はみ出し行政書士日記

破天荒(?)な行政書士が、遭遇する様々な事件に挑戦する日々の実態+α

感覚の麻痺

2005年03月18日 21時01分48秒 | つぶやき
感性の麻痺とでも言うべきものなのだろうか。

まえに、「人間はどんなことであっても慣れることができる。」という話を聞いたことがある。
どんなに辛い環境であっても、どんなに快楽を得られる環境であっても、次第にそれに慣れてしまい、当たり前になっていくというのだ。

この業界でもそれに近いものはよくみられる。
私のように個人のプライバシーに深く入り込まなければ仕事が出来ないような業務を扱っているからともいえるのだが、普通なら、物凄く重い話も普通に聞けてしまう。

「相続の揉め事で今までとても仲が良かった兄弟が絶縁状態になってしまった」とか、「入管に家族が逮捕されて拘留された」とか。

話をする方は、大変な勇気をもって、一大決心の下、私のような人間に打ち明けるのだろうが、この仕事をしていると、徐々にその重みに慣れていってしまい、麻痺してしまう。
しかし、それではいけないということを常に考えておかなければいけない。もし忘れてしまえば、その瞬間から、一大決心をして悩みを打ち明けてくれた依頼主に報いることは出来ない。

今日、昨年から時間をかけて取組んできた案件で、一つの山を越えることができたのだが、その依頼主からも相談を受けた時に言われた言葉がある。
「前に頼んだ鈴木さんだから、お願いしようと思った。他の人に頼んでもいいのかもしれないけれど、他人に知られたくない家庭の事情を何度も説明しなければいけない苦痛を考えると、全てわかってくれている鈴木さんに頼もうと思うようになる。」

物凄く重い言葉なのだが、一山超えてこの言葉を思い出した。
心の奥で大事に温めたい言葉だと思う。

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