Life in Oslo.

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National Day

2011年05月17日 | 生活
今日、5月17日は、ノルウェーの憲法記念日です。1814年5月17日の憲法制定にちなみ、「ナショナルデー」として国を挙げてのお祭り騒ぎです。4月末のイースターが明けると、どの店にも国旗をはじめ、赤青白(ナショナルカラー)のキャンドルやブブゼラのようなラッパ(うるさい)など、愛国心を表現するグッズがずらりと並びます。ナショナルデーは、クリスマスと並んでノルウェー最大のイベントで、前日にスーパーバイザーが「明日はナショナルデーだからね!」と、わざわざ念を押しに来てくれるほど、とても華やかで賑やか、そして何よりも愛国心に満ちたイベントです。(あまりの愛国心に、ノルウェー人ではない僕のスーパーバイザーは「何だか戦争みたいで奇妙」と笑っていました)



この日は街のいたるところに国旗が掲揚され、人々もそれぞれ国旗を持って歩きます。バスやタクシーはもちろん、自家用車や銅像、ショーウィンドウのマネキンにまで国旗が装備されます。



多くのノルウェー人は正装で、特に女性はノルウェーの伝統衣装であるブーナッド(Bunad)をまといます。男性もブーナッドをはじめタキシードやスーツといった正装、軍人や警察官は礼装でした。ブーナッドは赤、白、黒を基調としたものが多いようですが、地方によって色や刺繍のデザインが異なるそうで、青や紫や緑など様々なものがありました。











冠婚葬祭時に着用したり、既婚と未婚でデザインが異なるらしく、日本の着物のような感じでしょうか。外国人にとって着物が珍しく魅力的であるように、鮮やかで品のある刺繍が施されたブーナッドはたいそう美しいものでした。


 この日のメインイベントは、子ども達によるパレードです。目抜き通りであるカールヨハン通り(Karl Johans Gate)から王宮、そして海沿いの市庁舎までを、ブーナッドと国旗をまとった子ども達が朝から午後まで半日ほど練り歩きます。パレードは学校単位らしく、各学校の音楽隊が校旗を掲げて先導し、子ども達や先生が国旗を振りながら続きます。










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沿道は大勢の人でごった返しています。ノルウェー人は非常に身長が高い(180cm以上は当たり前)ので、170cmしかない僕はパレードを見るのにも一苦労です。

 ノルウェーは出生率が高く、子どもがやたらと多いので、パレードも盛大です。また、ノルウェー国旗に加えて国連旗を掲げる学校が多かったことも印象的でした。国を挙げての愛国イベントで国連の旗を掲げるなんて、さすがはノーベル平和賞の国!といったところでしょうか。日本では、自国のイベントで国連旗を掲揚するなんて考えもしませんでしたし、見たこともありません。国際協調を伴ったノルウェーの愛国心は、健全で崇高なものだと感心しました。

 パレードは目抜き通りから王宮へと進みます。


王宮にも多くの人が押し寄せます。余談ですが、ノルウェー王室は日本の皇室と違い、国民との距離が非常に近くオープンです。王宮敷地内の大半は常時開放され、市民の憩いの場になっています。
現王太子(日本の皇太子に相当)はシングルマザーと結婚し、IKEAにも買い物に来るそうです。日本では絶対に考えられませんが、そんな王室を国民は身近に感じ、心から支持しているようです。ちなみに、日本の両陛下が2005年にオスロを訪れた際には、護衛のノルウェー兵士を雨の中で傘も差さずに労う陛下と、妊娠中のノルウェー王女を気遣う美智子様の姿が一面トップで報じられ、ちょっとした日本ブームが沸き起こったそうです。知らなかったけど、ちゃんと外交成果を挙げてるんですね。

 パレードのクライマックスは、王宮のエントランス前広場です。宮殿のバルコニーには国王をはじめとした王族が姿を見せ、国旗を水平に掲げて敬意を表する子ども達に、笑顔で手を振ります。



衛兵や礼服姿の軍関係者も一応いますが。ここでもやはり国王と国民の距離は近く、平和で豊かなノルウェーらしい光景でした。


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