ご招待旅行意外な盲点

誰でも一度は耳にしたことがある企業のお客様招待旅行のお仕事に携わりました。

移動に使う新幹線や観光バスには飲み物やおつまみを積み込み、到着した会場（お弁当やお飲物も当然ご用意）で歌謡ショーをお楽しみ頂き、各地の名旅館やホテルへ早めのお宿入り。翌日は観光しながら昼食にその土地の名物を食べ、帰路へ。完璧なご招待旅行です。
なのにお客様から不満の声がチラッと聞こえた。


「お土産買う時間ないの？」

松島を観光して仙台で昼食をとるお客様とご一緒したのだが、なるほど現地ガイドさんやバスガイドさんが常に案内をしていて、買い物をする自由な時間がないのだ。


昼食は牛タンだった。昼食後バスが出るまでの空き時間に萩の月はどこで買えるの？笹かまが欲しいとお客様に聞かれた。しかしここは錦ヶ丘のアウトレットモール。お土産名店街はない。


なぜこんなにお土産屋に寄らないキチキチな旅程なのか。他の添乗員に尋ねたら、この旅行は主催した企業が旅館の予約はもちろん、すべてを仕切っているため。このため旅行会社は関係施設にクーポンで精算することもままならない。お手洗い休憩をかねてお土産物屋に立ち寄ることもないというわけ。
お客様は至れり尽くせりだけど、意外なところに不満の種があったとはね。