目をつぶって真っ直ぐ歩けば必ずどちら側かにずれていく。やがてぐるぐる円を描き出す。これが自分の真っ直ぐである。いわばニーチェの永遠回帰である。目を開けて歩けば当然真っ直ぐ歩ける、それは随時文化や良識に指導された偽りの真っ直ぐである。さあ、目をつぶって耳を塞いで真っ直ぐ歩こう。
空(そら)を惑星を取り巻く大気と定義すれば、地上に住む人間も空のただ中にいる。おまけに吸い込んで呼吸しなければ生きていけない。我々は空を呼吸している。空があんなに美しく懐かしいのもそんなことからだと思われる。