心の扉

日々の事などを記していきます。

タイトルは未定ー序章2-。

2008-01-24 01:47:24 | 二次創作
※昨日の続きです。
 イメージを言葉に変換するのは、難しいです。
 まぁ、気長に書いていきます。









昨日、荷物が届いた。

差出人は……あの人達。
多分、1日遅れの誕生日プレゼントだろう。
会いにもこないのに、こういう事だけはきちんとしてくれる。

それが私を苛立たせる。
いっそ何もしてくれなかったら諦めもつくだろうに・・・。

「結局はお荷物でしかないってことか」
溜め息とともにそんな言葉を吐き、包装紙を破く。

ボロボロになった隙間から、緑色の長い髪らしき絵が覗いた。
「へぇ、めずらしい事もあるものね」
あの人達が選んだプレゼントにしては気が利いている。
いつもは辞書や参考書、去年なんて絶対に私が選びそうにないフリルのついた洋服と、無駄なものばかり選ぶ人たちなのに。
明日あたり嵐がくるかも……。
そんな事を思い苦笑しつつ、箱を眺める。

最近、ネットやテレビで話題となっているらしい商品。
VOCAROID2-初音ミクー。

今の私は、気づかなかった。
ミクとの出会いが私の人生を変える一歩になるという事を。


物語は動き出す。
ささいな偶然が積み重なり、螺旋を描いていく時。
それが必然であるかのように、時計は重なり廻りだした。

タイトルは未定。

2008-01-23 00:09:00 | 二次創作
※初音ミクの二次創作です。
 とりあえず、冒頭の部分のみ。
 絵が描けるといいんだけどなぁ。
 頭の中のイメージ、そのままで伝えられるのに……。
 更新は……そのうちに。 






遠くから声が聞こえる。

「こ……が……じゃないか」
「え……でも」

私を呼ぶのは誰?
なぜ、そんなに淋しそうなの?

断片的にしか聞こえない詞を頼りに、私は意識を集中させる。
まだボンヤリとしたままの瞳に眼鏡をかけた2人の優しそうな人が映った。
彼らは困ったような期待したような表情で私を眺めている。


何をして欲しいの?


伝えられない詞にもどかしさを感じる。
だけどインストールをされていない、今の私は眺められるままで待つしかない。


結局2人組は、私を買った。
綺麗な紙とリボンで包装してもらって、何所かに向かう。
心地良い振動にゆられ、これから何が起きるのか、少し期待しつつ私は眠り続ける。



想いついた物語りー放置する可能性、大ー

2008-01-11 01:12:04 | 物語
今から何年も何千年も後の話。

4XXX年、人々は異形の物に脅え暮らす事になった。
毎日、沢山の人が異形に殺され血の匂いが絶え間ない。
そんな状態にどうしていいか解らない政府は、ある機関を作る。

PSB。

このお話の主人公でもあるライラも、この機関に所属している。





堕とし児ー1話ー 赦されない契約と堕ちた人






スノウタウン。
この町の名の通り、冬になると真っ白な雪に埋め尽くされる町。
この町には、何もない。
大きな森と町の中心にある池、そして大草原のみがこの町の唯一。
観光客も滅多に来ないが、その代わり町には平和というものが満ち溢れていた。

ライラとセイラは、この町に住んでいた。
あの事件が起きるまでは・・・・・・。




親同士が昔ながらの親友という事もあって、ライラとセイラは小さい頃からずっと一緒だった。
セイラは、病気がちな為白い肌で水色の目、栗色で軽く波うった長髪。
小柄で、大抵はフワフワとした服を着ている。
その為か、町内ではお人形さんのような子で評判だった。
一方のライラは、長身で緑色の目、腰までの黒い長髪は風が吹く度になびいた。
彼女は大抵、動きやすいようにシンプルな服装を好んでいる。

性格も2人は対照的。
自由奔放で活発なセイラと違って、ライラはどちらかと言うと内気な子だった。
あまり外にも行きたがらないライラを心配し、セイラはいつも無理やりにライラを外に連れて行く。
その度に困ったような顔をしながらも、ライラはついていった。
2人の行く場所はいつも一緒、大草原だった。
そこで2人は、夕方まで競い合いながら花を摘み編み上げていく。
出来上がった花飾りをそれぞれ交換し合い、手をつないで帰っていく。
それが2人の日課で、変わらないもの。
その頃の2人は、それが永遠に続くものと心の底から信じていた。

そんなある日、村に異形が訪れる。
それは村を焼き、沢山の人を殺めていった。
空も地も紅く染まり、聞こえるのは人々の絶叫。
逃げ惑う人々。
異形に捕まり、祈りや命乞いをしようと口を開く。
しかし、言葉を発する事もできないまま紅い血が噴出する。
ただの肉塊になったものだけが、その場に捨てられた。
ゴミのようになって・・・。
しかし、異形は気にもとめない。
その光景は、まるで地獄絵図のよう。
彼らは、何の思いも抱かない。
ただのゲーム、遊びみたいなものでしかないのだから。

ライラはセイラの手を掴み、必死で逃げていた。
互いの両親は、もう居ない。
ライラとセイラを物陰に押し込み、4人は異形に立ち向かっていった。
しかし、すぐに殺された。
ライラとセイラの耳には、『グギャッ、グチャッ』という音を残して。

逃げ場所なんかない。
2人は走りながらも、薄々とそれに気づいていた。
すぐ後ろからは、沢山の絶叫と血しぶき。
今、殺されるか。
それとも後で殺されるか。
そんな違いでしかない。
だけど2人は、逃げる道を選んだ。
生きたいという願いと2人で居れば大丈夫、そんな思いを抱いて。

大草原で2人は、息の上がった身体を少し落ち着けようと腰をおろした。
少し遠くから、今も絶叫が聞こえていた。
ここも安全な場所ではない。
直ぐにも行かなくてはいけないのに、走り過ぎた体は言う事をきかない。
弱気になったのかセイラは、ぽつりと言った。
「もう、ダメなのかな。このまま殺されちゃうのかな」
涙のにじんだその声にライラは何も言えず、ただ抱きしめた。
少しの間、そうしていると落ち着いたのかセイラは、
「ライラだけ逃げて。私はもう無理」
その言葉を残し、村に向かって走っていく。
「セイラ!!」
ライラは、セイラの後姿を必死で追った。
疲れきった体も痛い足も、この時には全く感じない。
セイラがいなくなるという事だけがライラを動かしていた。

セイラにとって怖かったのは、ライラと離れる事。
だけど、ライラが死ぬのは耐えられなかった。
ライラさえ生き延びてくれれば、そんな想いがセイラを動かした。
異形を目にしても、セイラは恐怖を抱かなかった。
「ライラ、生き残って!!」
それだけを思ったまま、彼女は異形に立ち向かっていった。

村に着き、ライラが見たものは、平和など跡形のない村の姿。
それとセイラとその目の前にいる異形。
セイラは震えもせず、異形を目にして立っていた。
「セイラ」
その言葉をかけようとした瞬間、血しぶきがあがり、セイラの首が落ちた。

「……セ……イ……ラッ……、いやぁーーー」
その瞬間、ライラは絶叫するしかなかった。
その声に気づいた異形が近寄ってきても、ライラは声の限り叫び続ける。
異形が来るという恐怖よりもセイラが居なくなったという悲しみと恐怖のみが彼女を満たしていた。

異形がライラに触れようとした時、「ザシュッ」という音とともに灰のように崩れていく。

「良かった、間に合った」
その言葉にライラは、意識を向けた。
さっきまで目の前にいたのは異形だったはず。
それなのに今は、眼鏡をかけた優しそうな銀髪の青年がライラを見て笑っていた。

その後、ライラは保護される。
ライラを助けたのは、PSBの人間でカイトと名乗った。
ライラはカイトに戦闘全般を教わりながら、暮らす事になった。

ライラの中に残っていたのは、セイラを殺した異形への恨み。
異形を根絶やしにする。
それだけがライラを動かしていた。
カイトとの戦闘訓練中、ライラは自覚する。
力が足りないという自分の無力さを。

その為ライラは、禁断とされている術に手を出した。
もっと、力を得る為に・・・。
その為なら、たとえ何がおきようとも構わない。

満月の夜、ライラは家を出た。
これからやる事に、誰も巻き込みたくはなかった。
それに優しく規律に忠実なカイトは止めるだろう。
「ごめんなさい、ありがとう、さようなら」
それだけを残し、ライラは向かう。

儀式の場所は、決めていた。
セイラと過ごした大草原だった場所。
今は何もないその場所に魔方陣を書き、鶏と猫を脇に置く。
そして自分の腕をナイフで深く切り、血に染込ませる。
「……これで儀式は完了っと」
その言葉を呟いた瞬間、ライラは倒れた。

赤黒く染まった場所。
ライラは、そこで目を覚ました。
『お前が我を呼び出したのか?』
近くに居るはずなのに、黒く包まれ姿が見えない。
「だれっ!!」
警戒心を強めたまま、問いかける。
『フム、強気な娘だ。まぁ、いいだろう』
それなりに満足げな声がかえってくる。
『力が欲しいのなら我が与えてもよかろう』
「下等な者の力なら、いらない」
『……ハハハッ、失礼なやつだな。我を下等というのなら、もう誰も居ないぞ』
ライラは答えない。
『いるのか、いらないのか。どっちにするのだ!!』
それに苛立ったのか強い声が響いた。

少し迷った後、ライラは答える。
「いる」
『フム。反抗的な娘だが……まぁそれもよかろう』
満足げな声とともに、ライラの左腕に鎖が巻かれ、薬指に銀色の指輪がはめられる。
『契約成立だ、我はサタン。お前の国では、この世界での王とされている。普段は下等の者にさせるのだが、お前の魂は我が手にするのがふさわしい』

ライラは鎖と指輪を興味深そうに眺め、引っ張ったりしてみる。
そんなライラを見て満足したのか、楽しそうな声がした
『離れんぞ。我を飽きさせない奴だ、気に入った。……我から贈り物をしてやろう』
そんな言葉がして、ライラは気を失った。

「ライラッ、ライラ」
懐かしい声と強い揺さぶりによってライラは目を覚ました。
さっきと何も変わらない大草原だった場所にライラは倒れていた。
さっきと違うのは、セイラの姿が目の前にあるという事。
「……ツッ……セイラッ」
ライラは、懐かしい人の名を叫び抱きついた。
「ライラ、これからはずっと一緒だから」
セイラは、腕の中で震えるライラを抱きしめ、優しく背中をさすり続けた。

先程の事が夢ではなかった証に、ライラの左腕には鎖が巻かれ薬指には銀色の指輪が月に反射され、光り輝いていた。



第1話 終