シリコンバレーで綴る弁理士日記

創英特許事務所の米国オフィスに駐在する弁理士が日常の出来事や発見を書き綴ります。

(171) ところで「ITC」ってナニ?

2007年06月12日 | 知財&技術
米国特許のニュースで、「ITC(国際貿易委員会)」という言葉をときどき見かけます(例えばこちら)。

百聞は一見にしかずと言いますので、ITCの写真を掲載しておきます。これは以前、傍聴に行ったときに写したもので、建物の外観はご覧の通りけっこう立派です。

ただ、CAFC(連邦巡回控訴裁判所)がホワイトハウスの近くにあるのに対して、このITCはワシントンDCの中心から少し外れた地域にあります(雨の日だったので余計に寂しげ・・・)。

ところで、「ITCってナニ?」と思われている方は、よろしければ以下の説明をご覧ください。

June 11, 2007

*************************************************************************
ITC(International Trade Commission)は、米国への輸入に関する不公正行為を調査して、特許侵害品等の輸入を差し止める権限をもった連邦政府機関です。

特許権者は、米国の連邦地裁だけでなく、このITCにも提訴することができます。ですから、アメリカの特許弁護士が作成する特許無効の鑑定書には、無効の判断を下す主体として、裁判所とITCの双方が記述されていることがあります。

ITCの特徴として、決定までの期間が短いこと、陪審裁判ではないことが挙げられます。また、ITCに求めることができる救済は、侵害製品の輸入差止めだけで、損害賠償の請求は認められません。

以上です。

最新の画像もっと見る