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bassplayer斎藤草平のブログ

洗足学園の思い出

2016-10-17 13:42:29 | Weblog
少し前に洗足学園音楽大学の同窓会報の文章を頼まれ、会報Vol.69にそれが掲載された。
当時を思い出してとても懐かしかった。せっかく書いたので全文ここに載せておくことにする。


2003年ジャズコースベース(コントラバス)卒業の斎藤草平です
入学する1999年以前は一人でジャズのベースを学んでいこうと思っていましたがTVで洗足ジャズコースの存在を知り受験しました。
そのときはジャズブルースもろくに弾けていなかったと思います。ただイキフン(雰囲気)だけで弾いていたというか、顔で弾いていたというかそんな感じでした。
入学後初めてのアンサンブルの授業で今泉先生に「お前せめてメジャーとマイナーの差ぐらいつけろ」と言われたのを覚えています。
学校内には膨大な資料とジャズ理論、そして大勢の仲間、さらには朝から夜まで使える練習室があり、音楽家の卵達にはとても恵まれた環境でした。
私も色々な楽器の同級生を誘ってセッションをしていました。最初の一年は毎日寝る暇もないくらい猛練習しました。
一日25時間くらい練習してたんじゃないかと思えるくらいです。そのときの練習の効果は絶大で、その恩恵はその後体感で10年くらい受け続けたと思います。
もちろん在学中の4年間そしてプロになっても練習はしていますがあの時のような壮絶な練習はできていないです。
当時は学生たちに混じって先生も気さくにセッションに参加していただく機会が多く、その音や直接のアドバイスなどで勉強になりました。
ジャズという音楽を共に探求、追及する一演奏家の先輩のような存在でもありました。
卒業の年に山下洋輔さんのトリオに推薦していただきオーディションを受けることになりました。ドラムには同級生で一緒にバンドをやっていた福澤久が抜擢されていました。
二人で興奮し、度肝を抜くようなことをやらねば、と話し合いました。当日私はマイルス張りのでっかいサングラスをしてオーディションにいどみました。
内容は「枯葉」を演奏したのですが山下さんの肘うちに勝たねばいかんとばかりの大爆音量で演奏したところ「まーてまて!みんなが聞こえる音量で演奏しよう」と止められたのを覚えています。
結果は二人とも合格。そのまま山下洋輔トリオでプロデビューしました。
プロになってからは色々なバンドで演奏しながら2013年には自身の1stアルバム「Trio13」を発表、今年は北九州鉄人ジャズフェスに福澤久と共に出演します。
メンバーは全員洗足学園つながりで、ピアノは一期生のスガダイローさん、トロンボーンは洗足特別講師の向井滋春さんです。
私にとって洗足のつながりは本当に楽しいしありがたいと実感しております。
最近やっとジャズの尻尾を掴めた気がします。
これからの自分の表現のイメージは明確に有るので、それに向けてさらに精進していきたいと思います。

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