きのうの「ザ!世界仰天ニュース」にとんでもなく不死身の男性が出ていた。
毎度「出前に行く」と言っては浮気を繰り返していた夫。
妻は嫉妬の余り、夫をあの世に送ってやろうと企む。
ところが、何をやっても夫は元気。
階段に罠を仕掛けても「こんなとこに危ないじゃないか」で終わっちゃうし、
車に爆弾を仕掛けても発火装置が作動しないし、
致死量の睡眠薬入りの料理を食べさせてもただ熟睡するだけ。
共謀の男がチャンスとばかりに夫の後頭部を撃っても、それでも夫はまだ元気!
もうそろそろこの辺で、「夫は何かに護られているのね!」
と気づけばよさそうなものなのに、そこは嫉妬の恐ろしさ。妻はついに殺し屋を雇う。
心臓に一発お見舞いしたんだから、今度こそは!
…しかし。
雇ったのは、プロの殺し屋ではなく、ただのお喋りな素人だった。
その男はバーで嬉々として喋り散らしたので、マスターに通報されてしまう。
警察が半信半疑で妻の家を訪ねると、本当に夫が撃たれていた。
というわけで、全員あえなく御用となったわけだが…
夫、心臓まで撃たれたというのになお元気!
実は、妻の殺意たっぷりの料理が夫を救っていた。
大量の睡眠薬により冬眠状態になったことで出血が抑制され、間一髪助かったのだ。
夫が一命を取り留めたことで、誰も殺人犯にはならずに済んだ。
初めの後頭部の銃弾は、幸運にも頭蓋骨で止まっていたため、脳への損傷はなかった。
まさにアンビリバボーな話だ。(あ、それは別の番組か)
しかーし!
それよりもさらに信じ難いのは、この夫が妻を赦し、
今でも仲睦まじく暮らしているということだ!
うぅ…どういう愛なんだ、いったい…。
こんな原稿を書いたら即ゴミ箱行きだろうが、これが現実。
事実はやっぱり小説より奇なり。
それ以上に奇なるものは、人の心なり。
「フィクションは諦めてノンフィクション作家になろうかな」と私。
すると、夫は「え? フィクションでしょ?」
………。
どうやら夫、四十ン年も生きてきて、
今の今まで「フィクション」の意味を取り違えていたらしい。
「よかったねー、外で言う前にわかって」(本人よりも妻の私が恥をかく)
そう言いつつもしっかりと日記に書く私は、やっぱり悪妻なんでしょうか。
(次を読む)
毎度「出前に行く」と言っては浮気を繰り返していた夫。
妻は嫉妬の余り、夫をあの世に送ってやろうと企む。
ところが、何をやっても夫は元気。
階段に罠を仕掛けても「こんなとこに危ないじゃないか」で終わっちゃうし、
車に爆弾を仕掛けても発火装置が作動しないし、
致死量の睡眠薬入りの料理を食べさせてもただ熟睡するだけ。
共謀の男がチャンスとばかりに夫の後頭部を撃っても、それでも夫はまだ元気!
もうそろそろこの辺で、「夫は何かに護られているのね!」
と気づけばよさそうなものなのに、そこは嫉妬の恐ろしさ。妻はついに殺し屋を雇う。
心臓に一発お見舞いしたんだから、今度こそは!
…しかし。
雇ったのは、プロの殺し屋ではなく、ただのお喋りな素人だった。
その男はバーで嬉々として喋り散らしたので、マスターに通報されてしまう。
警察が半信半疑で妻の家を訪ねると、本当に夫が撃たれていた。
というわけで、全員あえなく御用となったわけだが…
夫、心臓まで撃たれたというのになお元気!
実は、妻の殺意たっぷりの料理が夫を救っていた。
大量の睡眠薬により冬眠状態になったことで出血が抑制され、間一髪助かったのだ。
夫が一命を取り留めたことで、誰も殺人犯にはならずに済んだ。
初めの後頭部の銃弾は、幸運にも頭蓋骨で止まっていたため、脳への損傷はなかった。
まさにアンビリバボーな話だ。(あ、それは別の番組か)
しかーし!
それよりもさらに信じ難いのは、この夫が妻を赦し、
今でも仲睦まじく暮らしているということだ!
うぅ…どういう愛なんだ、いったい…。
こんな原稿を書いたら即ゴミ箱行きだろうが、これが現実。
事実はやっぱり小説より奇なり。
それ以上に奇なるものは、人の心なり。
「フィクションは諦めてノンフィクション作家になろうかな」と私。
すると、夫は「え? フィクションでしょ?」
………。
どうやら夫、四十ン年も生きてきて、
今の今まで「フィクション」の意味を取り違えていたらしい。
「よかったねー、外で言う前にわかって」(本人よりも妻の私が恥をかく)
そう言いつつもしっかりと日記に書く私は、やっぱり悪妻なんでしょうか。
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