脱北者 韓国見限り米亡命 「南北融和」に不信感

2006年05月08日 | 支那朝鮮関連
 【ソウル=久保田るり子】北朝鮮を脱出し韓国籍を取得した脱北者が米国で初めて「政治亡命」を認められ、韓国に困惑と波紋が広がっている。米国はまた、東南アジアの米大使館に逃げ込んだ脱北者数人を近く米国に受け入れる。南北和解ムードの韓国を見限って米国で北朝鮮の人権問題を訴える脱北者たち。もはや韓国は安住の地ではないのか。
 四月末に米ロサンゼルスの裁判所で亡命が認められたのは朝鮮人民軍将校出身のソ・ジェソクさん(40)。ソさんは工場爆発で大やけどを負い、家族で脱北。中国などを経て一九九八年に韓国入りしたが、息子が脱北者ゆえの差別を受け、四年前に渡米した。
 ソさんが脱北者用の一回限りの旅券で渡米したところ、韓国政府は一週間後に戸籍に相当する「住民登録番号」を抹消。ソさんは米移民局に亡命申請したが、当初は通らず、米人権団体の支援を受けて移民裁判所に提訴して勝訴した。移民局が控訴を放棄したため、亡命が確定した。
 二〇〇四年に成立した米国の北朝鮮人権法は民主化運動や脱北者の支援を趣旨としている。しかし、米韓関係への配慮やその後の雪崩現象を懸念し、原則的には韓国籍の脱北者は対象外となってきた。だが、ソさんが脱北の過程で北に強制送還され拷問を受けた経緯がある点が考慮され、個別に同法が適用された。
 これに対し、韓国政府は当惑を隠せない。「韓国が脱北者にとって政治的に危険なところという意味にも解釈できる」(朝鮮日報)からだ。李鍾●・統一相は「亡命はナンセンスだ」「そんな事実(韓国政府による弾圧)はまったくない」と不快感を表明している。
 米国には「韓国政府の政治的弾圧を受けた」として亡命申請した韓国籍脱北者が十数人いる。ソさんによると、ロサンゼルスで二、三十人、ニューヨークで約五十人が申請を準備しており、今後、米側の司法判断が注目される。
 一方、米国が近く難民として受け入れを準備しているのは、中国などを経て東南アジアの米大使館に駆け込んだ人たちで、実現すれば、初の同法による難民受け入れのケースになる。
●=夾の人を百に
(産経新聞) - 5月7日3時9分更新

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