母と私の「ごちそうさん」戦後物語

戦後・・・物資や食べ物の不足する中、母は愛ゆたかな食事を創ってくれました。

今・・・無性に母の「炒り卵風」が食べたいんです。

卵がお見舞いにつかわれ、大きさによって値段がちがい山のようにして、

輝いて飾られているようでした・・・とても高く売られていました。

誕生日の日に・・・山のように盛られた「炒り卵」でお祝いしてくれました。

子供心でも、とても幸福で・・・貧しさを感じる事もない日々でした。

少し大きくなったころ・・・台所に呼ばれました。

大きな豆腐がありました・・・？？？

生まれて初めての、母の料理教室でした。

水切りしていた豆腐を「和手ぬぐいで強く絞り」鍋で炒り始めました。

砂糖と醤油を入れさらに炒り、水気がなくなりかけたころ、

溶き卵を入れて、仕上げました。

別に指導するとかでなく、無言で創ってくれました。

出来立ての熱い味は・・・生涯・・・忘れません。

いつか・・・娘に伝えたい、大切なたいせつな味です。

金の豊かさとは、何なのかな。。。