硫化水素による自殺という痛ましい事件が続く
事件そのものは論評しない
「怖いねえ。あれでしょ。『混ぜるな危険』っていう奴」
という知人が居たのでその誤解を訂正しておく
酸性洗剤と塩素系漂白剤で発生する有毒ガスは
塩素ガスだ
上の写真の左側の分子は次亜塩素酸HClO
次亜塩素酸ナトリウムの様な形で漂白剤に含まれている
右側の分子は塩化水素HCl
塩酸だトイレ用洗剤などに含まれる
これらを混ぜることによって
化学反応の結果、上の緑色の分子「塩素」Cl2が発生する
刺激性の気体で呼吸器系を爛れさせたりする有毒ガスだ
危険な気体ではあるが
このところ話題になっているのは
硫化水素だ
H2S黄色は硫黄原子だ
毒性は塩素の比ではない
一酸化炭素より強く青酸ガスに匹敵するといわれる
こちらも酸性洗剤(塩酸)が関わっているのだが
もう一方の主役は硫化カルシウムなどの硫化物
温泉入浴剤などに含まれる
塩酸が硫化物と反応して
硫化水素と塩化カルシウムになる
この方法が安楽できれいに死ねるという噂が
ネットで広まってこんなに流行っているらしい
ネット社会の暗部である
硫化水素は一酸化炭素に似て
赤血球にくっついて離れなくなるので
呼吸ができなくなって死ぬことになる
顔色は黒くなるだろうし
きれいで安楽な死に方などではないと断言しておこう
周りを巻き込むなど言語道断であるよ