空の記憶

私SORAの日常の中に訪れた素敵な出会いや、とりとめない出来事を綴ったブログです。

臓器移植法改正案

2006-04-01 | Weblog
【臓器移植法改正案】

昨年8月、国会に提出されたが、衆院解散に伴い審議入りせず廃案となった

二つの臓器移植法改正案が衆院に提出された。


○患者の意思が不明でも、家族の同意で年齢にかかわらず臓器提供を可能とする。

○提供の年齢制限を「15歳以上」から「12歳以上」に緩める。



改正案がとおれば日本でも子供の臓器移植に希望の光が射す。

移植を希望して日本臓器移植ネットワークに登録された患者数は

心臓以外の臓器を含めて一万二千人以上という。

そして子供に関しては国内では命を繋ぐことはできない。



うちだっていつ何が起こるかわからない。

明日にでも余命半年の告知をうけるかもしれない。

持って生まれた病気、本人に何も罪もない

何とか助かる道を模索するでしょう。


現在これだけ多くの方が移植できなければ自らの生命を維持できない状況にある。

でも逆に言えば移植さえできれば助かる可能性がある方達でもある。


ある方がこう言ってました。

病気で亡くなられる方の死には二つある

それは「助かる命」か「助からない命」

最先端医療を駆使しても助からない寿命に対し

逆に治療さえ受けられれば助かる命があると。



当然多くの患者さん達は、法改正によってドナーが増え移植医療が進むことを

強く望んでいるでしょう。

私が患者本人でも家族でもきっと同じ思いになるでしょう。


ただ

「脳死は人の死」か否か。色々議論されてるけど

死生観の違いにきっと交わる日はこない気もする。



遺族の同意で提供するのは、WHO(世界保健機関)の世界基準と同じ。

是非これだけ進んでる日本の医療技術に値する進歩を見たいと

思います。

現在アメリカでは年間5000~7000人ともいわれてるドナーの数

それに対し、日本では数人に留まる。

それが改正後には数百人に増えるというのだから

本当に驚きを隠せない。

でも確かにそこには数々の深い問題が。

 
『臓器提供意思表カード』――このカードを持たずとも

今日からネットで意思表示登録が可能になったらしい。

アメリカでは免許証の裏に記載されてたりするが

日本ではそこまでいくにはまだまだ時間がかかるでしょう。


これはあるドナーのご家族のお言葉です。

「このカードは本人の『遺言状』だ」と。


脳死とはいえ体が生きてる状態で、自分の家族の生命の

絆を断つ。

残されるご家族にとってはどれほどの苦しい決断でしょう。

もし私の母が、子供が、愛する人がその意思を表示してても

その時がきたら私はできないかもしれない。



皆さんはある日最愛の方が脳死になり カードを持ってた場合

どうするでしょう。

残されたものとして『本人の意思を尊重する』

言うのは簡単ですがやはり悩むと思います。

そして時間のない中での決断を迫られる。


現在 現行法では15歳以上の人の意思表示が有効とされているので、

15歳未満の人は、臓器移植法に基づく脳死判定を受けて

臓器提供をすることができません。


でも15歳未満でも、移植医療のことを知り、よく考えて、

臓器提供の意思を持っている子はたくさんいると聞きます。



自ら腎臓バンクに登録した子もいれば、海外に心臓移植を受けに行く

こどものための募金活動に参加している子もいるそうです。




「私が死んだら、みんなあげてね。今、私はこんなに元気だけど、

 明日交通事故とかで死んじゃぅかもしれないから。お願い。

 お兄ちゃんみたいな病気の人にあげたいから。」



お兄さんを亡くしたその子は10歳の誕生日に自分の意志で、

葉書を書いて、腎臓バンクに登録したそうです。



うちの子、もうすぐ6歳になります。

まだまだ小さい子供です。が、YES・NOはっきり言えます。

そして自分の考え・思いも言えます。

さすがに6歳では知識・経験が乏しいので

移植の判断までは難しいでしょうが

なぜ法律に15歳という線引きがあるのかそこは疑問に思います。



命をないがしろにする大人もたくさん居る中で、

しっかりした目標・思想を持った子供達だってたくさんいるはず。

あくまで本人の意思を尊重できればそれが最善なんでしょうが。

難しい問題ですね。



ただやはり気になるのは臓器提供意思表示に関しては

他人の命を救いたいなどという自己満足的な感情でなく

自分の意思を尊重するが為に家族に苦悩を味あわせてしまう事があることを

忘れてはいけないと思います。



誰にでも自分を思ってくれる大切な人がいるのだから。

そしてその人達に支えられ守られ、私達もまた日々生かされてるのだから。


願わくば、明日の希望の光を強く信じてる

方々に日本の医療が最善の形で生かされる日が訪れますように。


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