エスカレーター

2007-04-18 | Weblog
幼い頃、下りのエスカレーターの最初の一歩が
出せなくて、取り残されてしまったことがある。
タイミングがつかめない。下が見えなくて怖い。
最後の一人になりたくないとか、
多分、人並み以上に思ってしまう性質。

その一定のリズムが体にしみついてしまった今、
運転停止中の一段目を踏みしめると、
何度歩いてもがくっとなってしまう。
あの縦のラインを見ると、勝手にそうなっちゃう。
こうあるべきとか、ああじゃなきゃとか、がんじがらめ。

もう笑顔の消えた、あの人はあきれかえって、
自分の顔なんか見たくもないんじゃないかと思う。
突然口をきかなくなったりとか。
目も合わせたくもなくなったりとか。
だけど、ただちょっと疲れていただけみたい。

そんな思い込みの激しさは、
時には、必要な人までも遠ざけてしまう。
大事なものまで見逃してしまう。
まっさらな気持ちでいれば、
乗り越えられることって
結構あるのかもしれないのにな。