大阪市の学童保育が危機に瀕している.
橋下徹大阪市政のもと,学童保育事業(留守家庭児童対策事業)への補助金を2013年度から廃止することを盛り込んだ「市政改革プラン(案)」が4月に発表された.
(学童保育事業については,見直し対象とする主な施策・事業(その11)の3ページ目に掲載)
大阪市の放課後事業は,1)いきいき放課後事業,2)子どもの家事業,3)留守家庭児童対策事業の3本柱であり,そのうち,留守家庭児童対策事業が,いわゆる学童保育に対する補助金に当たる.
見直し案では,平成25年度以降,2)子どもの家事業,3)留守家庭児童対策事業を廃止し,それぞれが公募制の学校開放の放課後事業への参入機会を生かすように,とのことだ.
つまり,今後の学童保育は,地域のニーズに合ったサービスを構想し,学校開放事業の一部として他の団体との競争に参加しろ,ということである.
この見直し案について,学童保育関連団体から反対の署名運動が展開されている.
(上画像は署名用紙である.プリントアウトして使用していただきたい.)
※連絡先:〒542-0012 大阪市中央区谷町7丁目2-2-202 大阪市学童保育連絡協議会
TEL 06-6763-4381 FAX 06-6763-3593
【署名のお願い文】
教員評価の本格導入といい,放課後児童支援(=共働き家庭支援)に対する競争原理の導入といい,教育や福祉の公平性を根底から崩壊させる施策が展開されようとしている.
学校組織や学童クラブの中には,旧態依然とした体質から抜け出せず,非効率な運営が行われているところもあるのは確かだ.
しかし,この問題を解決する方法は,競争原理の導入では決してない.
教育や保育を営む公的組織としてあるべき姿をきちんと見定め,それを実現する道を考えることが先決であり,それより以前に,あるいは,その先に競争原理の導入という意思決定はあり得ない.
わが国の組織論は,企業組織をベースに研究が展開されてきた.
今こそ,公的な教育組織や福祉組織の固有性についての理解を深めるべきである.
官の組織(地方政府)がどうあるべきか?
共の組織(学童保育,地域組織,NPOなど)がどうあるべきか?
橋下徹大阪市長は,すべてをビジネスの組織論をベースに考えようとしている.
とても危うい.
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