11月7日放送 NHK短歌
題:「数」
抽籤の最後の数字特等の声を合図にひいてゆく波
(選者:今野 寿美 さん 入選)
まずは入選したことにびっくり。そしてこの歌は次の一首と一組に詠みました。
夏祭り跡の屑籠降り積もる割り箸コップ空籤の順
一首目は情景描写ですが、二首目と一緒に読むと具体的になってくると思います。それがよいかどうかは分かりませんが。
夏祭りの会場、クライマックスのイベント、抽選券を握り固唾を飲んで見守る観衆。六等、五等、と順に読み上げられるとともに、高まる熱気。それが特等の数字が響いた瞬間、当事者とその他大勢とに、綺麗に線引きがなされたのでした。抽選券を近くのゴミ箱に投げ入れる、今や部外者となった人々。その立ち去る光景は、まさに波が退いてゆく様子でした。跡に残されたものは、特等の当選者と、空籤で埋まった屑籠でした。実体験がベースになっていますが、心の波が退いてゆくという風にも読み取れたかもしれません。特等の景品は、自転車だったか、ホームベーカリーだったか。
ユーモラスだと講評して頂けましたが、本人はこのように暗ーいことを考えていたのでした。
敷居の高く感じていたNHK短歌ですが、名短で出会った方々の真摯な姿に心を打たれ、投稿してみようと思い立ちました。今回は一緒に入選したお二方の波に乗せてもらいました。ビギナーズラックでもありました。これを励みにして、よい歌を詠めるよう自分なりに努力しようと思います。
題:「数」
抽籤の最後の数字特等の声を合図にひいてゆく波
(選者:今野 寿美 さん 入選)
まずは入選したことにびっくり。そしてこの歌は次の一首と一組に詠みました。
夏祭り跡の屑籠降り積もる割り箸コップ空籤の順
一首目は情景描写ですが、二首目と一緒に読むと具体的になってくると思います。それがよいかどうかは分かりませんが。
夏祭りの会場、クライマックスのイベント、抽選券を握り固唾を飲んで見守る観衆。六等、五等、と順に読み上げられるとともに、高まる熱気。それが特等の数字が響いた瞬間、当事者とその他大勢とに、綺麗に線引きがなされたのでした。抽選券を近くのゴミ箱に投げ入れる、今や部外者となった人々。その立ち去る光景は、まさに波が退いてゆく様子でした。跡に残されたものは、特等の当選者と、空籤で埋まった屑籠でした。実体験がベースになっていますが、心の波が退いてゆくという風にも読み取れたかもしれません。特等の景品は、自転車だったか、ホームベーカリーだったか。
ユーモラスだと講評して頂けましたが、本人はこのように暗ーいことを考えていたのでした。
敷居の高く感じていたNHK短歌ですが、名短で出会った方々の真摯な姿に心を打たれ、投稿してみようと思い立ちました。今回は一緒に入選したお二方の波に乗せてもらいました。ビギナーズラックでもありました。これを励みにして、よい歌を詠めるよう自分なりに努力しようと思います。
朝早くから楽しかったですね(笑)
御歌、まず「籤」の文字。
なんて重いんでしょうw
以下、上の句は漢字、漢字…。そして結句にきてパッとひらかな。この表記上の緩急がとても「ひいていく波」を際立たせているように思います。
そして内容も実際の景色から離れて、普遍的に様々な場面に活きているようにも思われます。
「人」という文字を一切使われてないのに「人間」が描かれているところが素晴らしいです。
後日、テキストに載ると寸評が添えられて、またいいものですよ。入選は二度おいしい(^~^)
おめでとうございました!
上の句は漢字が詰まり過ぎではないかと薄々思っていました。「籤」の字は意識して使いました。「抽選」では息詰まる雰囲気にそぐわないような気がして。ただ、ひいてゆくは「退いてゆく」が「しりぞいてゆく」と誤読されそうで平仮名にしただけなのです(自分のノートは「退いてゆく」になっていましたw)。結果として「声」の前後の緩急になっていたのですね。ご指摘を受けて気付きました。
自分としては、一瞬の心の動きを切り取ることが、一つのテーマとなっている気がします。
丁寧に読んで下さって、本当にありがとうございます。新しい発見をすることができました。
テキストが発売されるのが、今からとても楽しみです。今後ともよろしくお願いします。飯田さんの御歌もまた楽しみにさせていただきます♪
Tata
お疲れさまでしたー!
私なら二句と三句の間に一マスあけを入れたくなるところですが、続けたところにこの歌の意味があるような気がしてきました(飯田さんの表記上の緩急という解釈でなお納得)。
私は一瞬で興味が失せた人たちの波が引いていく様を描いた「人間のおもしろさ」に的を絞ったのかと取りましたが、ご本人は暗い気持ちだったとは(笑)分からないものです。
朝から楽しいひと時をありがとうございました!
僕も二句と三句の間を一マスあけようかなと思いました。ところがN短のテキスト見たところ、全て詰めて記載されていたので、あけても詰められてしまうかなと、諦めてそのまま送ったのです(笑)
ただし、表現したかったのが「声」の前後の変化という意識があったので、スペースを入れるのは一長一短かなという気もします。結果として、僕も飯田さんの解釈で納得です。
興味を失ったときの「人間のおもしろさ」にスポットを当てたというのはまさにそうです。ただ、その次に連想されたのが、取り残された当選者(小学生の男の子でした。インタビューを誰も聞いてやしない。)への切なさや、人間が無関心になることの恐ろしさでした。やっぱ暗いです(笑)
本当に朝早くからありがとうございました。とても楽しいひとときを過ごせました。今度はちいさんの放送日に楽しませて下さい♪
Tata