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『卒業面(そつぎょうづら)』

2008-12-03 21:42:29 | Weblog
 ”ヅラ”という語尾の音を聞くと”でしょ”という故郷の言葉を思い出す。
 それはさておき卒業面(そつぎょうづら)という言葉は
 最近、読んだ本で印象に残った言葉だ。
卒業面とは明治・大正期に女学校教育を
 最後までやりとげる不美人をさしていた。
 現在でも退学者が多い学校が話題にのぼるが、
 現在のそれとは、まったく異なる理由で退学していた美人が多かったのである。
 当時の女学校で実施される授業参観は、外部にも公開されていたそうだ。
 授業参観は、嫁選びの場となっていた。
 授業参観が行われている学校は、まさにオークション会場、
 市場(いちば)と化していたのである。
 美人ほど、突然に学び舎を去らねばならなかったというわけである。
 慶大のある教授が、学歴が高まれば高まるほど美人が少なくなると
 冗談半分に言っていたことをふと思い出した。

  当時、恋愛結婚は殆どなく、結婚は「家と家」だった。
 「家と家」の結婚を丸く収めるためには、
 不美人と結婚することの方が幸せになれるという言説が必要だったのだろ。
  明治期の女学校の修身(道徳)の教科書『中等教育・明治女大学』には、
 以下のような記述がある。

「美人は往往、気驕り心緩みて、却つて、人間高尚の徳を失ふに至るものなき
にあらず……之れに反して、醜女には、従順・謙遜・勤勉等、種種の才徳生じ易き傾あり」。

 学校教育で、「美人」が堕落しやすい。
「不美人」は性格がよい。
と教えられていたことはとても興味深い。
 時代が変わり、「個と個」の関係が持てはやされる時代になると、
一時、美人が持てはやされるが、その美人も非難の対象となった。
それに対応するかのように美人とは、
心身ともに美しい人という「健康的な美人」に美人の定義が変化したことも面白いし、
それがおこった1910年代に
日本女子体育大学や東京女子体育大学の元となった
学校が設立されたことも「健康」をキーワードに合点がいく。
それはまさに時代を反映しているのであろう。
 現在では、表立って美人、醜女を区別することはない?
美しい人が多くなっているのではないだろうか?
つまりそれは、女性全員が美人をキーワードに、
さらに詳しく言えば、
”美しくなる”をキーワードに
美容産業のターゲットにされている影響とその効果でもあろう。
洋服、カバン、痩身、美顔、美容整形等は美しくなるため装置だ。

有名企業のシャンプーのコマーシャルには、
あまり美しいとは思えない南海キャンディーズのシズちゃんも登場している。
かつての憧れを抱かせる手法から、
美人からシズちゃんまでもが使用しているのなら安心。
自分も、ぜひ使用したいという気持ちを起こさせ幅白い顧客層を囲い込んでいる。
時代とともに美人の概念がかわり、美人とされる人も変わってきている。
いったい、今後、「美人」はどこにいくのだろう?







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