草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
※2015年10月より竹の会公式HP内にブログ移転

公立中高一貫校の早期指導の必要性

2008年03月04日 09時02分41秒 | 
 去年は, 公立中高一貫校のための問題研究に没頭した。指導にも熱が入ったが, 期待していた1名が不合格ということであった。大半が7月ころの入会で遅かった。が, 期待していた1人は, 小5の夏からの入会であった。ただ受検を決めたのが小6になってからということ, 土日はスポーツに没頭していたということ, 小6の1学期までは7時にはさっさと帰っていたということ, 漢検は受けないと家庭で決めていたことなど, 気になる点はいくつかあった。
 私が, 子どもの合格可能性を探るとき, よく使うのが, 私の目に適った算数の問題(基本的な入試問題の中の良問)が解けるかどうかだ。今年私立をしくじったある子の場合, 未知の基本的な割合がらみの問題とかに対して, 白紙答案を出すことが多かった。これははっきりいって不合格を懸念させるものだ。「この問題が解けなければだめかな」というのがある。逆に「これが解けたのか」という驚きもある。これは合格への期待を膨らませるものだ。
 5年生の終わりころに入会してきた子は2人だけである。受検ということも少なくとも1人は「わからない」という状況での指導であった。ただ, そうはいってもかなり優秀であったことは間違いない。これほど優秀な子が落ちたということは, 何があったのか。2つの可能性を考えた。1つはとにかく「できなかった」ということだ。2つ目の可能性は, 優秀な者が密集したということだ。これだと彼には2つの弱点があった。1つは国語読解などによく見られた判断の偏狭さである。そしてもう1つは, いわゆる中学受験でやる多角的視点からの様々な問題に対する免疫がないということである。この点はやはり私立受験組が圧倒的に有利な点である。試験というものは, 「できないから」落ちるのだ。だからとにかくできなかったのだろう。
 指導期間が短いということは, やはり不利である。多くの小学生が仮に小6から始めるとして, まず分数の四則演算どころではないあまりにも未熟な計算力からのスタートということである。割合のしくみを理解するのに何か月もかかる。割合が理解できない程度の頭では適正問題はまず太刀打ちできない。それどころかまず慶応レベルのある種の入試問題までは解けるようにならなければ無理である。この点に関しては, やはり去年は懸念の残る指導結果ではあったと思っている。今後はこの指標をシヴィアに適用するしかないであろう。「この程度の問題が解けなくてもなんとかなる」などということはないということだ。
 さて, こうして本年は小5からその気で入会してくるという子どもが増えてきた。私としては, 早くから指導に取り組めてうれしいことではある。それに今年はいろいろと試してみたいことがある。最近は九段などの問題をながめていろいろ考える日々だが, 全国の適正問題も大切だが, 都立の特殊な出題傾向に対応したレジュメの量産の必要性を感じ始めている。その意味で今年はより直截的な対応レジュメを進化かつ深化させていくことになろう。
 3月に入って新規入会者が増えてきた。まだ塾の経験のない子ばかりだが, これから舵取りをしてどうにか基本的な思考ができるようにもっていかなければならない。紆余曲折はあろうが, 時間はあるのでじっくり取り組みたい。
 
この記事についてブログを書く
« 合格通知 | トップ |  入試本番直前の諦観 »