なのでしょうかネ。その背後にある新自由主義者の陰謀を、アメリカやヨーロッパの知識人は見抜いています。

●《郵政民営化は多国籍企業の陰謀?》……2004.10.27


最新の画像もっと見る