原発防災「支障なし」 保安院見解、知事は「不十分」
2011年5月19日
東日本大震災を受けた島根原発の安全対策について、経済産業省原子力安全・保安院の黒木慎一審議官は18日、溝口善兵衛知事と松浦正敬・松江市長に「安全上支障ない」との見解を示した。溝口知事らは「説明は不十分。事故原因の分析などが出来ていない」として、継続や運転再開に改めて慎重な姿勢を示した。
黒木審議官は県庁と市役所で説明した。30年以内に震度6強以上の地震が起きる確率について、「浜岡原発は84%だが、島根原発は0%。大規模な津波が高い確率で発生することは予想されず、中国電力の安全対策は適切で安全性が確保されている」と述べた。
溝口知事は「福島第一原発1号機で何が起きたのか。津波と地震の影響も分けて分析されていない」などと指摘し、さらに詳しい説明を求めた。
説明後、取材に応じた黒木審議官は「他県の自治体でも厳しい言葉を受けている。誠実に対応していく」と述べた。原因分析を終えていない段階で「安全上支障ない」とする見解の妥当性には「事故拡大は津波で全電源を失い、冷却出来なくなったこと。これを解決することで安全性は確保される」と答えた。
溝口知事は「島根原発を考えるためには情報が必要。どうするかというプロセスに至るには時間がかかる」と述べた。(斉藤智子)
2011年5月19日
東日本大震災を受けた島根原発の安全対策について、経済産業省原子力安全・保安院の黒木慎一審議官は18日、溝口善兵衛知事と松浦正敬・松江市長に「安全上支障ない」との見解を示した。溝口知事らは「説明は不十分。事故原因の分析などが出来ていない」として、継続や運転再開に改めて慎重な姿勢を示した。
黒木審議官は県庁と市役所で説明した。30年以内に震度6強以上の地震が起きる確率について、「浜岡原発は84%だが、島根原発は0%。大規模な津波が高い確率で発生することは予想されず、中国電力の安全対策は適切で安全性が確保されている」と述べた。
溝口知事は「福島第一原発1号機で何が起きたのか。津波と地震の影響も分けて分析されていない」などと指摘し、さらに詳しい説明を求めた。
説明後、取材に応じた黒木審議官は「他県の自治体でも厳しい言葉を受けている。誠実に対応していく」と述べた。原因分析を終えていない段階で「安全上支障ない」とする見解の妥当性には「事故拡大は津波で全電源を失い、冷却出来なくなったこと。これを解決することで安全性は確保される」と答えた。
溝口知事は「島根原発を考えるためには情報が必要。どうするかというプロセスに至るには時間がかかる」と述べた。(斉藤智子)