むさしの墨友会

現代書道の父、比田井天来先生の門流である桑原翆邦先生の門人の吉野大巨先生を師として、書を愛好する仲間の会です。

桑原翆邦先生直筆の板戸を訪ねて(吉野大巨先生の加筆)

2010-12-11 | 書道

 

ひょんな話の発展から、八王子市戸吹(とぶき)の「鮨忠」さんの板戸を見に行くことになりました。

突然の計画ですので、吉野大巨先生、山崎鶴嶺さん、三輪萬鶴の3人です。

夕闇迫る中央道を八王子方面へ。

 

中央道を降りて、20~30分の閑静な場所に、突然壁面いっぱいに金文体で書かれた「昌楽」が出現しました。

「昌楽」とは “さかんにして たのしい” の意味です。

目的地「戸吹 鮨忠」さんです。

車を降りるや否や、吉野大巨先生は外観全体が見える場所に移動し、大きな深呼吸を始めました。

 

「昌楽」(ショウラク) 

鈴木方鶴(スズキ ホウカク)先生書  田代秋鶴先生の弟です。

作品を拡大し、看板壁面用に紺地に文字を白くしてありました。

 

山中に食・書・情在り

山ふところにだかれる戸吹で、

食を楽しみ、書を賞でて、こだわり人間の心を味わう。

まさに山中に食書情け在り。

ゆったりと落ち着いた雰囲気の中で・・・、とお店の案内には記されています。

 

入口を入るやいなや、店主の笑顔が見えました。

また、板場の壁面にも書が描かれています。

「華下一壺酒」(カカイツコのサケ)

鈴木方鶴先生書の傑作です。

この作品も拡大し、壁面に加工してあります。

吉野大巨先生は、微笑みっぱなしです。

  

 

目的の板戸を目の前にした先生は再び、大きなため息をつきました・・・。

目元も薄らと滲んでいるようです。

 

八十六 翆邦 書

平成三年十二月八日書

この作品はちょうど19年前の12月8日に書かれたもので、本日だったのです。

奇遇が成したとは言え、この日に来いと導かれたような気がします。

桑原先生が東宮御所に御進講(皇太子の書の先生の呼び方)に伺った時は平成ではなく、昭和天皇のお孫様でした。

平成になってからは浩宮様が皇太子となられ、翆邦先生は皇太子殿下の書の先生。

浩宮さまが次の天皇になられれると、天皇陛下の書の先生と変わり、長く話の中に留められることに・・・。

 

 

店主・女将さんとの会話で、当時の話や出来事が走馬灯のように甦ってくるのでしょう。

先生のお話は止まることなく続きます・・・。

いやぁ~、いろいろなお話を聞かせていただきました。

鶴嶺さんと萬鶴がお聞きするには勿体ない内容です。

*詳しい内容は、別途ご紹介したいと思います。

 

 

豪華な盛りです。

画像でもおわかりになりますよね。

 

 

酒も進み、美味しいものをいただき、私どもも大満足です。

 

 

板戸の前にして店主と大巨先生、そして女将さんとのショットです。

 

 

あっと言う間に3時間が過ぎました。

先生のメモも後ほど解読しご紹介したいと思います。

お話が沢山有り過ぎて、どれをご紹介して良いのかわかりません。

先生にも加筆していただき、ご紹介したいと思います。

 

メモに書かれていたもの

 近代書道の始まり 

 日下部鳴鶴 → 田代秋鶴 → 鈴木方鶴 → 大倉谷山 (現在は無心会代表)

      ↓

          “現代書道家の父” 比田井天来 → 桑原翆邦 → 吉野大巨

        

「戸吹 鮨忠」での楽しい時間と空間・・・。

吉野大巨先生にとっては、きっとエポックメイキングになったことでしょう。

この日に決まったこと?!

① 桑原翆邦先生が板戸をお書きになった時のメンバーをここにお連れすること。

・渡辺半溟先生・谷川北崖先生・高市乾外先生・小池竹亭先生・大倉谷山先生・吉野大巨先生

(その事務局は墨友会が行う)

② 「むさしの墨友会」のメンバーで見学会を行うこと。

③ このお店「戸吹 鮨忠」さんを宣伝すること。

・・・でした。

 

 

お名残を惜しんで、なかなか車に乗らない先生。

その気持ちは、この画像でおわかりかと思います。

 

今回はとりあえず、桑原翆邦先生直筆の戸板をご紹介させていただきました。

大巨先生・鶴嶺さん加筆をお願いします。

 

(萬鶴)

 

「戸吹 鮨忠」

〒192-0001 東京都八王子市戸吹町195

tel 0426-91-0230

定休日は月曜日


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
萬鶴さんへ (もふもふ)
2010-12-09 10:03:21
すてきですね~(*^_^*)
まだ翠邦先生のことも、よくわかっていないので、とてもお勉強になります。
ありがとうございます(^^♪

もふもふは、車が苦手で。。。
天来のときも~(T_T)
もっぱら、電車と歩きの日々です(^_^;)

DVDありがとうございます。
いつでもかまいませんので。。。
小林先生にも、おふたりのことをお伝えさせていただきました(^^♪

墨華展でお顔会わせができるといいですね。

もふもふは、しばらく忙しくなるので、書道は春までお休みします。
また墨華展に参加できる日がきますように。

小林翠径先生広報担当として、撮影にはまいります。

みなさまのお作品を今から、とても楽しみにいたしております(^。^)y-.。o○

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見たぞ (吉野 大巨)
2010-12-09 12:07:21
昨日は楽しく、懐かしく、そして美味しかったです。

企画①の計画をします。
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不思議なお導きが・・・ (鶴嶺)
2010-12-09 12:58:08
吉野大巨先生 萬鶴さん

昨夜はとっても楽しく有意義なひと時を過ごすことができました。
ありがとうございます。

ひょんな話の展開から、萬鶴さんが日程の調整をしてくださり思い切って決行!
吉野大巨先生もご一緒下さいました。

お店に到着し、店主から「ちょうど今日はこれ
を書いた日だよねえ」と言われはっとしました。そう、19年前の12月8日に桑原翆邦先生がこの板戸を書かれていたのです。
まったく意識なくこの日に行ったなんて・・・
そして、事の始まりは、三峯神社本殿壁の板に書が書かれていたことを先生にお話ししたことだったのです。その時先生は、「確か~」とおっしゃって、この桑原翆邦先生が書かれた板戸のお話をしてくださいました。そしてこの板戸がなんと自宅の近隣にある鮨屋さんにあるとのことで、そしてその鮨屋さんは私が24年前に訪れたことのあるお店だったのです。
三峯神社にはもう15年近く通っていたのですが、壁面の書は今年初めて気が付いた次第で、これらの事の流れを考えると何とも、偶然の連続と言うか、不思議なお導きのようなものを感じます。
きっと桑原翆邦先生が、書により興味を持つようにとお導きくださったのでは?と思いたい鶴嶺でした。

長くなってすみません。
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とうとうご覧になれたのですね。 (佐藤 昌翠)
2010-12-09 21:18:00
萬鶴さんへ

素晴らしい大巨先生へのクリスマスプレゼントになったのではないでしょうか。大巨先生・鶴嶺先生・萬鶴先生の3人の賢者があの戸板に会いにいかれたのですね。そこには父である店主と母である女将さんが待っていらしたのですね。(ごめんなさい すっかり聖書のストーリーでした)
お話も聞き、DVDもお教室で拝見したばかりでいづれ見にに行かれるのではと思ってましたこんなに早くとはびっくり、衝撃が走りました。
発展途上でこんなこと言えないのですがどうしても言いたいのですが、戸板の書体は可愛ゆ~いと感じます。

いつかこの目で見たいものです。美味しいものと一緒に。
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みんなで行きましょー! (東鶴)
2010-12-09 22:02:52
昌翆さん

みんなで行きましょー!
八王子の戸吹へ...。

大型バスを仕立ててワイワイガヤガヤしながら。

吉野大巨先生が①を企画されるそうなので、
渡部半溟先生や谷川北先生と会うことができるかも...。

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戸吹へ・・・ (萬鶴)
2010-12-10 05:41:29
↑で東鶴さんから、みんなで行きましょうー!
大型バスでとありました。

了解しました。
♪ 運転手は君だ~(鶴嶺さんは大型免許あり)。車掌は僕だ~(萬鶴はナビゲ―タ―)。でいかがでしょうか?
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