日本の風景 世界の風景

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三富新田の景観破壊

2008-03-27 | 世界地理
下富新田から、東京都心まで50分、いつまでも大根、にんじん、ごぼう、さつまいもをつくるより、宅地・学校・病院などに、農地を売る方が、経済的合理性がある。土地の高度利用である。こうなることを、40年前に建設省が予想し、都市下水の役割を果たす細川堀を建設していた。あるいは、政府には、大都市郊外の緑地を保存する意志はなかったのかもしれない。


下富の茶畑の向こうには、清和病院ができた。


病院は、建設許可を簡単に得られる。将来の宅地化と人口増を見込んだ先行投資であろう。



伊勢丹デパートの物流センターもある。トラックの出入りが激しい。



武蔵野台地は洪積台地である。古い扇状地の隆起した地形であり、水害(洪水)や土砂崩れの恐れがすくない。宅地開発が進む。



ふだんは自然保護に熱心な生協も、農地をつぶして巨大な老人保養施設を建設した。施設名は「さんとめ」、漢字で「三富」と書く。ついでながら「下富」は「しもとめ」と読む。



一見、新田集落の茶畑とケヤキ林が残っているが、手入れが行き届いていない。この農地も、なくなる日は遠くない。



こんなことが、すでに現実になっている。


だからどうしろ、と言うのではない。歴史的経済的必然としての土地利用高度化が進んでいる。その現実を直視しよう、ということである。






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