日々の戯れ

鈴柩の頼りない脳細胞に代わる記憶

混ぜるな危険(分子模型)

2008-04-27 | 分子模型図鑑

硫化水素による自殺という痛ましい事件が続く

事件そのものは論評しない

「怖いねえ。あれでしょ。『混ぜるな危険』っていう奴」

という知人が居たのでその誤解を訂正しておく

酸性洗剤と塩素系漂白剤で発生する有毒ガスは

塩素ガス

Dsc06813

上の写真の左側の分子は次亜塩素酸HClO

次亜塩素酸ナトリウムの様な形で漂白剤に含まれている

右側の分子は塩化水素HCl

塩酸だトイレ用洗剤などに含まれる

これらを混ぜることによって

Dsc06818

化学反応の結果、上の緑色の分子「塩素」Cl2が発生する

刺激性の気体で呼吸器系を爛れさせたりする有毒ガスだ

危険な気体ではあるが

このところ話題になっているのは

硫化水素

Dsc06822

H2S黄色は硫黄原子だ

毒性は塩素の比ではない

一酸化炭素より強く青酸ガスに匹敵するといわれる

Photo

こちらも酸性洗剤(塩酸)が関わっているのだが

もう一方の主役は硫化カルシウムなどの硫化物

温泉入浴剤などに含まれる

Photo_3

塩酸が硫化物と反応して

Photo_4

硫化水素と塩化カルシウムになる

 

この方法が安楽できれいに死ねるという噂が

ネットで広まってこんなに流行っているらしい

ネット社会の暗部である

硫化水素は一酸化炭素に似て

赤血球にくっついて離れなくなるので

呼吸ができなくなって死ぬことになる

顔色は黒くなるだろうし

きれいで安楽な死に方などではないと断言しておこう

周りを巻き込むなど言語道断であるよ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする