ライブの盛り上がりも消え去らず
街に二人で飲みに出た帰り道
「あの曲よかったよね!!詞も文字で見るとすごくいいんだよ!!どの曲もすごくよかった~。」
お酒の勢いも借りて彼女はライブのとき以上に盛り上がっている
立冬も過ぎ
秋だというには風も冷たくなったこの季節
時間は0時近くなり
ライブの熱気さえも冷めてしまいそうだ
「あぁライブ楽しかったし、お酒も美味しかった!話も色々と聞いてくれて本当にありがとう。JJとは方向違うしそろそろタクシー拾おうか?。」
よほど楽しかったのであろう彼女は
満面の笑みを見せ自分の様子を伺っていた
「JJ大丈夫?私だけ勝手に話してたけど、JJ話すことなかった?私でよかったら少しくらい聞くよ?」
「いや楽しかったよ。お前とは本当に気が合って楽しく飲めるね。けどまぁ、今日はそれでいいじゃん。話したいことは山ほど有るけどまた次の機会でさ。」
なにか物を含めたような言い様に彼女が顔をしかめながら
「話したいことあれば話せばいいじゃん。次にわたしが聞いてあげるかわからないよ?」
と体をぶつけてきながらいかにも聞きたそうな顔でニヤニヤしている
「んー色々と考えてることだし話そうかどうかも迷ってるし、聞いても面白くないよ。言いたいような言いたくないようなねー。」
実際本当の気持ちだった
名残惜しいような
引き止めたいような
話してしまいたいような
けれど話さなければ次また会って話せる
そんな優柔不断な自分らしい言葉だろう
「まぁ聞いて上げるから話ナよ。寒いから手短にね。」
聞く気満々の彼女
けども自分の意見もちゃんと含めて伝えてくる
いかにも彼女らしい
っていうか話さないと帰れないんだなと思いつつ
タバコに火をつけて一服
吐く息は煙なのか吐息なのか真っ白になっていた
一呼吸置いた後に
「俺たちって何で別れたのかナァ?こんなに話も合って、趣向も合って、何でも言い合えるし、楽しいし。最近お前のこと考えてさ。お互いにとって、自分にとって一緒にいたときが幸せだったのかナァって。結婚してたらものすごく楽しい生活だったのかなぁってさ。」
丁度二人が出会って2年目
付き合ったのはこのぐらいの時期だった
半年で別れてしまったが
それから友達以上の付き合いが1年半にもなる
むしろ
別れてからのほうが仲がよかったように思える
別れてお互いに他に付き合う人もできたりはしたが
仲がいいのは変わっていない
いつもお互いに変な関係だよねと笑っていた
そんな時間の経過を
二人とも感じてはいたけれども
口に出さないことが暗黙の了解だったのかもしれない
けれど
思いが不意に口から出てしまった
もしかすると
言えるタイミングをずっと探していたのかもしれない
「なんでいまそんな事を言うの?シラフの時に言えばいいのに・・・・・・。」
気が向けば続きをあとで
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