就活生の2人に1人は定年まではたらく http://news.mynavi.jp/news/2014/01/08/063/
こういう調査が最近は多い。傾向は、多くの大学生が、「企業にできるだけ長くつとめたい」「定年まで勤めたい」「年功序列型の賃金が良い」「競争で賃金がきまるのはよくない」
といった傾向をしめすようだ。
これを、ほとんどのメディアは、「学生の保守化」と捉えているが、その見方は正しくない。
学生は単に打算的なだけだ。
つまり、現在において、どういうことが一番得か、というのを答えているに過ぎない。
雇用が不安定で、勝ち組負け組が明確になり、賃金の上昇が見込めない経済状況のなかで、もっとも美味しいディールは「新卒で終身雇用企業に入り、定年まで賃金が上昇する」という昭和モデルだ。
もう昭和モデルが実現することは非常にすくないとおもうし、失われつつある特権だろう。
だからこそ、就活生は、その「特権」が欲しいとおもう。そんな美味しいディールがあるなら、それにあやかりたい。
就活生のアンケートは、
「失われつつあある特権」
を
「自分も得たい」
という願望であり
「世の中でいちばんおいしいものはなにか?」
ということに対する就活生の答えに過ぎない。
そうかんがえたら、今の時代に、終身雇用が得られて毎年賃金があがる年功序列ではたらくことこそ、打算的なものはないといえる。
就活生はいつも打算的なのである。それだけは一貫している。
就活生が保守的になったということとは意味合いがことなるし、労働市場をどうするのが日本にとって望ましいのかといった政策論ともちがうし、終身雇用の維持が望ましいという労働組合の意見根拠にもなりえない。単に、「保守的な雇用が彼らにとって最も得をすると就活生は考えている」ということである。
なお、それが結果として正しいかはわからない。私が就職活動をした1998年の人気ランキングは、ソニーやNTTだった。NTTといってもドコモのほうではなく、固定電話のほうである。そのころNTTはインターネットなんてとりくんでなかった。当時の学生は、ソニーやNTTがいちばんおいしいと打算的に考えていたということだ。
そして、当時の打算的な考え正しかったかどうかは、15年ほどたったいま、評価できるようになったといえよう。評価はみなさんにおまかせする