燈子の部屋

さまざまなことをシリアスかつコミカルかつエッセイ風に(?)綴る独り言的日記サイトです

苗字へのこだわり

2005-05-30 12:03:10 | 家族
夫婦別姓選択制について考えていると、最後にはどうしてもこう思ってしまう――

なぜそんなにこだわるのかな?
法改正されるまでは結婚しない人もいるなんて、人生がもったいないな~
互いにとても好きで、結婚したいと思っているなら、
そこまで苗字にこだわらなくてもいいのに……。
だって……明日何が起こるかわからないもの。
今を大切にするほうがいいと思うんだけどな~

――などと。

別姓が選択できるほうがいいと思っているものの、その一方では、
結婚をずっと先延ばしにするほどこだわる気持ちが今一つわからないでいた。
でも、ようやくわかってきたような気がする。
それはちょうど、探していた物が最初から目の前にあったようなもので。

つまり私は、自分の旧姓が嫌いだったのだ。

そのことに気づいた時、思わず一人笑いしそうになった。
私も苗字にこだわっていたのだ。
それは、「父の一族が嫌いだから」ということに尽きる。
でも、嫌いでいるというのも実は嫌い。なるべくならそんな感情は持ちたくない。
それなのに、母の話や自分の見聞きしたことは、彼らを嫌いになることばかり。
血縁だから余計に嫌うところもあるとは思う。
これが他人なら、ただ無関心になるだけで、そこまで嫌いにはならないかも……。
血縁はそうはいかないから、嫌いなままの状態が続いてしまう。

改姓することになんのためらいもなかったのは、夫の苗字になりたかったからなのか、
それとも、自分の苗字を捨てたかったからなのか? はて?
確かに言えるのは、相手も同姓だったらどうするか、悩まずに済んだということ。
今の私は、以前ほどには旧姓を嫌いではなくなった。
ようやく無関心の域に到達しようとしているのかもしれない……

なーんて実際は、そういう気持ちのままでいると、何かと不都合だからだ。
母に代わって役所の手続きをしたり、母の迎えに病院に行ったりすると、
大抵は私まで母の苗字、つまり、旧姓で呼ばれてしまう。
蔑称で呼ばれたわけでもないのにいやな思いをするなんて、
何か間違っているような気がするし、損をしているような気さえするのだ。
そう気づくと、苗字は所詮記号の一つにすぎないのだ、と思えるようになってきた。
これは、見て見ぬふりとは違う。たぶん、適応したのだと思う。

自分の苗字を「捨てたい」と「護りたい」とでは、まったく正反対だけれど、
望まぬ苗字で呼ばれる苦痛はどちらも同じような気がする。
収拾がつかなくなりそうだから、捨てることができないのは仕方がないと思うけれど、
護るほうは認められてもいいのではないかと思う。


(次を読む)


8 コメント

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私も (ジョルジュ)
2005-05-31 10:40:15
旧姓はキライ。響きが。別な嫌な意味にも取れる音が。

今は、平気。旧姓と 離れて暮らしてるからだと思う。

苗字でいじめる人も居ないし。(笑われるかも、とは思うけど。)

今の亭主の苗字は気に入っている。

私のファースト・ネームに合ってると思うし。

こんな私、お気に入りの苗字の人と結婚できて、ラッキーだと思う。

別れても、元の姓には もどらないぞ~!



メールをいただいて お返事してなくて すみません。

あ~んなふうに goo のメールが使えるんだ、なんて、

知らなかったのです!

う~ん。ぶろぐは 思ったより 奥が深い?



今でも時々 文字無しになるんで、私が気長に待てばいいだけなのかもしれません。

でも「ページが表示されました」と出て、

ブログタイトルと カレンダーとかだけじゃ、

あせりますよね。

ブログタイトルをクリックすると 記事が出てくることも 他所ではあるので、こちらでも クリックしてみるのですが、

そんな時は 「べーじが・・・」で、文字無しなんです。

ここは やはり、今度 文字が出ない時には

気長に待ってみる事にします。

同じ北関東、そんなに遠くはないんですけどねえ。

ご心配をおかけしました。
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私も! (燈子 → ジョルジュさん)
2005-05-31 19:04:32
>別れても、元の姓には もどらないぞ~!

あはは^^ 私もきっと戻らな~い!



>メールをいただいて お返事してなくて すみません。

いえいえ^^ 大丈夫ですよ~



文字なしの件ですが、

gooブログのスタッフさんからまだお返事がないです。

もう十日になるんですけど……やっぱり忙しいんでしょうね。

システムメンテナンスが間近ということもあるし。。。



ただ、この間、私も文字なしを経験したんですよ!

一度だけでしたが、その時はちょっと混んでる感じで。。。

案外、今度のメンテでみんなスッキリするかもしれませんね!

ちょっと期待していようかな~



>気長に待ってみる事にします。

ありがとうございます^^

これからもよろしくお願いします

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事実婚でも結婚は進行中 (夫婦別姓を待つ身)
2005-06-01 10:50:21
はじめまして。

私は一度は入籍しつつも離婚届を出して事実婚に移行してしまいました。苗字にこだわるというよりは、事務手続きの整合性にこだわっています。私のバカがつくほど律義な性格のせいでしょうか。



いろいろと考えた結果、婚姻届が結婚生活が支えているとは限らないと思います。公文書の続柄はあくまでも行政との接点のみで、実態は二人の男女としての人間関係だと思います。私は婚姻届を出してしまうと書類上で不都合が生じ、かといって手当などのメリットもない。それなら事実婚でいいと思いました。



ただし住民票には「妻(未届)」としています。フィアンセみたいなものですね。これで携帯の家族割引ができますのでけっこう実用的です。
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さまざまな理由がありますね (燈子 → 夫婦別姓を待つ身さん)
2005-06-01 18:04:51
ようこそ、はじめまして。



事実婚を選ばれた経緯を伺い、お二人が堅い絆で結ばれていらっしゃるという印象を強く受けました。おそらくご親族の方々の猛反対があったのではないかと思うのですが。



私も婚姻届が結婚生活を支えているとは思いません。現在は、事実上の関係を正当に評価することになっているはずですから、婚姻届が絶対に必要という時代ではなくなってきていると思っています。

ただ、夫婦の間柄がこじれてしまった時、婚姻していることで離婚を思いとどまり、お互いに見直した結果、夫婦の愛情を取り戻すことができたならば、その婚姻届には意味があったといえると思います。あるいは、紆余曲折を経ての結婚であった場合、婚姻届には格別の思いがこめられるに違いないとも思います。

でも、根底にあるのは、夫婦別姓を待つ身さんもおっしゃるように、結局は二人の間の人間関係なんですよね。(話は逸れますが、同性婚では特に「婚姻届とは何か?」と思います)



書類について、私は(おそらく!)一生に一度のことだからと面倒に思いつつも変更しましたが、社会的地位がある場合や、学術論文を発表するなどという場合、改姓という仕組みは不都合極まりないだろうと思います。単に面倒というだけでは済まされませんよね。



住民票の表記には、夫婦別姓を待つ身さんの強い思いを感じます。

こうした問題には、擁護派も反対派も感情論にだけはならないでほしいと思います。

後ほどあらためてブログを拝見させていただきますね。



コメントをどうもありがとうございました。

これからもよろしくお願いいたします。

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儀式としての婚姻届 (夫婦別姓を待つ身)
2005-06-02 12:25:26
燈子さん、コメントをありがとうございました。



強い絆というよりは、実益重視で慣習にはドライに割り切れる二人だからこそかもしれませんね。



親族に対しては特に公表していません。妻が妻(未届)になったとはいっても、実質的に妻であることには変わりないのですから。中途半端に告白すれば動揺や波紋を広げることにもなります。必要がなければ黙っているのもひとつの配慮だと思います。離婚届は書類上の婚姻関係を仕切り直しただけで、破たんしたわけではありませんのでね。



それからおっしゃるように、婚姻届があるからこそ気持ちが整理できたとか、結婚したと実感が持てたとか、いざというときに踏みとどまることができるという効果もあると思います。でもだからといって、現行制度を選択肢の少ない不自由なままに固持するのはどうだろうかと疑問を感じているところです。



そうそう。私もバッハは大好きです。

どうぞこれからもよろしくお願いいたします。
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別姓で何がそんなに問題なのかよくわからない (ともこ)
2005-06-02 17:22:54
夫婦別姓について初めて考えたのは約20年前,オーストラリアのユースホステルで異国人とおしゃべりをしていた時でした。結婚後の女性の姓は中国では変わらず,スウェーデンでは自分のか相手のか選択自由であると聞いて,男性の姓に変わるのが大多数と思っていた私はびっくりしました。国によって違うもんだなあと。で,私は自分の苗字は濁点を含んでいるところがスマートじゃないように思えてあまり好きじゃなかったので,結婚する人の苗字と比べて合う方にできるっていうのはいいなあと思ったのでした。

結婚して夫の姓になりましたが,十分な話し合いをせずに夫の姓を選択してしまったことを今はちょっと後悔しています。様々な改姓の手続き,燈子さんは面倒くさいと思いませんでしたか?私は忙しい日常の合間をぬってなんで私だけあちこち改姓手続きに飛ばなくちゃいけないんだと腹が立ってきました。お役所とか銀行とか,普通に勤めていたらいけない時間にしか開いてないじゃないですか。そういう煩わしさを感じていることを男性はおそらく気づいていない。

会社では通称を使うことがようやく数年前から許可されるようになったので,旧姓を使っています(産休前までは使っていました。現在育休中ですが)。私の周りではそういう人(仕事上旧姓を使う)が増えています。改姓によるデメリットの方が大きいからでしょうね。

プライベートでも改姓しなくてもよいとなったら,便利かも。家族で姓が違うと一体感が減少しちゃいますかね?私は元の姓に戻したいかなあ。その方が私らしくいられるような気がするからです。今ひとつ自分の気持ちもわからないんですが,改姓によりアイデンティティの喪失を感じちゃってるのかも。

なんだかわけわかんないコメントですみません。
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結婚式も様変わりしているのに (燈子 → 夫婦別姓を待つ身さん)
2005-06-03 17:31:56
>必要がなければ黙っているのもひとつの配慮

その通りだと思います。言うべき時に言えばいいことですものね。

話したいのに話せなくて辛いという時があるかもしれないけれど、自分のなかに収めておけるうちは収めたい。いずれは気兼ねなく話せる時が来る。。。

早くそうなればいいなあ~



>現行制度を選択肢の少ない不自由なままに固持するのはどうだろうか

夫婦別姓が問題になることへの疑問は、その一言に尽きる、という気がします。

何を護りたいのか、本質的なところで論点がずれているのかもしれませんね。



>そうそう。私もバッハは大好きです。

夫婦別姓を待つ身さんもバッハのファンですか~♪

私はまだ聴き始めたばかりですが、分厚い本を開いた時のようなワクワク気分を味わっています^^



こちらこそよろしくです。

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私もそう思う。。。なぜ反対なのかな? (燈子 → ともこさん)
2005-06-03 19:36:28
>改姓によりアイデンティティの喪失を感じちゃってるのかも。



別姓を望む理由の一番目に挙げられそうな気がしますね(違うかな?)

ともこさんにとっては旧姓がご自身の一部になっているということなのでしょうね。

それは幸せなことだと思います。あ、こう書いたからといって「私は不幸だ」と言っているわけではありませんし(笑)、改姓を望む人についてもそうです。



別姓に対して寛容であるということは、生家に対する誇りを尊ぶということでもありますよね。

外国の場合、例えば、移民が珍しくないために別姓がなじみやすい、ということは言えるのでしょうか?

また、由緒正しい家柄を護りたいという気持ちから別姓が生じたとか。。。?

日本には昔から「お家大事」という精神があるけれど、「別姓にする」という概念は生まれなかったのか。。。?



うーん。。。難しい。。。



外国の別姓は、家に縛られているように見えて、反面、個人主義の現れのようでもあって、私にはまだ背景や理念などがよくわかりません。(こりゃ猛勉強しないとダメだなー)



>様々な改姓の手続き,燈子さんは面倒くさいと思いませんでしたか?



それはもう! もちろん七面倒くさい!(笑)

当時は仕事が鬼のように忙しく、新婚旅行も後回しにしたくらいですから。



ただ、私は「じみ婚」なんですよ。入籍だけして結婚式も披露宴もせず、本当に内輪だけの食事会で済ませたので、改姓手続きくらいの面倒は被らないといけないなー、なんて(笑)

夫婦別姓を待つ身さんへのコメントとダブりますが、私は、いくら煩わしいといっても、一生に一度くらいの面倒だったらまぁいいかなー、と考えたんですね。

もちろん、なければないに越したことはないです。根が面倒くさがり屋なので(笑)



別姓にして家族の一体感が減るとは思いません^^

他人から見れば別々の苗字ですけど、家族の間では苗字を口にすることはあまりないと思うので、別姓を殊更意識するとも思えないのです。また、苗字で呼び合ったとしても、それはファーストネームの違いと大差ないような気がするので。。。あれ? それじゃ。。。別姓の意義はどこにあるんだろう。。。?



ともこさん、すみません~!!

私のほうこそわけわかんないコメントになっちゃいました。。。



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