竹内時計店 鳳本通商店街

時計・宝石・貴金属

バンドのお手入れ3

2005-08-28 10:26:53 | Weblog

ポリウレタン製バンドは、通常2~3年の使用で、

材質が硬化してきたり、色が褪せてきたりする場合があります。

特に、長時間、濡れたままの状態や、湿気の多い場所に放置したり、

長時間直射日光にさらされると、バンドの劣化が比較的短期間に進み、

切れやひび割れを生ずることがあります。

マリンスポーツやアウトドアで使用されることの多いポリウレタンバンド

ですが、保管状態や劣化の程度に注意して使用してください。

●バンドに弾力性がなくなってきたり、ひび割れが生じてきたときは、

早めのお取り替えをお勧めします。

●半透明や、白色、淡色のポリウレタンバンドは、光による色褪せのほか、

汚れや、他のものからの色の吸着による変色が生じることがあります。

また、ポリウレタンは微細な多孔質を持つ特性上、汚れや色の吸着など

による変色は、バンドに染み込み洗浄しても落ちにくくなります。

著しく色褪せ、変色が進行した場合は、

新しいバンドにお取り替えください。

●油性の汚れ、化粧品など、汚れの種類によっては

落ちないものがあります。

また、煙草の煙や長期間の使用で、黄ばみを生じることがあります。


バンドのお手入れ2

2005-07-31 13:27:27 | Weblog

ステンレス製のバンドでも、バンドの隙間にたまった

汗や汚れによってさびてくる事があります。

汗をかいたときに、汚れやさびがしみ出して衣類の袖口を

黄色く汚す事にもなるので、時計はいつも清潔に

保っておくことが大切です。

特に高級品に使われている無垢ブロックバンドは、

バンドの駒の隙間が詰んだ、緻密な構造となっているため、

汗や汚れがたまりやすくなっています。

このような金属バンドの場合は、汗を多くかく時などは

定期的なお手入れが必要です。

金属バンドの汚れが目立つ時は、中性洗剤を水で薄めた液で洗います。

汚れがひどいときは、柔らかい歯ブラシを使ってバンドの隙間の汚れを

きれいに洗い落としてください。

防水タイプでない時計のバンドを洗う場合は、台所用透明ラップでくる

むなどして、時計本体に水がかからないよう行ってください。

洗った後は、バンドの駒の隙間に水分が残らないように乾いた布で拭

き取り、よく乾かしてください。


バンドのお手入れ1

2005-07-17 00:26:53 | Weblog

腕時計の皮革バンドは汗や汚れなどの影響を受けやすく、

痛んで切れてしまったり色が変色したりします。

普段の使用環境やバンドの痛み具合に配慮して、お手入れすることが必要です。

 汗をかいたり水がかかったりした場合は、すぐに吸湿性の良い乾いた布などで

水分を吸い取るようにかるく拭いてください。

時計を腕から外した時は、風通しの良い所に置くようにしてください。

汗を多く掻くような時は、少し緩めに腕に付けるよう心掛けてください。

長時間、太陽光などの強い光に晒しておくと、変色や変形、切れを生じる事があります。

車のダッシュボードの上などへの放置は禁物です。


オーバーホールについて12

2005-06-29 14:18:01 | Weblog
緩急針で進み遅れを調整するのですが、
まずは、歩度測定器と言ってカチカチなる音で
時計の進み遅れを測定する機械で歩度をみながら
緩急針を調節します。測定器はあくまで目安です。

機械式腕時計は姿勢や温度などいろいろな要因
よって進み遅れが変わって来ます。
だいたい調節できたら文字盤と針を付けて
ホコリが入らないようにしてケースに戻します。

あとは実際に24時間単位で進み遅れの様子を見て
なるべく少し進みぎみになるように調整します。

オーバーホールについて11

2005-06-23 12:21:45 | Weblog
組立は、分解とは逆の順にしていきます。

そして組みあがったら進み遅れの調整をします。
この時計ではヒゲゼンマイの有効長を長くすれば遅れになり、
有効長を短くすれば進みになります。

この時計の振動数は毎時28800振動で、テンプが1秒に8振りすると
正確に時を表示するように設計されています。

写真の緩急針をスライドさせる事で、ヒゲゼンマイの有効長を
調節することが出来ます。ひげ持ちの方によせると遅れになり、
ひげ持ちから遠ざけると進みになります。

オーバーホールについて10

2005-06-19 10:09:22 | Weblog
洗浄が終わったら乾かして、エピラム処理をします。
エピラム液に部品を浸して乾燥させると、水や油を
はじくので油の拡散を防ぐことができます。

洗浄してエピラム処理をしたら、ホコリが付かないように
注意して、なるべく早めに組立てます。
なので組立中は写真で撮影していません(^_^;)

注油はETA社のガイドの通りに組立てながらしていきますが、
油を付けるとホコリが付きやすくなるので、
後で注油できる部分はなるべく後に注油します。

オーバーホールについて9

2005-06-15 13:07:20 | Weblog

アンクルを外すとゼンマイを巻けば輪列は勢い良く回転します。

このように輪列の回転ぐあいを調べる事をざらまわし試験と言います。

次にゼンマイ巻き機構を分解します。

写真はゼンマイ巻き機構の一部の香箱受けです。

香箱受けを外したらゼンマイの入っている香箱と

2番車が外れます。

香箱を外したら香箱あがきを確認します。

後は輪列受けを外して、裏押さえを外すと

全ての部品がハズレます。

全て分解したら揮発油で洗浄します。


オーバーホールについて8

2005-06-10 14:20:35 | Weblog
次に、脱進機のアンクルを外します。

写真のルビーが2つ付いた部品がアンクルです。
アンクルの奥に見える変わった形の歯を持つ
部品は、ガンギ車と言います。

ゼンマイから各歯車を伝わってきた回転運動は、
アンクルから往復運動に変わります。
アンクルのつめ石(ルビー)とガンギ車のかみ合い
が適正でないと時計は止まってしまうので、
この部分も適量かどうか確認します。

確認できたらゼンマイを緩めてアンクルを外します。

時の記念日

2005-06-10 13:25:01 | Weblog
6月10日は、時の記念日です。

日本書紀の天智天皇の十年の条に
「夏四月、丁卯朔。辛卯、漏尅を新臺に置きて、
始めて候時を打ち、鐘鼓を動す。始めて漏尅を用ふ。」
という記述があります。

天智天皇が漏刻(水時計)を作り、682年4月25日に新台に置いて、
鐘を打って時を知らせ始めた。というような意味で、
現代暦に換算すると6月10日になります。

これが日本の時計の起源と考えられまして、
大正9年に6月10日を時の記念日と制定されました。

滋賀県大津市にある天智天皇をお祀りしている近江神宮では、
毎年6月10日に漏刻祭が斎行されています。
写真は近江神宮にある漏刻で、OMEGAより日本・スイスの修交
100周年を記念して送られたものです。
ほかにも日時計や線香時計などもあり、時計博物館もあるので、
時計好きの方は一度行ってみてはどうでしょうか。

オーバーホールについて7

2005-06-08 11:13:59 | Weblog
表側は調速機部分から分解していきます。

調速機はテンプと言われる輪とヒゲゼンマイと
言われる渦状に巻かれた細いゼンマイなど
から成っています。

テンプが固有の振動で往復運動をして、
時計の歯車の回転速度を制御します。
この時計の場合ですと1秒間に8振動、
1時間では28800振動します。
テンプの振動はヒゲゼンマイの
長さで調節されます。

テンプを外しましたら、
写真のようにヒゲゼンマイが歪んでいました。
ヒゲゼンマイが途中で接触しているので
振動数が増えてススミになったと思われます。




修正すると↑のようになります。