新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

ノビル:野蒜(古代人の食卓に)

2009-02-06 07:02:56 | 植物観察1日1題

道端の土手にノビル:野蒜(ユリ科ネギ属)が育っています。
あちこちに普通に見られる多年草で、全体に柔らかく、ニラのような強いにおいがあります。
白い鱗茎を生で食べたり、葉を含めて“ぬた”にしたりして食べます。
子どものとき田舎ででよく食べたのを思い出し、何回か摘みましたが、道具がないと肝心の鱗茎がうまく採れず、しなびた袴や葉の先を整理するのにも手間ひまがかかり、どうしても食べようという意欲が薄れてしまいました。
古事記の応仁天皇の「いざ子ども野蒜摘みに蒜摘みに我行く道の…」や、
万葉集の「醤酢(ひしほす)に蒜搗き合(か)てて鯛願ふ
  我にな見せそ水葱(なぎ)の羹(あつもの)」長意吉麿 巻16-3829
(醤に酢を加へ蒜をつき混ぜたたれを作って鯛が欲しいと願っているこの私に
水葱の羹など見せないでくれ)
などがあり、ノビルが古くから食用とされていたことを物語っています。