前回はフィギュアにも装備できる日本刀のミニチュアを紹介しました(参考)が、せっかく抜刀できる日本刀のフィギュアと、刀を持たせるのにちょうどいい和装をしたキャラのフィギュアがあるので、普通に帯刀&抜刀(抜きつけ)をさせてみた。
今回、参考がてらに刀を帯に差した状態から普通に抜いて斬りつけるシーンってないかなあと動画検索などしていたら、白鞘を天神差ししたおっさんがめちゃくちゃな握り方で竹とかスパスパ斬ってて、指落としそうな納刀してるヤバイ動画が出てきたりしてインターネッツってマジ危険だな。
さて、
今回は腕の位置を見やすくするために羽織じゃなくて赤ジャンです。
ここでは、「真・剣鬼」というシリーズの1/6サイズの日本刀フィギュアを使っています。1/6サイズなのでfigmaやリボルテックには大きすぎますが、このように1/6サイズのフィギュアには当然ながらサイズはぴったりです。写真には写っていませんが、この「真・剣鬼」シリーズは脇差もセットになっているのでお勧めです。
まず、打刀(うちがたな)の刃を下に向けてフィギュアに装備させている人は多いですが、打刀を帯刀する場合は刃が上です。
じゃあ五月人形が刃を下に向けて刀を吊るしているのは何なんだって話になりますが、アレは鎧を付けて太刀(たち)を佩いた武者なので、あれはあれで正しいんです。
太刀…江戸時代以前の刀。主に馬上で使う。刃を下に向けて金具で腰に吊るす。太刀を佩く。佩刀。
打刀…江戸期以降の刀。刃を上向きにして帯に差す。帯刀。
おおむねこんな感じ。詳しくはWikipediaとか参照して下さい。
正面から。
柄頭は体の中心線にくるくらいに、鞘はやや体の外に向くように差します。
横から。
女性の和装の場合は帯の位置が高いので、そのまま帯に刀を差すと、刀の位置が高くなりすぎ、また柄が極端に上向きになります。刀を差す場合は男性のように帯の位置を下目に、また腹側が背中側よりも低い位置になるように帯を締めます。帯の結び方も男女で違いがあります。
これでも帯の位置を下にずらしているのですが、まだ刀の位置が高すぎますね。
ちなみに、上の写真は”落とし差し”と言って、柄がほとんど上を向き、鐺(こじり:鞘の先端)が下を向いています。歩く時には刀が落ちないように、左手を帯に添えます。江戸時代の浪人等がしていた差し方で、一般的にはだらしのない差し方とされます。ただし、幕末には尊王攘夷派の志士の間でも流行ったとされ、また近代以降の軍刀の携帯方法もこう呼ぶ場合があります。時代劇では浪人や志士を表現するのに使われる差し方です。一方、役人などは平行に近くなるぐらいに差します。刀の差し方一つでキャラクターを表現できるわけです。
で、いよいよ抜刀。
まず左手で鞘を握り、親指で鍔を押して刀を少し押し出します。これを”鯉口を切る”
と言います。
右手を柄にかけるときは小刀を避けて下から柄を握ります。
某ゐあいの動画の人は最初から刀を横向きにして掴んでいたので居合ではなく殺陣とかをやってる人かなと最初から思ってました~。(佐藤藍子かよ。その前に白鞘の脇差使ってる時点でry)
この時点でもはや手首が苦しい…。
刀を抜きだす時は刃を上に向けてまっすぐに抜いていきます。脇差や短い刀はそのまま抜けばいいのですが、長い刀の場合はある程度抜いたところでそれ以上抜けなくなるポイントが来るので、右足を踏み出して半身になりながら刃を外に向けるように鞘を倒します。それでも抜けなくなる場所が来るので左手で鞘を背中側に引き(鞘引き)、一気に抜きながら横一文字に斬りつけます。ただ抜いて構える場合は、刀が鞘から離れた後に、そのまま弧を描くように正面に下ろしながら左手を添えて構えます。
もう少し手首が動けば…。
刀を扱うときには手首を柔らかく使うことが重要なので、このようにフィギュアで再現するのは非常に苦しい部分があります。
今回は某作品における本編中での刀の扱い方がなかなかアレだったので、ごく普通に帯刀して抜刀するまでを再現してみました。
「あんなジョン・ウー映画とか無双のダッシュチャージ攻撃みたいに滅茶苦茶な高速回転しながら斬りつけても怪僧の右腕くらいスパスパ落としてみじん切りにできるんだから日本刀ってすげー。」
とか言えるかもしれませんが、なんでフィクション作品の中での刀の扱い方はめちゃめちゃなのが多いんでしょうか。
時代小説家でも、長く書いている人ほど、刀の描写が淡白で素っ気なくなっていくのですが、刀についての描写を中途半端に詳しくすると、我こそは一家言ありと自負する刀モヒカンのような方々が押しかけて、「あそこが違う、ここが違う」と親切に教えてくださるのでうぜえ、というのがあるようです。今度出たBD-BOXのイラストについても何か言いたい人たちがいるようですが、たぶん樋の入り方がどーのこーのとか刃文(のプリント)がどーのこーのとか持ち方がどうとかでしょう。
なわけで納刀を撮るのを忘れましたが、機会があればまた今度。
次はマスケットでも持たせてみますか…。
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今回、参考がてらに刀を帯に差した状態から普通に抜いて斬りつけるシーンってないかなあと動画検索などしていたら、白鞘を天神差ししたおっさんがめちゃくちゃな握り方で竹とかスパスパ斬ってて、指落としそうな納刀してるヤバイ動画が出てきたりしてインターネッツってマジ危険だな。
さて、
今回は腕の位置を見やすくするために羽織じゃなくて赤ジャンです。
ここでは、「真・剣鬼」というシリーズの1/6サイズの日本刀フィギュアを使っています。1/6サイズなのでfigmaやリボルテックには大きすぎますが、このように1/6サイズのフィギュアには当然ながらサイズはぴったりです。写真には写っていませんが、この「真・剣鬼」シリーズは脇差もセットになっているのでお勧めです。
まず、打刀(うちがたな)の刃を下に向けてフィギュアに装備させている人は多いですが、打刀を帯刀する場合は刃が上です。
じゃあ五月人形が刃を下に向けて刀を吊るしているのは何なんだって話になりますが、アレは鎧を付けて太刀(たち)を佩いた武者なので、あれはあれで正しいんです。
太刀…江戸時代以前の刀。主に馬上で使う。刃を下に向けて金具で腰に吊るす。太刀を佩く。佩刀。
打刀…江戸期以降の刀。刃を上向きにして帯に差す。帯刀。
おおむねこんな感じ。詳しくはWikipediaとか参照して下さい。
正面から。
柄頭は体の中心線にくるくらいに、鞘はやや体の外に向くように差します。
横から。
女性の和装の場合は帯の位置が高いので、そのまま帯に刀を差すと、刀の位置が高くなりすぎ、また柄が極端に上向きになります。刀を差す場合は男性のように帯の位置を下目に、また腹側が背中側よりも低い位置になるように帯を締めます。帯の結び方も男女で違いがあります。
これでも帯の位置を下にずらしているのですが、まだ刀の位置が高すぎますね。
ちなみに、上の写真は”落とし差し”と言って、柄がほとんど上を向き、鐺(こじり:鞘の先端)が下を向いています。歩く時には刀が落ちないように、左手を帯に添えます。江戸時代の浪人等がしていた差し方で、一般的にはだらしのない差し方とされます。ただし、幕末には尊王攘夷派の志士の間でも流行ったとされ、また近代以降の軍刀の携帯方法もこう呼ぶ場合があります。時代劇では浪人や志士を表現するのに使われる差し方です。一方、役人などは平行に近くなるぐらいに差します。刀の差し方一つでキャラクターを表現できるわけです。
で、いよいよ抜刀。
まず左手で鞘を握り、親指で鍔を押して刀を少し押し出します。これを”鯉口を切る”
と言います。
右手を柄にかけるときは小刀を避けて下から柄を握ります。
某ゐあいの動画の人は最初から刀を横向きにして掴んでいたので居合ではなく殺陣とかをやってる人かなと最初から思ってました~。(佐藤藍子かよ。その前に白鞘の脇差使ってる時点でry)
この時点でもはや手首が苦しい…。
刀を抜きだす時は刃を上に向けてまっすぐに抜いていきます。脇差や短い刀はそのまま抜けばいいのですが、長い刀の場合はある程度抜いたところでそれ以上抜けなくなるポイントが来るので、右足を踏み出して半身になりながら刃を外に向けるように鞘を倒します。それでも抜けなくなる場所が来るので左手で鞘を背中側に引き(鞘引き)、一気に抜きながら横一文字に斬りつけます。ただ抜いて構える場合は、刀が鞘から離れた後に、そのまま弧を描くように正面に下ろしながら左手を添えて構えます。
もう少し手首が動けば…。
刀を扱うときには手首を柔らかく使うことが重要なので、このようにフィギュアで再現するのは非常に苦しい部分があります。
今回は某作品における本編中での刀の扱い方がなかなかアレだったので、ごく普通に帯刀して抜刀するまでを再現してみました。
「あんなジョン・ウー映画とか無双のダッシュチャージ攻撃みたいに滅茶苦茶な高速回転しながら斬りつけても怪僧の右腕くらいスパスパ落としてみじん切りにできるんだから日本刀ってすげー。」
とか言えるかもしれませんが、なんでフィクション作品の中での刀の扱い方はめちゃめちゃなのが多いんでしょうか。
時代小説家でも、長く書いている人ほど、刀の描写が淡白で素っ気なくなっていくのですが、刀についての描写を中途半端に詳しくすると、我こそは一家言ありと自負する刀モヒカンのような方々が押しかけて、「あそこが違う、ここが違う」と親切に教えてくださるのでうぜえ、というのがあるようです。今度出たBD-BOXのイラストについても何か言いたい人たちがいるようですが、たぶん樋の入り方がどーのこーのとか刃文(のプリント)がどーのこーのとか持ち方がどうとかでしょう。
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