ロイヤル・オペラ・ハウスでバレエ鑑賞。今回のチケットは、Meetupの観劇が好きな人の集まるグループから購入。このグループに入っておくと、「こんなん、ありますよー、見に行きませんかー」とお知らせが来るので、その中から好きなのを選んで行ける。自分で並んでチケットを取らなくて良いので、使えるーー。
APOLLO
Choreography: George Balanchine
Music: Igor Stravinsky
Apollo: Carlos Acosta
Terpsichore: marianela Nunez
Calliope: Olivia Cowley
Polyhymnia: Itziar Mendizabal
Choreography: George Balanchine
Music: Igor Stravinsky
Apollo: Carlos Acosta
Terpsichore: marianela Nunez
Calliope: Olivia Cowley
Polyhymnia: Itziar Mendizabal
まず、アポロ。アコスタですよ、アコスタ。彼ほど一つ一つの動きが完璧に決まる人は居ない、まるで動く彫刻のよう、と常々思っていたので、そういう人がギリシャ彫刻のアポロをやるのって、まさにうってつけ。ただ彼も結構トシ取ってきているので、一昔前のような、はちきれるような躍動感というのはもう無い感じ。でも「アポロ」自体が、飛んだり跳ねたりっていう高度な技術てんこもりというタイプの振り付けでは無いので、ちょうど良いかも。踊りの技術を見せるというよりは、動きと動きが繋がって行って、一瞬の美しいタブローをいくつも紡いでいくという感じです。ミューズの女神三人は、動きが揃っていて美しかった。
24 PRELUDES
Choreography: Alexei Ratmansky
Music: Fryderyk Chopin
Leanne Benjamin/Valeri Hristov
Alina Cojocaru/Steven McRae
Sarah Lamb/Edward Wason
Zenaida Yanowsky/Rupert Pennefather
Choreography: Alexei Ratmansky
Music: Fryderyk Chopin
Leanne Benjamin/Valeri Hristov
Alina Cojocaru/Steven McRae
Sarah Lamb/Edward Wason
Zenaida Yanowsky/Rupert Pennefather
ロイヤル・バレエが初めてラトマンスキーに振り付けを依頼した作品。初めてというだけあって、豪華キャストが当てがわれてますねぇ。ショパンの24曲のプレリュード一曲一曲に振り付けられていて、テンポが良くて飽きさせない。まるで一個一個味の違うキャンディの詰まった箱みたいで楽しかった。ショパンのプレリュード、ピアノで聴きなれているために、オーケストラにスコアを直すと、なんっか間延びするなぁー、って感じの曲もありましたが…。まぁ、音楽を聴きに行ったワケでは無いからいいか。何となく、ストーリーがあるような、無いような。観客が勝手に頭の中で自分で物語を作ってください、っていうヒントになるような動きはそこかしこに出てくるけれど、これ、といった、確たるストーリーラインは無し。基本はクラッシックのステップに、ちょっと珍しい動きも織り込まれていて、モダンは苦手、っていう人でもすごくとっつきやすいと思う。しかしプリマが4人集まると…。いつも主役でソロを踊り慣れてる人たちが、4人きっちり動きを揃えるのって、難しいのかしら、と思うくらい、音楽のテンポの取り方がそれぞれで、ずれていたのがちょっと気になった。個人的には、ヤノウスキーの情感のこもった、滑らかな動きと、サラ・ラムのしゃきしゃきした動きが好みでした。男性陣4人は、誰が目立つ、とか言うのがなくって、みんなサポート体制万全で素晴らしかった。男性ダンサーはそーでないとね。
AETERNUM
Choreography: Christopher Wheeldon
Music:Benjamin Britten
Marianerla Nunez/Nehemiah Kish
James Hay
Marianela Nunez/Federico Bonelli
Choreography: Christopher Wheeldon
Music:Benjamin Britten
Marianerla Nunez/Nehemiah Kish
James Hay
Marianela Nunez/Federico Bonelli
こちらはクリストファー・ウィールドンの新作の初演。これを観て思ったのは「私、ブリテンの曲、好きかもよー」…って、そこかい? そう思った割には曲想とか既に思い出せないんですが、振り付けは曲と良くマッチしていて面白かった。まるで空間に人間の身体を使って線描を描いているような感じでした。最初のムーブメントは、メインの二人がまん中で踊っている周りで4組のペアがそれぞれの動きを行っているんですが、この時ほど昆虫の複眼が自分の目に付いていたらいいのに、と思った事はありません。全部の動きを、逐一観たいのに、人間の目ではまん中の主役にしか焦点が当てられないーー。あーー、勿体無いー、フラストレーションっ。ウィールドンの動きは、クラシカルの型には嵌まって無いので、きっとそれをこなすためにそれぞれのダンサーはすごく努力したと思うんです。それが、目の端っこでしか捉えられない、というのがもう、残念で残念で。実は私、こういった新しい系の振り付けって、とっつきにくくてあんまり観に行ったこと無いんですが、随分楽しめました。人間の身体って、こんな風にでも動くんだねー、っていう新鮮な感動があります。
今回は二つの作品が初演だったので、カーテンコールでは振付家が二人ともステージに出てきて挨拶しました。何だか得した気分です。ちなみに下はウィールドンのリハーサル風景。