のらさんのうだうだ日和

ドラマ・映画の視聴率情報中心

「白夜行」の話11

2006年03月24日 12時51分03秒 | 2006年01月期ドラマ

白夜行最終話(視聴率14.1%、平均視聴率12.28%)を観ました。

この物語の隠れた主役は笹垣だったのかも知れません。
ここまでの全ては笹垣と亮司が戦い、向き合う為に用意されたシナリオなのかも知れません。
そう思わせる程に最後の2人の対決は凄まじかった!

事務所に戻ってきた笹垣にハサミを手に襲い掛かる亮司。
手傷は負わせるものの、青酸カリの影響でその場を立ち去るのがやっと。
典子「私は殺せないって言ったんですけどね。気付いてくれた人がいたら嬉しいはずだからって。」
笹垣「あぁ、そやったんですか。」
青酸カリをトイレに仕掛けて使わなかったのを亮司が臆病風に吹かれたと思っていた笹垣は、この言葉で自分が追い続けている事の意味を理解したように思います。

どうして故郷の大阪に2号店を出すのかと篠塚に聞かれた雪穂。
雪穂「母に恩返ししたいと思って、次のR&Yは礼子のRなんです。」
どこまでが礼子の為かは分かりませんが、雪穂の視線はサボテンでは無く、切り絵の入っている額縁に向いていました。
R&Yに亮司が来る事を祈って。
あの日、ダクトの中の亮司に手を伸ばしたように。
再び、亮司と手を繋ぐ為に。
雪穂「ねえ亮!返したかったの陽のあたる場所に、あの日の花を浮かべてあげたかった。」

園村友彦が笹垣宛てに西布施警察署に自首します。
友彦「まともな世界に戻れって言われて…桐原に。」
笹垣はここでも自分の考えていた亮司と友彦の言葉の違いを認識したように感じました。
友彦「早く捕まえてあげてください。あいつ昼間歩きたいって、あれは本心だったと思うから。」
警察は友彦の自供を受けてカード犯罪による桐原亮司の緊急手配を行います。

典子「あの、秋吉の本名は桐原亮司って言うんですか?」
事務所に現れた典子に笹垣は自分の今まで調べてきた事を話します。
典子「自分の遺伝子なんか残さない方が良いって、こう言うことだったんですね。」
笹垣「そんな事ゆーとったんですか、あいつ。」
典子「口先だけじゃなくて、ホントにそう言う身体になってて、ホントに後悔してんだなって…。」
典子の抱いている赤ん坊は亮司の子供でした。
笹垣「いや、青酸カリは使われませんでした。ビビッてよう使わんかったんです。」
亮司の母・弥生子の遺影の横に飾られた典子と赤ん坊の写真。
笹垣「殺しにでもえーから、こいや!」

篠塚は額縁の中の亮司の作った切り絵に気が付き、笹垣は松浦の遺体を発見します。
篠塚は雪穂に自首を勧めます。
桐原亮司は本当は裁かれたいと願っているのではないかと。
けれど篠塚には雪穂の心を開かせる事は出来なかった。
雪穂「本当は知っていた。すっと昔から。あなたが裁かれたがってた事。勝手な夢を押し付けてあなたをダクトの中に閉じ込めたのは私だ。明日、あなたが来たら言おう。太陽の下、手を繋いで歩こう。死刑台まで歩いて行こう。」

雪穂「失うものなんてなかったから。私の上には太陽なんてなかったんです。いつも夜だったから。暗くもなかったけど。」
真文「ふーん。どして?」
雪穂「太陽に代わるものがあったから。明るくはないけど歩いて行くには十分でした。」
真文「何なのかしらね、それ。」
雪穂「私だけの太陽。」
真文「あなたも…、彼だけの太陽だった?」
雪穂「もう、終わりにしたいと思ってます。」
真文「そっか。今日、来ると良いねぇ。」


笹垣「もうあかんで、もう終わりや!」
亮司に刺され血だらけの笹垣は、亮司の犯した罪一つ一つを亮司に聞かせます。
父親の殺害から始まり、今に至るまでの亮司の全ての罪を笹垣は追ってきた事を。
笹垣「…唐沢礼子殺害!笹垣潤三殺人未遂及び救助!2005年、栗原典子に一子誕生。お前には子供がおる。その子供にちゃんと13階段のぼる後姿見せい!お前、自分と同じ子を作る気か?親、信じられへん子作る気か?間違いだらけやったけど、お前が精一杯やったんは、俺が知ってる!一人の人間幸せにする為にお前は精一杯やった!お前の子に俺がちゃんと言ったる!お前に流れとう血は、ホンマはそう言う血や!俺がちゃんと子供に言ーたる!すまんかった、あの日お前を捕まえてやれんで、ホンマすまんかったのぉ。亮司!来いや!亮司!亮司!」
亮司「お返し!」
笹垣の持つハサミに自ら刺される亮司。
笹垣「何でや!何でお前…昼間歩きたかったんとちゃうんか!」
亮司「あいつは、俺の太陽だから!俺の愛する太陽だから!」
笹垣「亮司!亮司!」

歩道橋から飛び降りる亮司。
笹垣「あほぉ!あほんだら!」

亮司の指差した先は、陽の当たる道だった筈です。
雪穂に人生の全てを捧げ、全ての罪を背負い、その生を終えた亮司。
自分の事を太陽だと言ってくれた亮司の為に、死ぬ事も出来ず、罪にまみれて地獄の中生き続ける雪穂。
結局だれも2人を救う事が出来なかった。
篠塚の言うように雪穂は永久に幸せになる事はないのでしょうか?
2006年11月11日、時効の日。
雪穂の握った子供の手は、幼いあの日の亮司の手のように小さかった。
そこには陽の光が当たっていました。

亮司の子が雪穂を陽の当たる場所へ連れ出してくれる事を祈って。

白夜行 完全版 DVD-BOX REDV-445
白夜行 完全版 DVD-BOX REDV-445

追記:全部見終わり疑問点が。亮司が公園で男から手に入れた硫酸はいったいどうしたんでしょうね。
笹垣のトイレの青酸カリの仕組みを作るのに硫酸も必要だったとかかな?
あと、最後のシーンは雪穂の顔が一切映らなかったのですが、どういった意味なのでしょうね。
最後には泣いてるようでもありますが。ただ単に表情を見せたくなかったのかな。
雪穂では無い可能性もあるよなんて思惑じゃないよなぁ。
もしかして、精神が崩壊しているとか?
亮司の子と雪穂の手が握られた時の太陽バックも、どう取ったら良いのか?
どうとでも取れそうで。
先に書いた亮司の子が雪穂を陽の当たる場所に連れ出すというのがオイラの第一印象だったんですけどね。
時効を迎えて雪穂は約束を守るべく、太陽の下、今は居ない亮司の代わりにその子の手を取ったと言った辺りなのかなとは思いますが。

コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「アンフェア」の話11(改訂) | トップ | 「小早川伸木の恋」の話11 »

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは! (まりりん)
2006-03-24 14:04:16
のらさんさん、先日はほんとにごめんなさい!

お気持ちは十分わかります。安易に回してしまい

ほんと申し訳なく思っています。

これに懲りずにまた仲良くしていただけたら嬉しく

思います。



ところで、

>青酸カリの仕組みを作るのに硫酸も必要だったとかかな

そういうことだと思います。青酸カリは酸がないと

毒性にならないという典子の説明から、調合の意味で

使ったと思います。



最後がほんとにわかりづらかったですよね。

>亮司の子が雪穂を陽の当たる場所に連れ出す

あ~、そういう意味なんですか~。それにしても

雪穂の表情がなかったのがねえ。



でも、やっぱ武田・山田のシーンが最高だったので

見ごたえはありましたよね。

では、また~~~!
返信する
終わった・・・ (まこ)
2006-03-25 13:45:50
けど、雪穂のツラく悲しい人生はまだまだ続いていくのですよね。

最後に雪穂の表情が写らなかったのは、

それぞれの空想にお任せしますという意味合いなんでしょうね~。

私的には屍のような生気の無い表情だったような気がします。傍らに置いた【風と共に去りぬ】の続編らしい【スカーレット】の本は、今後も強く生きていこうとの気持ちかなと思いつつ、時効の日に亮司との約束を果たす事だけを心の支えに頑張ってた為に必要なアイテムだったのかとも思うし…

暗いテイストの終わりではありましたが、その後の雪穂の生き様を何通りにでも想像出来るのってちょっと楽しいかも♪
返信する
コメントありがとう! (のらさん)
2006-03-27 16:54:02
★まりりんさんへ



笹垣と亮司のあの対決があったからこその「白夜行」かなと思います。観ていて熱く、それでいて凍りつくような感じを覚えました。

オイラもまたお伺いしますね。



★まこさんへ



確かにスカーレットの本には、気高くあろうとする雪穂の強い意志が見えますね。雪穂がこの後どうなるのかは、視聴者それぞれの心の中でいくつものストーリーがあるのでしょう!
返信する

コメントを投稿

2006年01月期ドラマ」カテゴリの最新記事