宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

狩野元信展  サントリー美術館

2017-09-18 19:53:59 | 美術


狩野元信は狩野派の2代目です。初代は父の正信。
狩野派は血縁関係でつながっていきます。元信の孫が狩野永徳、そのまた孫が狩野探幽です。

今までの絵師は中国絵画の名家の絵をなぞっていましたが、元信は漢画に「真体」・「行体」・「草体」の3種の画体を生み出しました。
「真」は山も木も岩も家もカチッと繊細に力強く描き、「行」は少し山・岩もなだらかに、「草」はもっとゆるく余白が多くなります。
まさに漢字の楷書・行書・草書と同じです。

「四季花鳥図」↑は襖絵を軸装に仕立てた大きな軸。よく見ると引手の跡が見えます。
全体は水墨画なのですが、鳥や花にはきれいに彩色がしてあります。落ち着いた中にも地味華やかさがありとても良いです。

春夏秋冬の耕作風景や養蚕機織りの様子を描いた屏風も緻密に描かれてうっすら彩色がしてあり、これも見事!

「和漢を兼ねる」と元信は言って、漢画だけでなく、大和絵の絵巻も描いています。
また、信仰の絵も描いていて、ボストン美術館所蔵の《白衣観音像》は素晴らしいです。

元信の活躍で狩野派は代々続き御用絵師にまで上り詰めたのです。元信はまさに”天下を治めた絵師”
この展覧会は必見です。

体験型ミニレクチャーといってミニ掛軸を作るプログラムに参加しました。
型紙、台紙、定規やハサミ のり、鉛筆など一人一人に用意されていて、40人ほども参加されていました。説明された通りにかわいいミニ掛け軸が出来上がりました。
主人も「70年振りに工作をしたよ」と言って、係の方を笑わせていました。とても楽しい企画でした。
コメント
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