横隔膜雑録 (横隔膜のたわごと改め)

我思う、故に我あり。
ことばを愛おしみ、己をかたらう。
北海道からのささやかな自己主張。

反テロリズム、であってほしい

2015年01月12日 | 時事ネタ
仏紙銃撃 パリで反テロ100万人超デモ 50カ国首脳も参加(産経新聞) - goo ニュース
資本主義は、21世紀の今なお生き続けている。
カール・マルクスの「唯物史観」は実現しなかった。

しかし、「資本主義」の土台は、資本家が富むという原則であり、
結果として労働者は搾取される運命にある。
これでは、社会は破綻する。

では、なぜ21世紀にあって「資本主義」が生き残ったか。
それは「社会主義」の提言を受け入れて国家運営がなされたからだ。

社会主義、共産主義に沿った政策を展開すると、
「格差」を生まないような施策が展開される。
税金を原資とした「富の再分配」が行われるわけだ。

今日の「先進国」のほとんどが、「福祉政策」という名の施策に取り組む。
それは「社会主義」の「格差是正」の方法論だ。
でも、行う国家は「資本主義」「自由主義」に立脚する。

「表現の自由」を脅かす「テロリズム」という図式が、一般に想定されているが、
その背景に「格差社会」の病弊という構図を見なければなるまい。

貧困層、被差別的状況に置かれた人々が、結果としてイスラム過激主義にしがみつく。
それは、社会の自然な力関係から生じているのだ。

フランスだから、穏やかに「格差」を容認していた、とは思わない。
知らないうちに「格差」が生じてしまったのであろう。
だから、積極的に「格差」を埋めていく取り組みを起こさねば、事態は解決されまい。

もうひとつ心配なこと。
「イスラム」が不必要な迫害を被ること。

近代国家の多くは「思想信条の自由」と、それに基づく「表現の自由」を保証する。
「表現の自由」が前提の「思想信条の自由」ではない。
だから「思想信条」への寛容が求められるのだ。

そもそも「イスラム」に対し、フランス社会全般が厳しさを増していた。
少数者への「寛容」が、この国から薄れてきている状況であった。

新聞社襲撃事件の際に射殺された警察官は、アルジェリア系移民で、
しかもイスラム教の信者だった。
イスラム教徒がイスラム過激派に殺されたのだ。

イスラムの中でも、様々な葛藤がある。
「イスラム」という言辞に単純集約をしてはいけない。
それこそ「多様性」を認めて豊かになった国家、フランスの存在に関わる。

どのように社会の「格差」をなくしていくか。
日本にも突きつけられている、重要な課題だ。

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