ウインドクリスティ～ナドを彩った名馬たち～

ナドの歴代名馬を語る上で、絶対に外せない馬がいる。

もちろん、通算獲得賞金１位のメイビーやナナヴィヴァーらもそうだろう。
先日のフリレイベにも登場したラクスベルナリンプやポコポコナクセニも間違いなくその候補だ。
しかし、今回語るのはウィンドクリスティという一頭の牝馬についてである。
すでに多くのプレイヤーにとって聞きなじみの無い名前かもしれない。
通算獲得賞金１４位の彼女が他の名馬と異なる点は、第３Ｓ～第５Ｓにかけて活躍したという点にある。
そう。
初期に活躍した名馬でありながら、未だに上位にランクインしているのはクリスティだけである。

ナド鯖開始当初、ナド鯖は２番正田氏と風の旅人氏がトップ馬主として君臨し、
ハヤヒデ氏やのぶたく氏ら後の大馬主らが虎視眈々とＧ１制覇を狙っていた。

そんな群雄割拠が続いていた第３Ｓ春、
大牧場風の旅人ファームに鹿毛の牝馬が産声を挙げた。
父は初代ジャパンカップ勝ち馬マンジュウクン。
現役成績もさることながら、産駒の通算重賞勝利数は３４と初期のナド鯖発展に大きく貢献した名種牡馬である。
そして母はもう語る必要の無い名牝ダリア。

トップ馬主所有の超良血牝馬ウィンドクリスティ。

彼女の活躍は約束されたようなものだった。

事実年明けのデビュー戦では１．８倍断然の１番人気に押される。
しかし、勝利こそしたもののわずかアタマ差の辛勝。
そして、ここから彼女の苦難の日々が続く。

３月２週５００万下　５着。
３月４週５００万下　５着。
５月２週京都新聞杯　５着。


期待外れ。


多くの関係者はそう思っただろう。

だが、オーナーの風の旅人氏は違った。
愛馬を信じたオーナーはここでまさかのオークス挑戦を決断する。

７番人気と当然の低評価にも関わらず、最後の直線では馬群を縫って素晴らしい脚で伸びてくる。

結果は３着と敗れはしたものの、オーナーの期待に応える走りを見せた。

そして、このオークスが転機となる。

夏場の５００万下、１０００万下に連勝。
迎えた京都大賞典では２着以下に４馬身差をつける圧巻の勝利を見せる。

一躍舞台の主役に躍り出た彼女は果敢にもＪＣに駒を進める。

直線鋭く抜け出した彼女は２着に半馬身差をつける完勝でＧ１初勝利。
更に続く有馬記念では同世代白毛のダービー馬レベルダイアグラムらを寄せ付けずＧ１連勝。

現役最強馬となった彼女は戦いを海外に求める。

海外初挑戦となったドバイシーマクラシック。
海外転戦して挑んだキングジョージ。
エリシオらを一掃した凱旋門賞。

破竹の８連勝。Ｇ１を５連勝で世界の頂点に舞い降りた。

その後もＪＣや有馬記念等を連覇し、５歳のＪＣで引退するまでナド鯖のトップを走り続けた。

Ｇ１を９勝。
獲得賞金１７億１４５５万。

現在よりＧ１数が少なく、そして海外Ｇ１でシステム馬に勝つことが難しかった時代、
ナド史に燦然と輝くその実績は、５２Ｓ目を迎えた今でも色褪せることはない。

今でも思う。
ナド鯖史上最強馬は彼女だと。