たけしのこれでいいのか日本!

これからの日本をどう考える

神風特攻隊

2011-04-08 06:43:00 | Weblog
 さて、前回、原発は100%安全なものではないということを述べました。その結果、今回の事態に直面してしまったわけですが、これを克服できるのかということが問題となります。結論から言うと、もうどうすることもできないというのが私の答えなのです。

なぜかということをお伝えする前に、東京電力、原発を認可した国(経済産業省)およびそれを管轄する原子力安全保安院、原子力安全委員会について述べたいと思います。これらの名前を聞くと何かすごい権威の塊で、えらい人たちの集団ように思うのですが、実のところ、この連中は、原発のことは全くと言ってよいほど何もわかっておりません。
 まず、東京電力ですがこれはあくまで原発という製品のユーザーであり、原発の設計に携わっているわけでもなくマニュアルどおり運転するよう運転員を訓練しているだけです。また、原子力安全保安院、原子力安全委員会は、なるほど原子力工学の大学教授や専門家の技術集団で日本の原発を細部にわたり熟知し、原発の安全性に注文を出し、厳しいチェックを入れて日夜、日本の原発のお目付け役となっている とお考えでしょうが、本当のところ、この人たちも素人の集団にすぎません。ただ、彼らの行っていることは、東京電力が現場から採取した情報を聞いて代弁しているだけなのです。

 では、誰がこの原発の細部を理解し、迫り来る危機の対応ができるのかということですが、これは製造および設計者の東芝とGE(ゼネラルエレクトリック)だけです。ところが今回の福島第一原発は、約40年前に製造されたもので、定期点検時に補機類(ポンプやバルブなどの機器)の改修や更新を繰り返し、なんとか運転できる状態にはなっておりますが、本体は古いままだと考えられます。
 40年前に製造されたもの、即ち40年以上前に設計されたものであるのですが、これの設計思想や長所、弱点を熟知した人たちは、もう定年退職しているか、それに準じるような人たちです。設計図や仕様書などが残っていれば、すべて把握できるじゃないかと言う人もあるかもしれませんが、そんな単純なものではありません。
しかも、補機類を改修、更新してきた現場を熟知しているのは、今、決死の覚悟で寝る間も惜しんで働いておられる下請け作業員の方たちです。

すなわち、今、見たこともない古い図面を見ながら、ああでもないこうでもないと言っている技術者たちは、自分が入社する前に出来上がったやっかいなものに頭を抱えているのです。
東京電力、経済産業省、原子力安全保安院、原子力安全委員会さらにはメーカーである東芝やGEが寄って集っても予期せぬ事態には対処できないのです。

もうどうすることもできない理由として
① 安全停止できなかった原子炉1~3号の3機すべてにおいて、原子炉圧力容器もしくは原子炉格納容器または一次冷却水配管ループに致命的な損傷がある。すなわち、一次冷却水を補充しても漏洩が続いているため、数十~数百万トンにもおよぶ巨大なタンクが必要であるが、こんなものは世界のどこにもない。
② これらは事故発生後、メルトダウン(炉心溶融)を起こして、原子炉内の燃料が溶け、異常に高い放射線を常時発しており、これが冷却水と共に外部に流出している。
このことは、格納容器建屋内部および周辺の作業に著しい障害がある。
③ 3号機は、MOx燃料(プルトニウムを含む)を使用しており、万一、猛毒のプルトニウムが多量に格納容器外に出ていることが確認されれば、付近での作業は全くできなくなる。

 以上を克服して、完全修復できる確率は、限りなくゼロに近いと言わざるを得ません。
しかし、私は、たった1つだけこれを克服できる方法があると考えております。
「何、おまえは、さっき克服は不可能と言ったじゃないか」とおっしゃるかもしれませんが100%不可能ではありません。
これを述べると多数の方々から非難を浴びることになりそうなので、ここに書くかどうかしばらく考えたいと思います。ハーバード大学のサンデル教授の題材となりそうなことなのですが・・・。

では、今日のところは。