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千畳敷カール一面を白く彩っているのがチングルマ:稚児車(バラ科チングルマ属)です。
高山帯の日当たりがよく地下水の豊富な岩石地帯に生える高さ10cmくらいの匍匐性矮小低木で草ではありません。
古い牧野植物図鑑は「チングルマは稚児車の転化せしもの、稚児は其花容の小にして可憐なるより云ひ、車は其花弁の輸出して車状を呈するに基づく」といっているそうですが、最近の原色牧野植物大図鑑では、「和名は稚児車のなまったもので、輪状の果実を子供の玩具の稚児車に見立てたもの」としています。
いずれにせよ、黄色実を帯びる白色の五弁花、長い毛が風にそよぐ果実、なかなか落葉せずいつまでも残る光沢ある紅葉(08年19月21日記事)など、どの時期に見ても楽しめるチングルマは、そのかわいい名前とともに、もっともポピュラーな高山植物の一つです。
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そう果の先端に残る花柱は花のあと3㎝ほどにのび、紫褐色の絹毛が開いて羽毛状になり、独特の形になります。千畳敷カールでは、雪解けの早かったところでしょうか、すでに長くのびた羽毛状の果実ができていました。写真のように花柱は最初よじれていますが、次第にほぐれて風に乗って飛んでゆきます。