誰か、誰かあの男を愛してやってくれないだろうかと堂野は思った。うんざりするほど愛して、そして二度と死ぬなんて言葉を口にできないように、愛情と責任でがんじがらめにしてくれないだろうかと、そう思った。
箱の中/木原音瀬 -檻の外-
木原音瀬さん遂に三作目。本作で木原さんは終了しようと思っています。
以下ネタバレ。
こいつ、喜多川と堂野をうまくいかせようとするために、子ども殺したんじゃないよね?
と、作者を問い詰めたくなる急展開でした。
堂野の奥さんが浮気をしているのはまだ許せる。浮気が発覚して信じられなくなって、やっぱり俺には喜多川しかいないよー!ってなるのはいいんだよ別に。木原さんは男同士で絶対うまくまとめるんだろうと思ったし、それ以外の結末は考えられなかったし。
いやいや、罪のない子どもは殺すなよ。と、言いたいんだよ私は、作者に。
子どもに何の罪もないって堂野が言ってたけど、そっくりそのまま作者に返したいよその言葉。
子どもも死んで?原因は奥さんの浮気で?そりゃ万々歳ですよね、だって堂野は何にも悪くなく喜多川と一緒になれるんだもん。
だからってこの展開はちょっとひどいんじゃないの。"秘密"と同じような無理やり感が否めない。
私としては、第一章の"箱の中"で完結していた方がよっぽど面白かったと思う。
堂野が孤独な喜多川をどうにかしてあげたかったこと、だけどそれが愛情ではなかったこと、だから迎えに行けなかったこと、痛いほどよく分かった。友達でいられたらよかったのに。
あのぶつ切り感、これで終わりの?もうだめなの?ハッピーエンドじゃないけど、あの終わりの方が納得はできた気がする。
それにしても、喜多川と一緒に橋から落ちた堂野を見たら、少し安心したよ。なんだ、堂野、喜多川のことちゃんと好きなんじゃん。
前半の喜多川の愛が木原さんらしくいつも通り重たかった。だけど喜多川は本当に大きな子どもみたいで、なんだかかわいいというか、情のようなものがわいてくる堂野の気持ちが分かった。
うまくいってよかったねとは言いにくい終わりだったけど、これから喜多川が思い描くあたたかい家族が出来ればいいなと思いました。
木原音瀬さんの作品は三作読ませていただきましたが、やはり最初に読んだ"美しいこと"が一番好きでした。あれは歴代読んできた本の中でも傑作だと思います。
今年ももう終わりですが、来年はもっと沢山の本を読んで、もっとこのブログを更新したいと思います。ここは私の心を映す鏡みたいなものなので、大切にしたいと思う。
箱の中/木原音瀬 -檻の外-
木原音瀬さん遂に三作目。本作で木原さんは終了しようと思っています。
以下ネタバレ。
こいつ、喜多川と堂野をうまくいかせようとするために、子ども殺したんじゃないよね?
と、作者を問い詰めたくなる急展開でした。
堂野の奥さんが浮気をしているのはまだ許せる。浮気が発覚して信じられなくなって、やっぱり俺には喜多川しかいないよー!ってなるのはいいんだよ別に。木原さんは男同士で絶対うまくまとめるんだろうと思ったし、それ以外の結末は考えられなかったし。
いやいや、罪のない子どもは殺すなよ。と、言いたいんだよ私は、作者に。
子どもに何の罪もないって堂野が言ってたけど、そっくりそのまま作者に返したいよその言葉。
子どもも死んで?原因は奥さんの浮気で?そりゃ万々歳ですよね、だって堂野は何にも悪くなく喜多川と一緒になれるんだもん。
だからってこの展開はちょっとひどいんじゃないの。"秘密"と同じような無理やり感が否めない。
私としては、第一章の"箱の中"で完結していた方がよっぽど面白かったと思う。
堂野が孤独な喜多川をどうにかしてあげたかったこと、だけどそれが愛情ではなかったこと、だから迎えに行けなかったこと、痛いほどよく分かった。友達でいられたらよかったのに。
あのぶつ切り感、これで終わりの?もうだめなの?ハッピーエンドじゃないけど、あの終わりの方が納得はできた気がする。
それにしても、喜多川と一緒に橋から落ちた堂野を見たら、少し安心したよ。なんだ、堂野、喜多川のことちゃんと好きなんじゃん。
前半の喜多川の愛が木原さんらしくいつも通り重たかった。だけど喜多川は本当に大きな子どもみたいで、なんだかかわいいというか、情のようなものがわいてくる堂野の気持ちが分かった。
うまくいってよかったねとは言いにくい終わりだったけど、これから喜多川が思い描くあたたかい家族が出来ればいいなと思いました。
木原音瀬さんの作品は三作読ませていただきましたが、やはり最初に読んだ"美しいこと"が一番好きでした。あれは歴代読んできた本の中でも傑作だと思います。
今年ももう終わりですが、来年はもっと沢山の本を読んで、もっとこのブログを更新したいと思います。ここは私の心を映す鏡みたいなものなので、大切にしたいと思う。