きょうの俳句

癌と闘う自分への応援詩
--志賀たいじ[花冠同人]の俳句ブログ

きょうの俳句

2009-06-04 09:27:34 | Weblog
リラ冷え------09.06.04-

何事もリラ冷えのせい逢えぬ蝶
遠雷のひと瞬きをリラの香に
ポプラきらきら風響かせて五月逝く
どの子にしよう堂々巡るチュ-リップ
葉がくれの朝に抜け出す牡丹かな
落角に淋しき木霊夏浅し

きょうの俳句 

2009-06-01 17:10:37 | Weblog
夕焼け ------09.05.30-

見送らる背の温もりと夕焼けと
点滴の終了を待てる蝶に逢う
病窓を四角に入りくる初夏の陽よ
下校児の初夏のマスクにある笑顔
いつの間にか袖通しおりリラの冷
海猫の吹かれ流れて暮なずむ

きょうの俳句 

2009-05-28 14:00:23 | Weblog
新じゃが---09.05.28-

神域に巣組む白鷺微動だに
ふつふつと蒲公英の絮湧く風と
新じゃがの口に優しき土の香よ
木漏れ日の裾を広げし鈴蘭よ
灯を消せば紅バラの影崩れくる
鴎鳴いて東より降るリラの雨

きょうの俳句  

2009-05-26 17:10:12 | Weblog
麦の秋-----09.05.26-

連翹のひかりの中に蝶と居り
牛乳で子ら温まるリラの旅
一道を並びて走る麦の秋

きょうの俳句

2009-05-22 12:45:26 | Weblog
牧開--09.05.22-

牧開らく仔牛に勢い宙を蹴る
郭公鳴いて豆蒔く畝が陽にゆらぐ
リラの花時うつろえる気だるさに

きょうの俳句 

2009-05-21 09:02:43 | Weblog
春光----09.05.21-

春光やコップの中より陽が昇り
能はざる写経の筆に風五月
防人の碑の影淡く早みどりに

きょうの俳句

2009-05-18 14:44:16 | Weblog
春霰------09.05.18-

潮さわぐ砂丘に花這う風五月
春霰に打たれし花も手のひらに
風筋は花たんぽぽの野を広ぐ
棘を秘めはまなすの花膨らめり

きょうの俳句  

2009-05-12 08:41:00 | Weblog
芍薬------09.05.12-

地にかえる花影掬う春の灯よ
芍薬の真紅に闇の落ちつかず
葉桜の影へ清爽の夕づく陽


春深む湿原の光りあふれ出す
春暁の航く一灯に添うこころ
ページめくる指もどかしく風五月
一薬の静めしあとのさくら湯に
透明の傘より見上ぐ春の雨
花冷えや「燗は温るめ」と浜唄に

今週の治療が始まった、暫し専念。

きょうの俳句 

2009-05-11 09:11:42 | Weblog
花ぐもり------09.05.11-

ごみ出しの妻立ち話花ぐもり
春眠や看られし朝の目覚ましに
草むしる土の濡れいろ夏がくる

きょうの俳句

2009-05-10 09:50:21 | Weblog
花びら---09.05.10-

灯に透けて雨に貼りつく花びらに
ふたたびの逢う瀬愛しき花いかだ

きょうの俳句

2009-05-09 09:20:36 | Weblog
花筏  ------09.05.09-

木の橋の音あわあわと花筏
痺れ手で花びらを追う空の青
 (回想:阿寒湖畔)
語り部にコタンの夜の花明かり
 
花冷かと思えば真夏の様な日の繰返しに桜も狂い出したのだろうか。いま咲き出したのもあれば、散り始めたのもある。満開の桜も良いが散り始めの花が好きだ。淀みで重なりあった花筏が静かに流れに乗ってゆくのを橋に佇んで送るのが一番いい。せせらぎに沿った市内の小公園なのだが、連休の時間を惜しむかに佇むこともなしに木橋に列の靴音だけが残る。ひょっとすると私には来年の花は咲かないかも知れぬ思いの端が一層愛しさが増して来て離れられなかった。だからこそ頑張るのだと奮い立たせてくる桜なのだと思った。

きょうの俳句 

2009-05-08 08:23:54 | Weblog
花の昼 ------09.05.08-

父子の影夕日に伸びて子供の日
寝返りて花の嵐を聞きにけり
休み明く時鐘曳きひく花の昼
翳す手に朝よりなびく花霞

きょうの俳句

2009-05-07 08:02:32 | Weblog
山ざくら--09.05.07---

おぼろおぼろ枝垂れ桜の真夜の夢
白嶺のふところ深し山ざくら
満々の花早やいち輪の翳りかな

きょうの俳句

2009-05-05 07:36:14 | Weblog
 春あした-----09.05.05-

鍬音のおのれに反える春あした
子供の日子に父の影連なるる
子供の日為すこと多き日となりて

きょうの俳句

2009-05-04 10:38:30 | Weblog
--朝かすみ---09.05.04-

水芭蕉の滴るるほどに朝かすみ
半弦の月頭上にありて朧めく
万作に賑わい残し子ら発ちぬ