今月号のWE&T"Water You Can Bank On"で、
Water Bankingという手法を取り入れる
自治体が、フロリダやカリフォルニアで
増えているという記事が載っていました。
これは、春や冬の間の水が豊富な時期に
地下水を人工的に涵養し、地下水位を上昇させ、
河川の水量が減少し、逆に水の使用量が増加する夏に、
必要に応じてくみ上げて使用するという手法です。
今まで貯水池が担ってきた役割を、
地下水に担わせるという考え方です。
特に、宅地開発等で人口増を計画する自治体にとっては、
乾季に上水を確保することが求められるので、
このような、「貯金」ならぬ「貯水」によって、
水資源の確保を狙う手法のようです。
ただ、記事でも触れられていましたが、
河川水を地下水に注入することによる地下水質劣化の可能性、
また地質や傾斜によっては、地下水が貯まるどころか、
どんどん下流域に流れ出ていってしまうケースも
容易に想定されます。
とはいえ、近年話題の気候変動によって、
降水量の毎年の振れ幅が大きくなってきているのも事実で、
そんな中で、地下水としてより確実に水資源を確保できる
Water Bankingの手法は、今後さらに注目を浴びる可能性大です。
Water Bankingによる、
地下水位や水収支の変化を予測することは、
ある程度地質や地下水位のデータを取ったら、
不可能ではないと思うので、
モデル屋さんの出番がWater Bankingの分野でも、
近い将来出てくるかもしれません。
関連サイト:
アリゾナ州のWater Bankingシステム