はみ出し行政書士日記

破天荒(?)な行政書士が、遭遇する様々な事件に挑戦する日々の実態+α

司法書士と行政書士(その2)

2004年09月02日 13時51分00秒 | 業界裏情報?
ご質問がありましたので、その回答をさせていただきたいと思います。

> 1.司法書士と行政書士に依頼できる仕事内容に違いはあるの?

違う部分と、同じ部分があります。
現状から申し上げれば、会社設立など会社の登記に関る業務は、登記前の書類作成(定款、議事録、調査報告など)は行政書士業務、登記申請書作成と登記代理申請は司法書士の業務となります。
戸籍事務については、殆ど重なっているため、例えば、帰化申請をしたいということであれば、司法書士でも行政書士でも手続に必要な書類を作成することは可能となります。
それ以外の分野では、登記全般、裁判事務、供託などが司法書士の業務で、行政庁への許認可、届出関係、私人間の契約代理などが行政書士の業務です。私が一番多く取扱っている在留資格関係も行政書士業務となります。
列挙していくときりが無いほど多種多様にわたりますので、行政書士業務と言えど、全ての分野に付いて熟知している人は少ないと言えるでしょう。それは弁護士も同じことだといえます。

ただ、現在はこういった専門サービスのワンストップ化(窓口の一元化)が進んでいるため、それぞれの士業でネットワークを組んでいて、頼んだ人本人でなく、別の人の所に仕事が回って処理されていることもありますので、とりあえず周囲にいる専門士業者に相談してみるというのが大事だと思います。


> 2.同じ仕事を頼んで結果は異なることはあるの?

同じ業務を頼むのであれば、ほぼ同じ結果が出てくるのが普通ですが、人によってその業務について熟知していない場合や、業務に対する姿勢が異なる人などが沢山いますので、必ずしも同じ結果になるとは言い切れないところもあります。
特に許認可については、経験の有無によってコンサルティング出来る度合いが異なり、結果を左右することが多々あります。仕事を頼む時は、過去どういう事例を扱ってきたかを良く聞くことや、その人の仕事に対する姿勢をよく理解してから頼むのがよいと思います。


> 3.同じ仕事を頼んで料金に一般的な差はあるの?(公定標準価格は存在しないとは知っているものの)

司法書士の場合は、未だに各都道府県の司法書士会が定める報酬規定が存在するため、大きな差は出ませんが、行政書士は完全に自由化されているため、かなりの差があります。東京都行政書士会が報酬額の集計を取っていますが、同じ業務を依頼しても3倍~5倍程度の差が出ているようです。
これは、その業務個々についてみて見なければなんともいえませんが、表向き同じ手続でも必要とされる業務の内容や難易度に違いがある場合や、経験の度合いにもよると思います。
一見、高そうな料金に見えても、確実に仕事をこなしてニーズを満たしてくれれば、案外安上がりになることがあります。
逆に、極端に安い代わりに仕事も雑で、必要なライセンスが取得できない場合など、やり直しになってしまいますから、却って無駄が増えて(金銭的な無駄以外に時間や労力にも無駄が出ます)結果として損が出ることは考えられます。
金額だけを基準にするのではなく、詳しく話をして納得できた段階で仕事を頼むのが大事なのではないでしょうか。

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1 コメント

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納得! (hiro)
2004-09-03 01:12:58
早速説明してくれてありがとう。

なるほど納得です。特に2番の「コンサルティング」的要素はマンガ「カバチタレ」のイメージが浮かんできます。。。(週刊モーニング連載)

3番もまさに納得。専門技能を買うときは目的と予算をきっちり見据えるべきで、ディスカウントすることが目的化すると失敗する、そういう気持ちが大事ですよね。

いやいや、凄く良く分かりました。
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