かつてこの世界において、知らぬ者なしと謳われたギルド“手塩family”――通称“手塩”。
しかし、度重なる世界の変革により、歴戦の猛者たる仲間たちも、一人また一人と世界から姿を消していった。
結成から11年、残るメンバーも数えるほどとなり、世界の終焉を予感させる状況でも抗う手塩。
そして今、手塩に更なる危機が訪れようとしていた――。
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全階層守護者、御身の前に平伏し奉る。
――ご命令を。
面を上げよ。
よく集まってくれた、守護者たちよ。
感謝しよう。
感謝などもったいない・・・我らモハメド様にこの身を捧げた者たち。
モハメド様からすれば、取るに足らぬものでしょう。
しかしながら、我らの造物主たる至高の御方々に恥じぬ働きを――誓います。
素晴らしいぞ、守護者たちよ!
お前たちならば、失態なく事を運べると、強く確信した。
さて、現在我らが手塩地下大墳墓は、原因不明の事態に巻き込まれている。
何らかの理由で、どこか不明の地に転移してしまったのは間違いないようだ。
私はこれから、遠隔透視魔法「全想魔眼」を使って情報収集にあたる。
守護者各員は、速やかに、より完璧な情報共有システムを作成し、警護を厚くせよ。
はっ!!
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さて、人がいる場所を探してみるか。
・・・ん?祭りか?
いえ、これは違いますな。
ふむ・・・野盗ではないようだな。
いかがなされますか。
・・・いずれにせよ、この世界での自分の戦闘能力を、いつかは調べなければならんわけだしな・・・。
よし、私はこの村に行くこととする。
手塩の警備レベルを最大限に引き上げろ。
はっ。
――ゲート。
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一人も逃がすなとの命令だ、やれ!!
お姉ちゃん!!
な、何だ!?
・・・・・・・・・・?
――スキル“圧搾する剛心臓”(グラスプハート)。
ぐあぁっ・・・!!
この世界の人間たちに、私の得意とする死霊系、その中でも高位のスキルが効かなければ、逃げるしかないかと思ったのだが・・・。
ばっ、化け物ぉっ!!
・・・ふん、女子供は追い回せるのに、毛色の変わった相手は無理か。
せっかく来たんだ、無理やりにでも実験に付き合ってもらうぞ。
――スキル“雷光のカミソリ”(レザーオブライトニング)。
うわぁー!!!!!
弱い・・・下位スキル程度で簡単に死ぬとは。
中位アンデッド作成――デスナイト。
デスナイトよ、この村を襲っている騎士どもを殺せ。
ウオォォーーーーーー!!
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うっ、うわあぁぁっ・・・!!
ひぃっ、たっ、助けっ・・・・・!!
デスナイトよ、そこまでだ。
初めまして、諸君。
私は、モハメド・テシオと言う。
諸君には生きて帰ってもらおう。
そして、諸君の主・・・いや、飼い主に伝えよ。
この辺りの村で騒ぎを起こすなら、今度は貴様らの国に死を告げに行くと。
――行け!!
そして確実に我が名を伝えよ!
あ、貴方様は・・・?
なに、この村が襲われていたのが見えたのでね。
助けに来た者だ。
さて、君たちはもう安全だ。
安心してほしい。
・・・とは言え、タダというわけではない。
それなりの礼をいただきたい。
(・・・営利目的と思われた方が、余計な疑いをかけられなくて済むというものか。)
(村人たちを安心させるために金銭を要求したが、本当にほしいのは情報だ。
この世界に無知であれば、権力者や、私以上の強者に接触したときに大きな弱点になる。)
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――朴訥の村長夫妻は、私が、僻地で研究していた世情に疎いマジックキャスターであるという言い訳を信じ、この世界について知る限りのことを語ってくれた。
まず、こちらの世界の通貨は、この世界では流通していないらしい。
kpとしての価値はあるが、今後使うのは危険かもしれない。
次に、周辺国家について聞いてみた。
この村、タカ・ラヅゥカ村と手塩を含む一帯は、ナド・アルシバ王国という国の領土らしい。
そして、南北に広がる巨大な山脈を隔てて隣接する桃尻帝国という国があるという。
二つの国は仲が悪く、国境付近に存在する城塞都市アーリントン近くの平野で、毎年のように争っているそうだ。
そして、もう一つ。
両国と国境を挟んで、南方にある国家が、ホノボノ法国。
盾の紋章から、村長は村を襲ったのは桃尻帝国の騎士と推測していたが・・・。
ナド・アルシバ王国と桃尻帝国の反目を狙ったホノボノ法国の偽装である可能性も考慮すべきか・・・。
――失態だ。
騎士の一人は捕まえて、情報を引き出すべきだった。
・・・どうかされましたか?
いえ、何でもありません。
それより、他の話を聞かせてはいただけないでしょうか。
は、はい。
それでは・・・。
村長の協力により、少しはこの世界の情報を得ることができた。
しかしまだまだ情報が不足している以上、この村以外でも情報収集を行う必要があるか・・・。
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――とは言え、これでモハメド・テシオという人物が村を救ったという噂は広まるだろう。
今後はこの村を起点に活動するとして、この世界における手塩の勢力を拡大するには大義名分も必要だな。
どこかの国を後ろ盾にしておくのが望ましいが・・・。
一先ず、ここですべきことは終わった。
どうしますか、村長?
・・・また厄介事か。
どうかされましたか?村長殿。
おお、モハメド様。
実は、この村に騎士風の者たちが近づいているようで。
なるほど。
わかりました。
村長殿の家に、生き残った村人を至急集めてください。
村長殿は、私とともに広場に。
はい!
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やれやれ、息つく暇もないとはこういうことだな。
しかし、ここタカ・ラヅゥカ村というこの世界での拠点は確保した。
迫る騎士連中がどこの勢力の者かは知らんが、我らの邪魔をするなら葬り去るのみ――。
この世界で手塩の威光を示すための糧としてくれよう。
我こそはテシオ――モハメド・テシオ。
従う者には栄光を、歯向かう者には死を与えよう。
死の支配者(オーバーロード)の名の下に・・・・・な。
今日から見てみますわ~
まさか、ブログで興味湧いてアニメを見るレアケースに
なるとはね~^^;
しかし、おいこらさん忙しいんかな~?大賞見てみたいっすね~。
アニメ版のクオリティも高くおススメですよ。
しっかし、オーバーロードが宝塚記念勝ったのが前Sのことなので、この記事アップするまでリアル2ヶ月くらい経ってるんですよね。。。
ストーリーさえ固まれば、あとは画像貼付け作業なんですけど・・・これが苦痛で時間かかるせいだよなぁ。
新設予定(?)のおいこら文学賞は手塩がいただきます!・・・と言ってみる。