流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

ターボファンエンジンのガス発生器部のコンプレッサーの設計考察

2017年09月15日 | 宇宙航空産業機械

設計考察を進めて来ましたターボファンエンジンのガス発生器部の2段遠心コンプレッサーの設計を考察します。

次のような2段遠心コンプレッサー部が圧力比12の空気の圧縮を行うように設計を考えていきます。

1)コンプレッサー入口の空気はファン部からの風速Vf(m/s)の空気が流入しますので、それも含めたコンプレッサー入口全温Tciを大気温度(k)+(1/Cp)*Vf^2*0.5で求めます。

2)更に圧縮機入口風速Vfから入口全圧Pciは、入口大気圧+Vf^2/19.6で求まります。

3)これらより入口でのエンタルピーhciは、hci=定圧比熱Cp*Tciとなる。

4)次に圧縮機出口での圧力比R=12となり、圧縮機出口圧力はPci*12=Pcoとなり、もしコンプレッサー効率100%つまり等エントロピー変化と仮定した場合の出口全温Tco=Tci*(Pci/Pco)^((1-k)/k)で計算される。

5)等エントロピー変化とした場合の出口エンタルピーhco=Cp*Tcoで求まり、エントロピーの変化量は(hco-hci)であるが、圧縮機効率をηcとすれば実際のエントロピー変化量Δhrは(hco-hci)/ηcとなる。

6)つまり実際の圧縮機の出口エンタルピー量hcorは、hcor=hci+Δhrである。

7)実際の出口全温Tcor=hcor/Cpとなります。つまり圧縮機効率100%以下だと(Tcor-Tco)の分だけ出口全温は等エントロピー変化よりも上がることが分かります。

8)以上により、圧縮機効率ηcでの入口出口の全温、全圧、エンタルピー、前回計算から空気質量Wgが分かり、この圧縮機に必要な動力はWg*Δhrで計算されます。

9)ここからは遠心圧縮機2段の各段の流体計算に入りますが、それは明日また考察してみます。

<今日の流れ>

提出する色々な資料をまとめ、どんどんと送っております。

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