グローバルファンタジストの好奇心

また見つかった!
何が?
永遠が、海と溶け合う太陽が!
(アルチュール・ランボー「地獄の季節」より)

久々の感動

2006-07-19 10:50:10 | 音楽
以前このブログにも書いた<東京の夏> 音楽祭。そのコンサートに昨日行って久々の感動を覚えた。
7月18日すみだトリフォニーホールで関連公演「作曲家の音」シリーズvol.3「西村朗の音」が開催された。こぢんまりした木の内装の小ホールは音響がよく、観客も集中でき、音を強調したこの演奏には大変快適だったと思われる。
司会はオーガナイザーの川島素晴氏で、西村朗氏本人による全曲解説付きという、ファンには感涙極まるコンサートとなった。演奏家たちも現代音楽のベテラン或は新進気鋭のソリストが揃い、素晴らしい音を響かせた。
雅歌Ⅰ~Ⅳでは様々な様式のヘテロフォニーが表れ、Ⅰは旋律のヘテロフォニー、Ⅱではユニゾンによるヘテロフォニーで、ビブラートとノンビブラートを使い分けたソプラノの声がフルート、クラリネット、ヴァイオリンと2台のピアノそれぞれと共鳴して一体渾然となって発する倍音に恍惚感を覚えた。Ⅲはロングトーンを奏でるヴァイオリンと点描的演奏の2台のピアノによる音列主題の作曲。Ⅳはヴァイオリンとチェロの息の合った見事な演奏で、AからDの開放弦の4度のドローン上のヘテロフォニーにより、高次倍音のゆらぎが魅力的で、インド的な宇宙の流れが表現されていた。
休憩を挟み後半は、西村氏が東京藝術大学の学生だった頃の作品「受胎告知」が久々に演奏され、続いて圧巻の「オルガヌムス」となった。熱のこもった演奏に聴衆のα波はピークに達した感がある。3時間余りという長い演奏時間は、それを感じさせない充実したものだった。
できれば21日の広尾のカフェでの街角イベント「音楽カフェ談義---音楽評論をめぐって」も是非拝聴したかったが、チケット完売で残念。。。
どなたか幸運にもゲットされた方は是非感想を聞かせてください。


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